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『七都市物語』シェアードワールズ みんなのレビュー

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みんなのレビュー6件

みんなの評価3.7

評価内訳

6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本

モトネタになった本は十五年前に刊行。ほとんど内容を憶えている人いないんじゃないかな?』

2005/05/07 22:38

14人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のらねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

モトネタになった「七都市物語」は、「銀河英雄伝説」という長編シリーズを一通り書き終えた田中芳樹に、早川書房の「SFマガジン」に掲載する短編シリーズとしてはじまって、後に文庫本としてまとめられたもの。で、その文庫本が一冊でたっきりで、その後の展開がまるでなかったシリーズが、どうしたわけか(たぶん、版権管理している「らいとすたっふ」の企画だろう、とは、想像しているけど)十五年もたって半ば忘却された今時になって「シェアードワールド」として刊行された。そのブランクを埋めるためだろうが、大ざっぱな背景の説明は「はじめに」で説明されるし、巻末には詳細な年表も用意されているので、この本で初めて「七都市」シリーズに触れる方も、(たぶん)安心できるかと。
「待望の」と冠するには、あまりにもマイナーなこのシリーズ、さて、実物の方の出来がどうかいな、と、試しに読んでみると、予想する以上の寡作揃いだった。
「大転倒」という地殻変動の末、干上がったジブラルタル海峡に運河を建設する公社と、その公社に資本を投入している二都市との政治的軍事的対立や駆け引きを描きながら「ボーイ・ミーツ・アガール」の物語を展開する、小川一水の「ジブラルタル攻防戦」。
異常な出生を持つ主人公と、その主人公を支えるナイーブで凡庸な物語の語り手も兼ねる青年、という、お得意の構図で「この世界ならでは」の虚々実々の駆け引きを展開する森福都の「シーオブクレバレス号遭難秘話」

架空戦記畑が本来の活躍の場である横山信義は、「ペルー海峡攻防戦・番外編」として、お得意の海戦、それも、比較的珍しい「潜水艦狩り」を展開、の、「オーシャンゴースト」。
横山と同じ「架空戦記畑」でも、羅門祐人は、やはりこの世界でしか活躍の場がないような、ある種の「トンデモ兵器開発秘話」的な物語を用意する。
総じて、同じ世界を共有しながら、各々の得意とするフィールドの方に引っ張ってきて、のびのびと料理しているなあ、という感じで、どれも(良い意味で)気楽に読み終えることが出来た。

酩酊亭亭主

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2005/05/01 13:38

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2006/10/16 10:34

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2007/08/18 14:10

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2011/07/05 12:59

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2018/05/13 20:43

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