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紙の本
偽物のおかしな恋の間にある心情を、
2006/02/27 00:24
12人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「夕凪の街 桜の国」で、一躍注目を浴びた筆者の新刊である。「夕凪の街」は、「感動モノ」として読まれたようだけれど、私の場合、そのやわらかな描線に大いに惹かれた。彼女の作品の中には、感情を直接に表現することばはあまり出てはこない。けれども、そのふうわりとした線が、さまざまな感情を伝えてくれるのである。
さて本作は夫婦ものなので、「ほのぼの夫婦愛を売られても・・・」と、二の足を踏んでいた。しかし、そうした予期に大いに反して、楽しめる1冊だった。
なりゆき(?)で夫婦になることになった壮介と道。定職もなく、金と女性関係にいいかげんそうな夫。そして、そんな夫を責めるわけでもなく淡々と働き日常を送る妻。と書くと「耐え忍ぶ物語」になりそうだ。しかし、そんな夫も時として予想以上のやさしさを見せることもあれば、妻の方はニコニコしながら、予測もつかない行動をとる。かといって、それは昨今はやりの「天然系」や「不思議ちゃん」などとは違う。わかりやすくいえば「何を考えているかわからない」だけなのだが、「何かを考えていそう」でもある。
3〜4ページ単位の連作の中で、読者の期待を心地よく裏切るさまざまな小さな物語が展開される。「次はいったい何が出てくるか?」を楽しみにしながらページを繰る。もちろんやわらかな描線も健在だ。
帯では、あとがきの「貴方の心の、現実の華やかな思い出の谷間に、偽物のおかしな恋が小さく居座りますように」とあるけれど、おかしな物語の間にも、何かが心のひだにそっと入ってくる。そしてまた、「この感情は何だろう」と思いながらページを繰り続けるのである。
紙の本
共に暮らすこと
2022/11/28 17:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nico - この投稿者のレビュー一覧を見る
やはりこうの史代先生の作品にハズレはないなぁと思いました。好きです。
どこか憎めない諸星あたるのような女癖の悪い定職につけない甲斐性なしの荘介どのと、おっとりマイペースな道さんのおりなす夫婦話が3~4ページの短話で紡がれる作品ですが、そここに表れるこうの史代節がなんともたまらない作品ですね。
道さんの醸し出す雰囲気に飲まれ、ドキリとさせられる場面や、時折見せられる荘介どのの優しい面や良いところ、一緒に暮らしていることでだんだんと似てくるというような夫婦像がのんびりと描かれていて、なんだかんだでお似合いで楽しく幸せそうに暮らしているさまが微笑ましくなりますね。
そしてこうの先生の描かれる動物描写が、特に目つきの悪い鳥の描き方がすごく好きです(笑)
電子書籍
みち、いい性格してる
2018/08/31 14:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まんまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
みちが天然なのか策士なのかそうすけさんをうまく扱ってる様子が微笑ましくもあり可笑しくもあり。
私は【水鏡】という話が好きです。