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前知識なしに読んだ本だけど、いきなり殺人シーンがあるのは、まるで刑事コロンボのような感じを受けました。完璧と思われた犯行が、探偵役によって徐々に明かされていく形式のものです。
久しぶりに開かれる大学の軽音楽部の同窓会。男子4名と女性3名が成城の高級ペンションに集まった。そこで、ひとりが部屋に鍵をかけたまま、呼んでも応答がない事態になる。各自の推理は・・・
途中、自然さを追求するのと逆に不自然な論理もありました。それも後で訳あってのことと分かりましたが、その論理に納得してしまう、周りの人間はどうかと思いました(^^;。しかし、ひとりだけはすごい推理を提示する、、このすごいギャップは。。。あまり、この作品にリアリティを追求してもしょうがないけど。
タイトルに含まれた意味は確かに面白かったです。さらに探偵役と犯人役の微妙な人間関係も面白いです。ただ、前作の「水の迷宮」でも感じたことだけど、「動機」が納得いかないのです。どうして殺すのか。そこに止むに止まれぬ感情があってこそ、読者は本当の感動を得るのだろうけど、心理描写を楽しむような作品だけに惜しい感じでした。
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先輩たちの評価が高いので読んでみるが
私的にはそんな褒めるほどの作品ではないと思う。いわゆる倒叙型のミステリであるこの作品、犯人の動機も最後までわからないわけだが登場人物たちの行動があまりにもリアリティが無く、しかも結局それは動機のために作者がわざとそういう行動をとらせたといえる。そこをうまく書けていればこの作品、良作なのですが。
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倒叙ミステリ。「開かれない密室」というシチュは斬新だと思うが、読めば読むほど蓄積される不快感に腹が立った。犯人と探偵役の対決が見せ場なのだろうが、まるで対決になってない。この種のミステリでは犯人と探偵を同じキャラで書くべきではない。ご都合主義とも思える探偵役の指摘に一気に興醒めした。話の中で薄っぺらいキャラたちが勝手に盛り上がっている感じ。早い段階で見破れる動機は穴だらけ。ラストの無意味な曖昧さでダメ押し。
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いつもどおりロジックには感服。
今回の趣向はそのミステリ的興味を更に際立たせている。
犯人対探偵の静かな対決が見もの。
個人的には今まで読んだミステリの中でもかなり上位に入る。
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これは…。う〜ん、個人的な感想。
この本には理論的思考の持ち主が2人出てきますが、その理論的な思考ゆえに、行動が少しちぐはぐな感じに見受けられました。なぜここまで理論的に考えられるのにこのような行動を起こすのか? と。
また、探偵役は実際に現場を見たわけではなく、推理で犯人を追い詰めていきます。これはこれでいいと思います。安楽椅子探偵という事件を詳細を聞いて謎解きをするものもありますし。けれど、なぜか浮いた感じが否めません。
それは、小説内世界におけるリアルが感じられない人物描写から来るのでは? と自分では思っています。地の文では犯人役、探偵役に対して細かく描写されているのですが、その描写ゆえにじゃあなぜこのような行動をするのか? という疑問が頭にずっと残るからです。
よく言う人間が描けているとかそういったものではないのですが、作者が設けた世界のバランスとちぐはぐな印象を受けるのです。
だからといって、この本が面白くないのか? というとそうではありません。
論理的に物事を突き詰めていくところ、状況を作るプロセス、犯人と探偵とのやり取り、など緻密に考えられていて、非常に好感が持てました。実際に密室事件が起きた場合、中の様子が確認できなければ一般ではそう簡単に扉をぶち壊したりして開けようとはしないのではないか? そういうところにも作者の深い考えを感じ取ることが出来ました。
だからこそ私にとってはおしい作品だなぁと感じたのです。
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以前「ソウ―SAW」を観た後、岡嶋二人の「そして扉は閉ざされた」を読んだように
今回は「SAW2/ソウ2」を観た影響で閉鎖状況での推理小説を読みたくなり選んだのが
この本「扉は閉ざされたまま」である。タイトルからして先の岡嶋二人作品
「そして扉は閉ざされた」は確実に意識しているのだろう。
成城の高級ペンションに同窓会で集まった大学時代の旧友7人。
序章で殺害場面があり被害者も犯人も初めから明かされている。犯人は殺害後、密室を
作り上げ現場には外部から入室できないようにした。殺害されたとはつゆ知らず
いつまでも部屋を出てこない友人を気遣う同窓会メンバー。参加者の碓氷優佳だけは
事態に疑問を持ちただ一人、犯人を追い詰める。
正直言って映画「ソウ」シリーズとは閉鎖状況があるという程度でほとんど共通点がない。
「SAW2/ソウ2」に無かった「限られた状況の中数少ない手掛かりから推理し真実を追う」
趣向が素晴らしく徹底的に展開する。こういうのが読みたかった。
読み進むにつれ事件の真相に近づく一方、密室となった部屋を壊して入室出来ないという
