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子供にも読めるように書かれているところが、素晴らしい。
子供よりも知っていて当然なはずのいい歳をした大人が、この本を読むまでシエラレオネのことを全く知らなかった。
親を目の前で殺された上に無理矢理連れて行かれ、人を殺す訓練を受ける毎日・・・麻薬を顔や体に埋め込まれ、麻痺させられ、まともな思考が働かないまま、命じられるままに人の命を奪うことを余儀なくされる子供たちー。何の罪もないのに、ある日襲われて腕や耳を削ぎ落される人たち。訪れることのない平和。罪と後悔。こんな過酷な状況の中で、やっと生きている人達がいるということを、この本は教えてくれる。
どこかの国で今も起きている凄惨な現実を知る機会を、後藤さんは遺してくれた。他の著作も読まねば。
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少年兵士の実像と苦悩がわかる。
日本の「いちど人を殺してみたかった」という少女のほうが異常な気がする。
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イスラム国のテロリストに殺害されてしまった、後藤さん。
朝日新聞(2015/3/29朝刊16面、「時代を読むこの3冊」)を見て読んでみたくなり、図書館で借りた。
ダイヤモンドの産地・「平均寿命が世界で最も短い国」である、シエラレオネ。
ダイヤの利益は戦争の費用となり、子どももまた兵士として戦っていた。
このような国があることを、知らなかった。
地雷で手足をなくした方々の写真は目にするけれど、国内の戦争で手足や耳を奪われることもあるのだ。
その兵士だったムリアという少年の心が、痛い。
戦争というのは、かなしくてむなしいことなのだ。
誰もが悪くて、悪くない。
その戦争の理由を知らなければならない。
「彼らを許さなきゃいけない。でも、絶対に忘れることはできない。」
義務と、どうしようもない現実とのはざま。
慎重に。
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後藤健二氏の取材記。少年兵の話で興味深かった。ただ、単行本ー冊としてはボリュームが薄く、あまり売れる本ではなさそう。写真も点数が少ない。著者の他の本と合本にするなり、TV放映されたドキュメントと合わせるなりして、業績が残るよう出版してもらえればと思う。
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図書館より。
話題の本なので一冊くらい読んでみようと。
こども向けなのでさらっと読了。
知らないことばかりだ。
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イスラム国に殺害された後藤健二さんが10年前に、子供向けに書いた本。反政府軍によって少年兵にされた青年の「今」を取材することにより、日本では考えられない国があり、そこでは心身ともに傷ついている人がいることを訴えている。
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西アフリカのシエラレオネを知らなくても、著者の後藤健二を知らない日本人はいないと思う。
彼が取材した内容を子供達にも理解できるように書かれています。
何故、子供兵士が生まれるのか、悲惨な内乱は人々の心と身体に何を残すのか。
彼が、どんなテーマに拘っていたのか。
日本人が知らない事実を伝えながら、平和を願っていたのは間違いないでしょう。
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「許す。けれど決して忘れない。」
重い言葉だ。
イスラム国をめぐる後藤さんの最後の行動の正誤はここでは言及しない。
たが、おそらく最期まで「自分が生きているこの時を同じように生きている人(隣人)に私は何をしたら良いのか?」を追い続けた後藤さんにこの言葉をたむけたい。
”友のために命を捨てる、それより大きな愛はなし(ヨハネによる福音書より)”
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◆後藤健二さんが殺害されて4ヶ月。やっと図書館から回ってきたのでようやく読む。◆遅読の私でも30分で読める、子どもが自分で読める言葉で書かれた児童書。◆戦争によって生み出された残酷な少年兵のノンフィクション。なぜ児童書なのかーー。後藤さんは社会に抵抗することのできない子どもたち自身に〈身を守る〉ことについて伝えたかったのではないか。大人には社会を変える力も意志もないと思っていたのではないかーー◆「やぶの殺し屋」と言われた少年兵ムリアがどのように少年兵になったのか、どう逃げ出したのか、そして抜け出して抱えているものは何なのか。後藤さんが身を挺して集めたシエラレオネの少年の言葉に心に胸が詰まる。
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帯文:”困難に直面する子どもたちに、そのあたたかな目を向ける―ジャーナリスト後藤健二のノンフィクション”
もくじ:1.「自由」という名の街、2.手や足をうばわれた人たち、3.家族をおそった子ども兵士たち、4.子ども兵士を探して、5.「やぶの殺し屋」とよばれた少年、6.麻薬にむしばまれた子どもたち、7.傷ついた心、8.戦うことから解き放たれて、9.ムリアの学校、10.大統領になりたい、…他
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2000年代にあった事実。果たして日本でニュースや話題になっただろうか?
