投稿元:
レビューを見る
2巻によっては評価が変わるかもしれないけど、現時点では☆2で。知識のひけらかしとか表現のひけらかし?みたいなものを感じた。最果てのイマみたいだけどこっちはあんまり楽しめなかった。
投稿元:
レビューを見る
ハインラインの『夏への扉』を読了後に読みました。
時間移動を題材とする作品が好きです。
主人公たちのたまり場となる「夏への扉」という喫茶店が登場し、ヒロインの飼い猫は「ピート」といいます。
この「時間改変も並行宇宙もない、ありきたりの青春小説」では
高校生5人組が<時空間跳躍少女開発プロジェクト>を実施します。
ヒロインは世界を置き去りにして未来へ跳びました。
また数々のタイムトラベル作品の引用や考察がされているので
面白いです。
投稿元:
レビューを見る
幼馴染の女子高生が身につけた、時間跳躍能力をめぐる青春SFです。全2巻。
ストーリーは主人公の一人称で語られるのですが、これがとにかく煩わしい印象です。
ストーリーそのものと、主人公を除く4人のメインキャラクターは良いと思います。
とにかく、主人公が披露する蘊蓄や寒い表現が物語のリズムを台無しにしています。
主人公とその母親の、面と向かいながらのPCチャット……嫌悪感です。
投稿元:
レビューを見る
何度も読み返したくなる本。書いてある言葉とか難しいけどだんだんわかるようになる。文章の書き方が好き。
投稿元:
レビューを見る
本作は1・2作からなる長編SFとなっております。
この1作目なんですけど、後半にタイムトラベル作品をまとめた座標がありまして、一見の価値ありとなっております。
作者は、タイムトラベルストーリーのファンなんでしょうね。
作中に正式な名前を持たない猫がいるんですが、時折ピートと呼ばれたりしてます。タイムトラベルストーリーファンへのサービスだと思います。
投稿元:
レビューを見る
それは、1度辿り着いたはずの月へも到達できない【現実】についての冷静な判断と、「あらかじめ失われた未来」についての絶望の物語。
なのに、しかも、なおかつ、それは、青春の物語。
とても乱暴な言い方をすれば、最新の「少年が大人になる物語」なのだろうと感じました。
投稿元:
レビューを見る
ご託の多い、賢い高校生の語りが読みにくい。慣れないとしんどい語り口調。だけど、ある程度読み進めてくると面白い。かも?ノリとしては『時をかける少女』と『ドラえもん』を足して二で割った感じ??とりあえず、2巻になるまで核心に迫らない。何だかんだで読み終わる感じ。
投稿元:
レビューを見る
続き物と気付かずに購入したので、続くんだ…という拍子抜け感とかが押し寄せ中。
『跳ぶ』能力を持った少女を巡る青少年のうんちゃら。
その後の悲劇とかきな臭さとかを煽っているものの、一巻ではわからず。代わりに主人公少年の悔恨の独白が綴られるが、その原因は次巻以降に乞うご期待。
そういう訳でこの巻のみだと結構欲求不満になるのでさっさと続きを買わねばならない。
ちなみに主人公の仲間うちでタイムトラベルに関するフィクションを読破していくという部分があり、そのタイトルが並ぶ。
このあたりは、個人的に首肯できたり参考になったりした。好き者にとっては、タイムトラベルものへの愛溢れる部分だなぁとうっとりすることうけあいの部分ですね。
投稿元:
レビューを見る
『時をかける少女』へのオマージュ的作品らしいが、私は『時をかける少女』を読んだことがない。
県立美原高校へ入学したばかりの卓人、幼馴染みの悠有(ゆう)、そして、涼、コージン、饗子の同級生5人組が開始する「時空間跳躍少女開発プロジェクト」。
それは、入学早々のマラソン大会で悠有が起こしたとされる、不思議な現象が発端だった。
数々のタイムトラベルに関するSF作品が登場しますが、それを知らなくても全く問題ありません。事実、私もよくわからない。
個性的な高校生5人組と、その周りの人達を巻き込んで、素敵な一夏の物語が始まります。
確かにSFなんだけど、素敵な青春小説です。
投稿元:
レビューを見る
1巻しか読んでない状態でこんなことを書くのは時期尚早かもしれないが、ストーリー自体はあまり面白くない。2巻に色々な謎を持ち越しているから読むっちゃ読むけど・・・。別に蘊蓄を垂れるのは構わない。そこそこ面白いし、様々なSF小説の名前が挙がっている点は自分で読んだ小説のことを思い出したりもして、変わった楽しみ方もできたのだけど・・・語り手である主人公の科白が非常に読みづらく、分量以上に長さを感じてしまった。以上が悪い印象。以下が良い印象。