制約がどんどん大きくなっていく。登場人物が7人でも実質は犯人と探偵役・碓氷優佳との
火花散る一対一の論理対決だ。まったく無駄のない構成で最後の最後に扉が開くまで
物語の緊張感が緩むことがない。一気読みの一冊。
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新しいタイプのミステリです。
一見倒叙ミステリのようではありますが、根本的な作りが違います。
開かない扉を前にして、犯人とそれを暴こうとする者の推理合戦。
ちょっとした出来事や事柄から、どんどん推理を組み立てていく。
まるでエラリー・クイーンの推理を見ているようです。
緻密な推理、論理の積み重ねが、どんどん犯人を追い詰めていきます。
しかし結末は・・・。
ただの倒叙ミステリではありません。
一ひねりしてあります。
こういう結末があっても良いでしょう。
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このミス2位にひかれて読んだ。ミステリーには必ず謎を解くいわゆる探偵役が出てきて、高い確率で探偵側についてしまう私だが、今回ばかりは違った。一つ一つ謎を解き犯人を追いつめる段階になると、よしそこだ!食いつけ!落とせ!と応援し、落とした時には気分爽快!ざまあみやがれ、あぁこの探偵役かっこいーーとなるはずなのに、犯人を追いつめるに従ってイライラが増していき、あぁもうしつこいなぁとげんなり。かといって犯人が好きなわけでもない。何ひとつ心に響かなかった小説。
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不思議な静かさと緊張感ともどかしさで一気に読ませるミステリーです。
大学の同窓会でメンバーを殺した伏見。
殺害シーンははじめに描かれているので、読んでいる私は伏見の視点でいかにしてこの殺人を事故死として成立させるかを見守っていきます。
ところが物語は本当に静かに進んでいきます。
死体が発見されないから。
そこに集まった4人は残りの1人が扉の向こうで死んでいることも知らずに酒を飲み続けます。
周到に殺人は遂行され、すべては伏見のシミュレーションのとおり、ただ一つ、彼女の存在を除いて。
彼女は明晰な頭脳で、状況の不自然さを見抜き、じわりじわりと伏見につめよります。
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帯で余りに絶賛されていたので読んでみた1冊。
確かに読みやすく、一息で読めました。
主人公は殺人犯。
殺人を犯して蜜室を作るところから始まり、その密室の扉を開かせまいとする彼と閉ざされたままの扉に疑問を抱いた女性の淡々とした攻防戦の話。
あらすじを見ただけで話の展開の8割はわかってしまいます。ストーリー上仕方ないんだけど。
ただ推理小説を読んだ時に一番ポイントになるのはやっぱり衝撃というかカタルシスというか、「ヤられたー!」っていう意外性が私には必要不可欠で。
そういう意味ではボトルの件とか犯行時の段階で気づいてしまった私は残念ながらあまり楽しめず…。犯人がわかっている以上は「うわぁ、そんな事からバレちゃうんだ」的な驚きが欲しかったです。
動機も微妙。
最後まで引っ張る割にはどう考えてもきっかけとしては弱いし、矛盾多過ぎるような気が。
最後のオチも…どうなんでしょ。
女って、怖いよね(苦笑)。
やっぱりこのミスとかあんまり信用しちゃいけないな、と再認識した作品でした。
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大学時代の仲良しさんが集まった同窓会。ここで一人が事件を起こした。2位作品で楽しみにしてた。優佳の頭のよさには脱帽。
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冒頭でいきなり発生する密室殺人…しかし、密室は閉ざされたまま物語は進む訳で、密室殺人なのに密室がラストまで開かない物語というのは新しいですねぇ。殺人動機が薄い気がしてしまうのが難点ですが良かったです
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なぜなぜなぜ??
動機は何???っということで優佳ちゃんのがんばりだした中盤以降はまぁ面白かったです。。
でも、こんな女の子怖いけどね。。
ちなみに表紙は、右から石丸、伏見、優佳、安東、礼子、五月で正解でしょうか?
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書店で大きく取り上げられていたのを機に、初めて石持さんの本を読みました。犯人と探偵役の頭脳戦がウリだったようなのですが・・・最初に犯人がミスを犯した時点で「これ、まずいんじゃない?」と鈍い私でも気付いてしまいました。そこで楽しみ半減。さらにそんなミスに誰も気付かない点で減点。殺人の理由も、犯人が心配するようなことは現代では起こらないだろうと。そんなこんなで消化不良に終わりました。石持さんには興味があるので、もうちょっと他の作品を読んでみたいです。
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古畑任三郎みたいで古畑任三郎みたいじゃない、ベンベン。はぁ〜果たして果たして。叙述式というのでしょうか。非常に面白かった。密室物は面白い。よって☆5つ。