私は、2006年の映画『ブラッド・ダイヤモンド』でこの事実に衝撃を受けて、記憶が残っている。大量生産大量消費社会の裏には、その資源保有国では醜い権力争いがある。小さな子供達を兵器として操るむごい社会。
平和ボケした日本では想像もし得ない現実がある。これら事実を伝えるために、危険な土地へ行って取材や現地の人々の声をインタビューする事を使命とする、ジャーナリスト後藤さんにも感銘。大事な人を失ったという事、改めてご冥福を祈る。
そして、このような事実を広く多くの人に知って欲しいと、その先には世界の平和を維持するという万国共通の願いを叶えて欲しいと。
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後藤健二さんが2005年に書かれた本。
アフリカシエラレオネの内戦で兵士になった後、脱走して普通の生活を送ろうと日々を必死に生きている15才の少年に密着し、彼の内面を探っている。
シエラレオネという、国名もあまりよく知らなかった、日本から遠く離れたアフリカの地に生まれ育った子供達がいて、平和な日本では想像もできないような過酷な生活を強いられている。
15才なら日本では高校1年生。何という違いだろう。
後藤さんは常に子供に目を向けている。
生きることに必死にならなくて良い平和な日本に住む私達に、世界の子供達の厳しい現実を伝えなければいけないという使命感で、様々な危険な地域に足を運んだのだろうか。
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世界には、まだまだたくさん悲しい戦争があって。
私は、それをちゃんと知らなきゃいけない。
そして子ども達が、うちの本棚からこの本を選びとって、読んでくれますように。
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シエラレオネは今は平和なんだね。子ども兵士の話は衝撃だった。特に麻薬の話。一度しかない人生をこんな形で生きて行かないといけないなんて、なんて残酷なんだろう・・・
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シエラレオネ アメリカ西部 大西洋岸に位置する国
「平均寿命が世界で最も短い国」
長引く戦争は、国民を苦しめ、多くの人が戦争に巻き込まれて命を落とす。
質が高いダイヤモンドの産地としても知られていますが、それが国民の生活を豊かにすることはなかった。その利益は戦争の費用になり、銃などの武器に変えられた。
そして、その銃は、大人だけでなく、子供もにぎった。
10年近く続いた政府と反政府軍の激しい戦い
首都フリータウンの市民の7割以上が家をなくす
アンプティと呼ばれる人たち
国境なき医師団
ハンディキャップ・インターナショナル
国連食糧計画(WFP)
ダイヤモンドを手に入れようと反政府軍はダイヤモンド鉱山のある地域を襲い、支配していった。
反政府軍の兵士である10歳前後の子供たち、リーダーは12歳
忘れることはできない、消すことはできない
体に麻薬を埋め込んで、正気でいられなくする
彼らはただ戦闘マシンで、自分たちの意志などなかった
正気を取り戻したとき、多くの家族を傷つけ、命をうばったという事実と
向き合わなければならない
セント・マイケルズ・センター 神父
ふつうの子供たちが与えられる生活を取り戻していく
自分を取り戻すには、周りから緊張させられないようなリラックスした時間が必要
麻薬が子供たちを殺人マシン変えた
国家 讃美歌 お祈り
法や教育制度はほぼイギリス
国連や他の国々の援助で、教育や医療、その他すべての費用をまかなう
先生たちのお給料は安い上に、支払われない時もある。
「彼らは望んで兵士になったのではない。親を殺され、誘拐されて無理やり戦わされた。彼らもまた悲しくつらい思いをさせられたのです。
彼らはもう兵士ではありません。わたしたちの友だちです。
わたしたちは受け入れてあげなければなりません。」校長 朝礼
「子供たちを救わなければなりません。本当に平和を願うのなら、兵士だった子供たちへの見方を変えなくてはいけません。
確かに、彼らは罪をおかしたかもしれません。でも、彼らは同時に犠牲者なのです。子供たちは強制されて兵士になったのです。
