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[ 内容 ]
著者が二〇〇四年にアメリカ国立公文書館で発見したOSS(戦略情報局)機密文書「日本計画」(最終草稿)は、日米開戦からわずか六ヶ月、一九四二年六月の時点で、すでに戦後日本の象徴天皇制を構想した驚くべきものであった。
CIAの前身OSSは中国・朝鮮を含む対極東情報戦の中心で、日本の戦後社会のあり方に大きな影響力をもった。
現代の情報戦へと続くOSSの史資料・機構・人脈を詳細に探り、アメリカに設計された象徴天皇制の起源を追究した画期的な書。
[ 目次 ]
第1章 象徴天皇制をめぐる情報戦
第2章 一九四二年六月の米国「日本計画」―最終草稿の発見
第3章 戦時米国の情報戦体制―戦略情報局(OSS)調査分析部
第4章 「敵国日本」の百科全書―真珠湾攻撃時の調査分析部極東課
第5章 「平和の象徴」天皇観の形成―「日本計画」第一・第二草稿
第6章 もうひとつの源流―情報調整局(COI)の「四二年テーゼ」
第7章 第三の系譜―英米共同計画アウトライン
第8章 「日本計画」と「ドラゴン計画」―対中国・朝鮮戦略との連動
第9章 「日本計画」をめぐるOSS対OWI―マッカーサー書簡の意味
第10章 「日本計画」と象徴天皇制のその後―心理戦・情報戦は続く
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天皇を戦後に象徴天皇として日本を統治することは、USAが1942年という日本の敗戦前から決めていた。したがって、ポツダム宣言受諾の条件として国体護持、つまり天皇が天皇制保持のために敗戦を引き伸ばしたことは、国体護持(君主制)か象徴天皇制かという違いのためであると想定される。
USAが学者を総動員して日本の研究を行なっていたということはこの本でもより明確に記載されている。
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アメリカの情報戦としての象徴天皇。内容は私にはマニアック過ぎたが、天皇制存続をめぐる議論が、開戦直後からされていることに驚きとともに、「こら勝てんわ」と。