この小説の良さは、随分とひねた主人公たちによる世界の見方にあるかと思う。ムスリムの礼拝を星間通信・定在波などと表現してみたり、来世が無いなら開発(自然科学的?な意味で)しようという発想とか、変わったことに熱中する人だからこそ見られるであろう切り口を沢山見ることができた気がして、楽しかった。
p223「ぼくらの間には、半世紀ぶんの相互誤解が積ってる。(中略)たとえ同じ時間を過ごして同じ事件を見たとしても。ジャンボ機が摩天楼につっこみ、シャトルが大気圏に再突入しながら燃え尽きる、そんな映像をいっしょに見たとしても、ぼくらと彼らはきっと違うものを見てる。ぼくらはお互いに時間旅行者だった。」これに尽きる。この相互誤解の原因は世代の違いだが、同世代あるいは近い世代でも相互誤解は無数に起こる。主人公たちの世界にタイムスリップした時空間旅行者として、彼らが見た世界を楽しめただけでも十分だった。続きが楽しみ。
投稿元:
レビューを見る
あの奇妙な夏、未来に見放されたぼくらの町・辺里で
幼馴染みの悠有は初めて時空を跳んだ―たった3秒だけ未来へ。
「お山」のお嬢様学校に幽閉された響子の号令一下
コージンと涼とぼく、そして悠有の高校生5人組は
「時空間跳躍少女開発プロジェクト」を開始した。
無数の時間SFを分析し、県道での跳躍実験に夢中になった
あの夏―けれど、それが悠有と過ごす最後の夏になろうとは
ぼくには知るよしもなかった。
正直なところSF?というジャンルだけあって難解でした。
自分は非現実的なものが読めないみたい・・・。
それを様々な実験と考察で話は進んでいくんですが
登場人物含め、語り口調もあまり好きではなかったです。
ライトノベルが好きっていう人向けな感じ。
2巻目に続くらしいけど読まないです・・・。
同じタイムトラベラだったら「時をかける少女」の方が好きかな。
投稿元:
レビューを見る
時間を跳躍した少女の話。穏やかに流れる時間、それにゆっくりと忍び寄る不安。この静かな読み応え、好きです。読書中毒の登場人物たちの会話から出てくる時間SFの作品で読んでいる作品だと嬉しくなり、読んでない作品だと精進しないと改めて思いました。それと合間に挿まれた地図は一体、どういう意味を持つのでしょう。次巻へ。
投稿元:
レビューを見る
タイムトラベル能力を持った少女とその仲間たちのひと夏の物語。その夏は彼らにとって忘れられないほろ苦いものとなっていく。
正直言って、冒頭はなんだか鼻持ちならない高校生がぞくぞく登場してくるので素直に感情移入できなかったのだが、読み進めるうちにしっかり引き込まれていった。
SF的ネタを扱っているものの、実はしっかり青春小説だ。自分が好きなことに時間をたっぷりと使え、自分の好きな人が周囲にたくさんいたあの頃。大切な時間はもう戻ってこない。
なんだか訳の解らない理論にも度肝を抜かれたが、「いちばん好きになれるものを手に入れて、そいつと一緒に歳をとれ」の台詞には不覚にも感動してしまった。
小説全体に満ちる喪失感と無常感が素晴らしい。全2巻だが、ラストも余韻たっぷりに終わる。
投稿元:
レビューを見る
タイムトラベルに関する小説である。主人公達は進学高に通うませたガキ共であるが、ある日仲間の一人がほんの数秒、時空間移動をしたことをきっかけに物語は動き出す。いったいなぜテレポートをしたのか、どうやってしたのか、そもそも本当にテレポートをしたのかと議論を重ねていきそんな中彼らの目の前で実際にテレポート(タイムトラベル)が起こる。
主人公達高校生の議論はおもしろい。タイムトラベルに関する小説を集めそれをもとに話し合いが進む。おもしろがっている登場人物もいれば信じられない思いで必死に反論しようとするものもいる。そんな中タイムトラベルは起こってしまう。現実にもし起こったとしたら大問題であり間違いなくニュースになってしまう。主人公達はかなり頭のいいやつらみたいなのでがんばって科学的に証明しようとしてもいいのではないかとも思うがそんなことはないし公にしようともしない。私の場合もおそらく公にせず自分達だけの秘密としようとするのではないだろうか。主人公達の住む世界は良くも悪くも閉じた世界である。将来大人になったときに「そういえばあんなこともあったなあ」と懐かしむのだろうか。
高尚な議論を交わしタイムトラベルを考察している主人公達に青春を感じた1巻であった。さて2巻では跳んでしまった彼女はどうなったのだろう?
