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「ハミザべス」と「豆姉妹」。
栗田さんは初読みなのですが、
ちょっとビックリするくらい、どちらも抜群に良かったです。
読み始めから終りまで、とにかくずーっと心地良く、
あっけらかんとした清々しい語り口と独自のユーモアに、
すっかりガッツリやられてしまったのでした。
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不信感を抱きつつ、ページをめくる。
それを繰り返していたら、結局最後まで読まされてしまった。
面白い。
(2012.08.16読了)
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ほのぼのする会話だったり、面白い返しするな~とか、言う言うこんなことみたいな。フッとどこかの会話を切り取ってきた感じ。良かった。スーッと頭に入って来て、馴染んじゃう。もう何言ってんのか自分でも分からん!けど、なんか色々あった気がする。
和むとはまた違う何か。何か悩んでる時に読めば、前向きになれる気がする。
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ハミザベスって呼びづらいと思う。。
よくある話なのか
ありえない設定なのか
だんだんわかんなくなってくる。
それでも読みやすかった。
豆姉妹もおかしい話なりに楽しめました。
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面白かったー!
会話のテンポが良かった。
アフロが良かった。
青年海外協力隊って一瞬だけど出てきた。
ちょっとあり得ない感じのストーリーだったけど、なんかとても面白かった。
締め方が好き。
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この作家は平易な文章で、すごく読みやすい。
そして毎回、主人公の環境は特殊。なのに、主人公はその環境を特に憎んだりせず、前向きな姿勢を崩さない。
「ハミザベス」も「豆姉妹」も、淡々として、すごく客観的に物事を見てて、ちょっと現実離れしてるんだけど、そんな雰囲気が好きだ。
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このひと不思議だなあ、と思っていたらあとがきで的確に表現されていて、それそれ!と膝を打つ。マルコ、テルミーと読んできたけど、この人は本当にぶれない。かんたんなのにつかめない。さくさくなのにもやもやすっきり。
*・*・*・*・
「夢中になるのは期間限定。本気になったら永遠を目指す」
今の状態がいやで、良くなりたいなら、でたらめにでも何かやったほうがいい。
おじさん、そういうときは、頭をからっぽにして、さっさとやってしまえばいいんじゃないかな。テレパシーで彼に語りかける。私も、深く考えないまま、アフロにしちゃったよ。やってみると、案外、どうってことない。私ってこういうこともする人間なんだな、ってわかっただけ。時間の進み方が変わるわけでなし、見えなかったものが見えるわけでもなし、生活はそれまでと同じに流れていく。おじさん、滝に打たれなよ。もしかしたら、なんかいいことあるかもしれない。なかったとしても、そこで震えてるよりはましだと思うよ。
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「ハミザベス」「豆姉妹」二作の中編が入っていますが、二つの作品とも普通のこと、起こったことを淡々と書きながら不思議な雰囲気を感じさせる作品ですね。
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いい意味で実にサバサバしている。
スキッと簡潔な文体も、ストンストンとしたよどみのない空気感も。
出てくる人々が、とても魅力的。
会話部の掛け合いなどは、ちょっとしたコントのよう。
主人公の、ひょうひょうと目の前にあることをそのまま受け入れる姿が、楽しく心地良い。
軽快だけれど、軽々しいというのとは全く違う感じ。
常にやさしさがある気がした。
おもしろかった。
私は好きだな。
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【本の内容】
はたちになる直前、ハムスターとマンションを相続した、まちる。
実家を出て、一人暮らしを始めるが…。
奇妙な設定を静かなユーモアで包んだ、注目作家のデビュー作ほか『豆姉妹』収録。
第26回すばる文学賞受賞作。
[ 目次 ]
[ POP ]
なんというか実にあっけらかんとした小説だ。
登場人物達の意外な設定に驚き、話がどんどん思いもよらない方向へ転がってびっくりする。
「ハミザベス」では、今まで会ったこともなかった父が死に、まちるは父と一緒に住んでいた若い女性からハムスターと遺産のマンションを譲り受け、そこに住むことに。
更年期障害に苦しむ母。
突然の明らかになる出生の秘密。
「豆姉妹」では、看護婦だった姉が突然SMクラブの女王様に転職。
姉にそっくりの妹は、そんな行動に戸惑いを隠せない。
そしてなぜか衝動的に髪型をアフロにする。
こう書くと余談を許さないような展開になっていきそうでしょう?
確かになってゆく。
でも、読後は「ふーん」という感じ。
他人から見るとずれているように見えるけど、本人にしてみればいたって普通の日常なの。
そんな風に描き出してしまうこの作者って、いったいどんな冷静な観察眼を持っているのやら。
不思議だ。
それにしても印象は強くないのに、この作風にははまるし面白い。
他の作品も読みたくなる。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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再読。「ハミザベス」も「豆姉妹」も、強烈な出来事だろうと珍しくない(であろう)悩み事だろうと、全部が何でもない事みたいにさらさら流れていく文章が大好き。
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なるほど、女性作家にはこのような、なんと名付けてよいかわからないが、不思議系というか、語らず系というか、そのようなジャンルがあるようだと最近わかってきた。意味あるんだかないんだかわからぬエピソードが積み重なって、何処に行くかもわからぬまま流れ去るという感じ。
個人的には豆姉妹の方が好み。寄り道するのも大事なことである。
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多くの人が言っているように表題作の『ハミザベス』より、同録の『豆姉妹』の方が楽しい作品です。突如成り行きと思い付きで巨大アフロヘアにしてしまった女子高生の主人公の様子が何とも笑えしまいます。
この2週間ほど、栗田さんの作品を遡るように読んできました。
過去に戻れば戻るほど、不思議な舞台設定は現実的になって行きます。栗田さんのデビュー作であるこの本では、確かに奇妙な設定もあるのですが(例えば巨大精子・卵子)、それは物語の片隅に追いやられています。ただ、どこか不思議な雰囲気をもつ登場人物は最初からあるようです。
どんどん個性が際立ってきている作家さんのような気がします。
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07-033 2007/04/05 ☆☆☆☆
直前に読んだ絲山秋子さんの「イッツ・オンリー・トーク」のように、どこか淡々とした味わいのある作品です。
ちょっと不思議な雰囲気を持つ花野さん。中学時代に恋愛関係になりかけたけど虚弱体質の私を気遣ううちに家族のようになってしまった彰。更年期障害に苦しむ母親。そんな人たちと、奇妙に素直な主人公たちの係わりが、少しユーモラスに描かれます。こうした人間関係が主題なのかな。
それにしても、途中出てくる巨大精子・卵子の話は何でしょう?「豆姉妹」には巨大アフロヘアーが出てくるし。栗田さんは巨大物好き?
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中を読むまでは、ハミザベスってハサミとか妖怪とかだと思ってた…
何気ない会話が続くシーンが多く、何気なさと作者の作為の間を漂っている感じがする。
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2つのお話。
今回も、不思議なことを躊躇なくしちゃう、気持ちは普通の主人公のおはなし。
あぁ、この、違和感のある自然さがくせになる。