人殺しが好きな子なんて、どこにもいないのです。」チェマ神父
「もし今、子供兵士が目の前にいたら、俺はこう思う。
彼らはまだ幼い子供だし、何も知らずに兵士として使われたのだろう。
もし、その子がおれの目の前にいたとしても、おれは彼を責めない。
たとえ、そいつが知っている子だったとしても、おれは何もしない。
俺たちはこの国に平和がほしい。何よりも平和だ。それがすべてさ。
彼らを許さなければならない。でも、絶対に忘れることはできない。
答えはいつも同じだよ。理由は、この右腕さ。
朝起きると、おれはどうしてもこの切れた右腕を見てしまう
いやでも見えるからな、もともと、俺には2本の手があった。
だから彼らを許せても、絶対に忘れはしない」
今ぼくは変わった。新しい人生を手に入れた。
許す、けれど、決して忘れない。
(讃美歌〉-ぼくは、ここにいる
どうか愛してほしい
どうか受け入れてほしい
「…この国は破壊を重ねます。
…この国は分裂しています。
…この国には強い部分もあれば、もろい部分もあるのです。
…この王たちの時代に天の神は1つの国を興されます。この国は永遠に滅びることなく、…永遠に続きます。…」ダニエル書2章
「今、ぼくは人を殺すのはいけないことだと思う。だって、彼らを創ったのは、ぼくを創ってくれた神さまなんだ。同じ人間なんだよ。神さまが創った人を、人が殺してはならない。
たった1度でも、人を殺したら、そのことは決して消えないよ。何も悪いことをしていない人たちを殺すのは悪いことなんだ。
でも…よくわからない…。
今は戦争なんだよ。ぼくの両親は殺された。お父さんもお母さんも何も悪いことはしていなかったのに、殺された。それが戦争なんだ」ムリア
心の傷は頭の中だけではわかるはずがない。わたしはそう思いました。
「ぼくは今、こうやって新しい生活をしている。ぼくは変わった。新しくなって毎日生きているんだ。それが、神さまがあたえてくてた「許し」なんだと思っている。
ぼくたちは誘拐されて、好きで兵士になったわけじゃない。
ぼくたちを許してほしい。
あの時は…自分が何をしていたのかわからなかったんだ」ムリア
兵士として戦うのか。さもなければ死ぬのか。
戦うことは「生きる」唯一の手段だった。
戦争がひとたび起これば、すべてが破壊されるということ
建物、街の風景、人の心に持っていた大事なもの
戦後、貧しい生活が続けば、戦争が終わった時に抱いた明るい未来への期待は失望へと変わっていき、次第に貧しい生活への不満が生まれてきます。そうした不満がまた新しい戦争へとつながっていくのです。
わたしたちは、そうなる前に戦争で傷ついた人たちにさまざまな手法で手をさしのべなければならないと思います。今、自分が生きているこの時を同じように生きている人(隣人)に、わたしはまず何をしたらいいのか。
シエラレオネ
人口 約530万人(2005年)
首都 フリータウン
民族 メンデ族、テムネ族、リンバ族、クレオール(白人と黒人の混血)
言語 公用語は英語。他にメンデ語、手ムネ語など。
宗教 イスラム教60%、キリスト教10%、アニミズム信仰30%
産業 最大の産業はダイヤモンドの生産
平均寿命 ‘2002
シエラレオネ 男性 約38.4歳 女性 約35.7歳
日本 男性 約78.4歳 女性 約85.3歳
(出典:the world health report 2004)
2007年、シエラレオネの内戦を指導した大人を裁く国際法廷において、子どもを兵士として戦闘に用いた罪で、反政府軍の責任者三人と政府軍側で戦った武装集団の責任者の一人の刑を確定しました。
また、子ども兵士に関する最新の国連の報告書によると、子どもを兵士としてリクルートし、戦闘員としている武装組織の数は確認されているだけで、2002年から20007年までの間におよそ20%増えているといいます。
特に、いまだに戦闘が続いていたり、戦闘が激しくなった下記のような地域や国々では、現在も子供たちを戦場から救う努力が続けられています。(2008年6月)
アフリカ…ブルンディ、中央アフリカ共和国、チャド、コート、ジボアール
アジア…アフガニスタン、インド、インドネシア、ミャンマー、ネパール、フィリピン、スリランカ、タイ
中南米…コロンビア
中東…イラク、イスラエル、パレスチナ など