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元革命家の父を持つ息子が、周囲と違う家庭環境に苛まれながら、小学生生活を送る。という話。
第一部の中野での生活を描いた話では主人公が直面する上級生からの仕打ちに対して自分とは違う普通の友人達と必死に背伸びしながら立ち向かっていく姿が面白くもあり頼もしい印象。また、自分の家族や父親の仲間との秘密の関係なども伏線として張られていく様が期待を膨らませた。
第二部の沖縄の離島でのエピソードでは、家庭環境ががらりと変わっていく様子に対する主人公や家族の心情の変化が大変読んでいて気持ちよく描かれている。
特に主人公の姉の変貌振りは思わず感情移入せずに入られなかった。
また、ラストの一悶着も非常に見所で、作者らしい印象を受けた。
「イン・ザ・プール」や「マドンナ」など、どの作品ともまたカラーが違っていて非常に読み応えのある作品だった。
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読まず嫌いの奥田英朗。しかし、2006年度本屋大賞二位に輝いた『サウス・バウンド』ということで読んでみました。
元過激派でぶっ飛んでる父を持つ二郎。父は税金も払わず、仕事もせず、官に対して批判的な態度を取り続けるために、二郎の周囲で多くの事件が巻き起こる。
クセのありすぎる父を疎んじる二郎。しかし、家族が沖縄に移住し、そこでの父の逞しさを見ることにより、家族の絆が深まっていく。
素朴な中野の雰囲気、沖縄ののんびりした雰囲気であったり、小学生の日常が生き生きと描かれており、とっても面白かったです。
やっぱり奥田英朗は面白いのだね。これから読まねば!!
南国住みたい!!
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本屋大賞第2位の本だそうだけど、なんかあたしには合わなかったのか、何度も寝た。
『ララピポ』とかの方が好きだった。
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右翼左翼の話は好きではないので読み飛ばした。展開は良いかと。
最初嫌いだった人が好きになって終ってよかった。やや泣けた。
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2006.11.15読了。少年の成長記。常識ハズレの親を持つと子どもが苦労する。それはとってもよくわかる。次第にその親の常識のなさにかっこよさを見出すことができる。それが成長って事なんだなぁ。続編に期待。
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父の名前は上原一郎。息子の僕は上原二郎。
変わった名づけ方だ、と息子の僕でさえも思う。ただ変わっているのは、それだけではない。
父がどこかへ勤めていたことなんてない。家にいるのが父親だと思っていたこともあった。
父は国が嫌いらしい。税金すら納めていないほどだ。学校なんていかなくていい、とすら言う。
父は、元過激派、らしい。よく意味はわからないけれど。
そんな父と一緒にいて、僕達家族が、平凡に暮らせるはずなんてなかったのだ。
小学六年生の二郎の視点から描かれた、長編ロマン小説。
非常に味わい深い作品でした。本自体の厚みも結構あるのですが、小学六年生の男の子の視点で書かれているため、ちっとも重過ぎず、すいすいと読めてしまいました。子供と、大人へとの過程に踏み出している年齢、その境目にある心、感受性、メンタル面での弱さ、また逆に強さみたいなものが、がんがん押し出されているので、すごく興味深く、面白い。二郎くんという少年に、完全に飲み込まれてしまいます。
なかなか過激な話だけれど、そのストーリーの中で、二郎くんが変に子供っぽいことを考えたりする一面もありながら、大人の世界を覗いてしまっておどろいたり、世間の暗い部分を知ってしまい、ショックを受けたり、他人の不条理な言動について戸惑ったりしながら、二郎くんが自分の中での、正しさ、を見つけていく、自分の弱さを認識していく、自分の立場をしっかりと考えていく様に、とても心を動かされました。
大切なのは、自分が思う「正しさ」を貫くこと。自分の選んだ道を信じること。
そして、それを後悔したりしないこと。
それは最高にカッコイイ、ということ。
彼ら家族の、大切なもの、愛するものを守る絆に感動です。
すごく素敵な作品でした。
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「おもしろい小説ここにあります!」
と謳っているのはダテじゃないです。個人的にも奥田英朗の最高傑作☆
主人公の親父のキャラの濃さに負けないストーリー展開にただただ圧倒です。
本屋大賞第2位受賞
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破天荒な親父がどこか自分の親父とダブりながら読みました。小学生のときは親父の横暴さや無謀さがとてもイヤだったのを思い出します。
ひとりの少年の想いや成長する姿が映し出されているように思えました。
たぶん好き嫌いがある作品だと思いますが、さらっと読めてしまう感じが好きです。
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元過激派の親父をもつ家族の物語。
両親、姉、妹と自分の5人兄弟。
東京・中野と沖縄の繰り広げられる抗争。
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僕の父さんは元過激派とかいうやつで、いつも家にいて小説を書いて
いる。学校なんか行く必要ないとか言うのだけれだけれど……。
少年の視点を通して、変わり者の父に翻弄される家族を描く、長編
大傑作!
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500ページ越えの長編ですが、とても読み
やすいです。
2部に分かれているのですが、前半は主人公の少年になったような気分で、ハラハラドキドキしながら読み進み、後半は登場人物への思い入れが深くなっていきました。
主題は別として、共産主義とか学生運動とか大時代的なモノが出てくる割には、読んだ後に爽快感が残りました。
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面白かった!それぞれのキャラが際立っており、濃い話である。親の年齢と闘争世代には違和感を感じるが、何があってもまぁ何とかなるか、というようなさわやかな気分になった。最後の落とし穴のシーンは最高!
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学生運動の英雄を父に持つ二郎は破天荒な父親に翻弄さえる。沖縄の西表島に引越してから父親を見直し家族の絆を深めていく。
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今まで読んだ奥田さんの作品の中で一番好きかも。
沖縄 ちょっとブームっぽい感じがあるなー。
読み終わって 私にも南風が吹いた気がした。
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家族のお話。バラバラに見えた家族が本当はすごく結びついているんだなぁと思わせる読後が爽やか。お父さんのキャラクターはほんとに凄いけど、なんだかすかっとして見えてしまうのにはびっくり。第2部になり舞台が石垣島になってから、その土地の持つ雰囲気というのか、すごく笑顔の多いストーリーとして展開しているように思う。すごくいろんなことが起こっているんだけど、最後が穏やかというのは石垣島マジックとでもいうべきか。