投稿元:
レビューを見る
“「当然じゃん」ぼくはできるだけコージンを刺激しないよう、慎重に返事をする。代わりに雨の中を走れと命じられるくらいなら、追従者になったほうがましだ。「場所は問題じゃないって。さもなきゃ、これまでにも同じことが起きてたはずだし」
「違うな」
「なんで」
「その理屈だと、おまえの幼なじみは、これまでにも何度か消えたり跳んだりしてることになるぜ」
「…………」
たしかにコージンのいうとおりだった。『跳んだ』場所に原因がないのだとしたら、悠有本人に原因があることになる。それでも問題は単にそちらへ横滑りしただけだ。つまり真の問題はこうだ……なぜ今年の夏が初めてなのか?
「あのさ、もしかしてさ」
「うわ」
ずぶ濡れの涼が近づいてきたので、ぼくらはそろって後じさる。気まずい沈黙のあとで、ぼくはようやく思い出し、預かってた涼の傘を渡してやる。
「で、なんだって?」
「だから、もしかしてさ」涼の口調は真面目だった。今から思うと、やつだけが、もうこの頃から事態を真面目に考えていたのかもしれない。「ほんとはこれまでにも、悠有って何度か『跳んで』たんじゃないのかな。ぼくらが気づいてなかっただけでさ」
ふたたび、気まずい沈黙。
「まさか」ぼくの反論には、まったく論理性がない。「まさかそんな」”[P.96]
この時ここをこうしていれば、この先の何々は変わったかもしれないのにと主人公が多々思うものだから、彼等がこの先どんな出来事にあってしまうのかと気になって気になって。
後半である2巻で色々なことがぶわっと起きそう。
“二人の患者の神経系におきていたのは、まさにそれだった。数週間おきに、ありえたかもしれない過去と現在(そして時には未来)が脳細胞の網の中に現れる。どこにも矛盾のない、完璧な半生。ふつうに通学もできるし、掃除も料理もベッドの支度もできる。ただ一つだけ問題があるとすれば……まわりの世界すべてが自分の記憶と食い違っているということだけ。
鉱一さんは四番目の患者で、だから医療機関の対応も最初の二人に比べれば適切だった。自殺未遂も無し、精神病院への片道切符も無かったんだから。それでもやっぱり、事が解決したわけじゃない……全身の筋力は弱まり、カルシウムは減っていく。軽い頭痛とわずかな目眩。消化器系のゆっくりとした衰弱。睡眠時間の増大傾向。免疫力の低下。それからもちろん、約十七日周期でうつり変わっていく彼の『現実』。
知里先生も周期にあわせて新しい地名や人名を学んでゆく。変化がおきるたびに同じ説明が繰り返される——ええ、たしかにここは君の住む火星基地(もしくはガリレオ衛生の田園都市、十九世紀最後の年に建てられた古い軌道エレベータ、関門海峡を越えてつながる万里の長城の一角)ですよ、ですが貴方は原因不明の難病に罹ってしばらくのあいだ治療と静養が必要なのです。ですからこの部屋から出ないように。ご心配なく、貴方のただ一人の肉親である妹さんには、きちんとこちらから説明してありますから——。先生の忍耐力は、ほとんど無限に続く。まるでトリブルのように、どこまでも。彼は鉱一さんの『世界』の���んの一部を共有する。新しい家具や生活用品を一緒に作りさえする。十七日毎の『世界』を分かっていなくても、静かに参加することはできる。”[P.165]