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紙の本
嫌いって、言ってないで。
2005/05/31 18:18
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:池のワニ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本のアニメーションの「空間」の描き方にたいする一考だけでも、読む価値は大ありだ。「巨人の星」の星一家が暮らす長屋の四畳半を例に挙げ、一度父と子が喧嘩をはじめたとたん、これが五十畳ほどに広がる。ディズニーなど海外のアニメにはこうした融通はありえないことで、空間の自由な伸び縮み。ここに日本のアニメの発想のゆたかさがあるというもの。
あるいは、小津安二郎の映画の、ゆったりとしたあのしゃべり。あのスローさに何が隠されているのか。言われれば、へぇー、ほぉーな、ちょっとした視点が面白い。
実は宮崎アニメってワタシ見たことがないだけど。でも、これを読んで、見てみようか、見たいぞというふうに気持ちが動いた。
出版社の一編集者だった人が、宮崎作品のプロデューサーとして世に知られる存在になっていくまでの、なりゆき。変わりようも面白い。もとがズブの素人。だけど作りたいものがある。素人なりに仕事を実地に覚え、映画産業という特殊な世界で切った張ったを演じていく。独特な仕事哲学をモノにするにいたるまでの、具体的なエピソードの一つひとつは、映画つくりに興味がある人ぱかりか、何を仕事にしょうか、どう生きていこうかと迷っているひとにとって、うれしくなる本だと思う。
これからは「弱い人間を主人公にしたい」という。その理由がいい。
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