紙の本
「公共放送のあり方」を追究する労作
2005/09/08 11:31
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アリョール - この投稿者のレビュー一覧を見る
紅白歌合戦も担当したチーフ・プロデューサーが、ビックリするほど高額の制作費着服事件を起こすなど“不祥事”が相次いだことから視聴者の「NHK受信料不払い」が激増。今年1月には朝日新聞が「政治介入・番組改変疑惑」を報じたが、いまNHKは、本来の姿である「公共放送」への取り組みに関して深く問われる立場にある。
この本は、放送評論家の著者が“NHKと公共放送の問題”を追及した放送ルポルタージュの労作だ。ジャーナリズム機関は「民主主義の番犬」というウォルター・リップマンの言葉を引いたりしながら、社会問題化した“NHKの体質”について考察する。
一挙に噴き出した諸問題は視聴者に“いったいどうした、NHK?”と思わせ、また“NHKって何だ?”という疑問も抱かせることとなった。それが受信料不払いに繋がったわけだが、しかしホントに、NHKって何なのだろう?
日本経済新聞社の放送担当記者・編集委員として長期間NHKを見つめてきた著者は、そういう立場だからこそ重ねられた経験を基に、そうした問いに答えて行く。
いわゆる「海老沢体制のもと」で、NHKは視聴者よりも「永田町の方」を向くようになったと著者は言う。そうした傾向はいまに始まったことではないけれど、しかし海老沢体制時代は際立っていたようだ。
そんな状況を、川口幹夫・元NHK会長は「政治がNHKをダメにした。政治が悪い!」と語っていたとある。
公共放送としてあるまじき態度で、そのあたりは同じように受信料を主財源として運営される英国BBC放送との比較を通して解説される。
“公共放送”については、視聴者の側もきちんと考えなければならない。そんなことも含め、多くを教えてくれる本である。
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課題で読んだ(読まされた)。
うーん。NHKはこんなに体質に問題があったのねそうなのね。へえ。で終わってしまった・・。同じことの繰り返しで余り得るものはない…。これから国民が、「自分もNHKをつくってる一人なんだ☆」なんて思ったりする日が来るのでしょうか。そりゃ理想的なのだろうが、いまいちイメージわかん。
つーかメディアは他のメディア叩きに精を出す前にやるべきことをしっかりやれい!人の振り見て我が振りなおせ!!である。実に・・
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イギリスのBBCと比較しながら、日本における公共放送の役割を検証しなおす。どうしてみんなはNHKに受信料を払わなくなったのか。
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メディアの勉強をしておきながら、NHKについてあまり知らないというのはまずい。
ということで読みました。
NHKの歴史から受信料問題等。
NHKの全体像をつかむにはいい本だったと思います。
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公共放送のあり方にて書いてある。ただ正直読んで思ったのはNHKに対して非も書いてあるが、それ以上に政府のたかり主義的な行動に深刻な問題があるように思える。(もちろんそれにはまったNHKにも問題はあるし昨今の不祥事は正直モラルを逸脱しとるけど)
BBCなどのメディアを比較に出しているが、確かに指標として出すことはできるが、NHKがそれになれというのは正直無理に感じる。それは日本人の古来からの性格的なものであって、馴れ合い主義的なものは日本のある意味国民性であるから。その中で変革について考察すべき、、、
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よくも落としやがったなNHKよ。だがしかし、お前の黒歴史はしっかりとつかんだぞ。受信料など…できれば払いたくないのだが…でも仕方なく払ってやる。その代り、権力に寄り添わず、権力の監視機関としてしっかり機能したれよ。嫌々ながら…すごく期待しているんだから…
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[ 内容 ]
危機の真の原因は?再生への道は?
不祥事や政治介入疑惑に揺れるNHK。
長い密着取材歴をもつ著者が、その危機の実態と病根に迫り、市民的公共放送としての再生を展望する。
[ 目次 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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NHKの教育テレビは、すごくいいもの作っている。
今なら,Begin Japanology, Trad Japanなどは欠かさず見ている。
それなのに、なぜ組織がうまく回っていないように見えるのだろうか。
日本の放送界を主導する組織であるNHKの限界は何なんだろう。
いい番組をもっと書籍で宣伝する、前向きの企画を実現してほしい。
Begin JapanologyのDVDを安価に出して欲しい。
また「NHK 教育テレビにみる文化資産」みたいな企画はどうでしょう。
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良い本ではあるのだが、いかんせん古すぎた。この当時のNHKへの不満はジャーナリズムとして中立でないことに向けられていた。今でもその批判はあるだろうが、時代は進んでしまった。現在NHKへの不満は主に受信料に向かっている。昔のように「払える人は払ってください」という姿勢のうちはまだ不満も小さかったが、訴訟まで起こしてワンセグからも受信料を取るのはやり過ぎ。こういう視聴者を敵に回すやり方をするから立花のような男が100万票も取るのだ。
そもそもラジオしかなかった時にできた法律をネット時代にそのまま適用するのは無理がありすぎる。受信料はノンスクランブルの報道・教育番組向け(数百円/月)と、スクランブルありの娯楽文化番組向けの2階建てにするしか道はないと思われる。そうでないとテレビというメディアそのものが消滅するだろう。