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上巻ですが、話の中心となる朱美の過去を多方面から見た内容でしたね。京極氏の書かれる作品を読むと仏教だけでなく基督教にも通じているので、博識な気持ちになれます。
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どうもあんまり印象が無いというか薄い、新キャラの伊佐間とか降旗とか白丘辺りもどうも影が薄い、関口寄りのキャラが増えただけの印象です、話はやたらと色っぽいとか性的だったとかの印象が強い、多分トリックというか、仕掛けが読めちゃったのもいけなかったかもしれない、面白く無いということもないけど、シリーズ中では一番自分向きじゃなかったと言う事で、全部読もうという人は読んで見るといい、としか言えない。
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えーと。牧師と神父の違いを知ることができた。フロイトも読んでみたくなった。謎ときを読むと云うより宗教や精神分析に関する薀蓄を読む楽しさが上まわる作品。
伊佐間と朱美のシーンが、印象深かった。夜明けの海。
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相変わらず理不尽で救われない部分もありますが、この話はとても好きです。それぞれの立場の人間が、自分の望みを賭けて動いた結果の「不思議」。目的の「髑髏」の謎解きは迫力満点で、ひたすら感嘆。
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京極堂シリーズ
釣りの途中気分の悪くなった伊佐間。伊佐間が出会った女・宇田川朱美。朱美の語る過去。自分の元夫・佐田伸義の徴兵拒否と首無し遺体の発見。憲兵の取り調べの為にアリバイの確保された朱美。彼女の元奉公先・鴨田酒造の同僚・民江と彼女の犯罪。彼女と佐田の首を奪いあい川に落ち記憶を失った朱美。助けられた宇田川崇との再婚。教会に居候する降旗に懺悔する朱美。夜中に自分のもとを訪れた兵隊服を着た元夫・伸義の首を切って殺害したという。朱美の夫・宇田川崇から相談を受けた関口。
2011年6月11日再読
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http://blogs.dion.ne.jp/kuromatu/archives/7660263.html
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■内容(「BOOK」データベースより)
「妾は人を殺したことがあるんでございますよ」。湘南の保養地、逗子で遊民・伊佐間は朱美と名のる女と出会う。彼女は幻想小説界の大御所・宇多川崇の妻。しかも奇怪なことにこれまでに何回も夫を手にかけたという。あまりに妖しい告白を聞かされた元精神科医の降旗と牧師・白丘は激しく惑乱して。
■感想
取り扱っているものがものなだけに、全体的に白昼夢のような雰囲気が漂う。
そういえば姑獲鳥の夏、魍魎の匣と映像化したけれど、狂骨の夢もするんだろうか?
これは映像化できないトリックがあると思うんだけれどなあ。
狂骨の存在をしらなくて、調べてみたんだけれど、これは本当に骨なんだなぁと。
以下wikiより転載。
井戸などに捨てられて白骨化した死体が、その強い怨念により死霊化したもの。その姿は白髪をした骸骨の幽霊そのものである。
幽霊になってまで骨。ううん、深い。
狂骨に限らず、京極の何がよいかというと、薀蓄が無駄じゃないところ。これこれこういう薀蓄が前提としてあって、そしてその後が展開する。それがいいんだな。
京極を発端(じゃないかもだけど)に、薀蓄を垂れ流す本が本当に増えたなあ。ラノベは特に薀蓄は本当に薀蓄だけで、そのあとに続かないので非常に退屈。ただ薀蓄が読みたいだけだったら、小説じゃなくて百科事典かwikiを見るよーと思います(百科事典もwikiも大好き)。
京極はそれをかなえてくれるから非常に嬉しい。
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昔、友人に借りて読んだことがあったのですが、あんまり内容を覚えてなくて、まるで初めて読んだかのように面白く感じました。
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今回は髑髏を巡る宗教の話をテーマに、フロイトを軸にした心理学の話、日本に根ざしている密教の仕組み、日本神話にまで遡る壮大な推理、と相変わらずの薀蓄がたっぷり。
ちょっとご都合主義的な展開もなくはないですが、前半でちりばめられた無数の伏線が一つ一つ、見事に解かれていく様はやっぱり面白い。
榎木津のやりたい放題っぷりが炸裂している今作。彼が言い放った「僕も神だ」はある意味名言。彼のお陰でこの作品にあまり悲壮感を感じなかったような気が…。
そうそう、ラストが京極堂作品にしては似つかわしくないくらいに清清しかった。
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まずは上巻読破です。シリーズ三作目になって漸く慣れてきたのか、前作・前々作よりも読むのが苦にならなくなってきました。気色の悪い描写はやはり見事です。
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とりあえず全部の感想は下巻にて。
物語序盤。
色々登場人物が出てきて、今後どう繋がっていくのかな、というのが楽しみ。
そして、百鬼夜行シリーズ。
シリーズとはなっているけれど、繋がっているのだとは思っていなくって、
あ、前の話とかもちょっと出てくるんだ、と驚いた。
でも知らなくても読めるようにはなっていると思います。
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不吉な予感がわさわさと関口を覆って行く。
それが何故なのか、関口には解らなかった。
物語の始まりは海鳴りから。
海辺で起こる凄惨な事件の幕開けを予感させる関口の悔恨で上巻は締めくくられる。
一度読んで、もう一度繰り返し読むと、余計に切ない宇田川との別れのシーンです。
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10年ぶりぐらいに再読。読み始めが、海の中に浸かっていくように、気持ち良くも気持ち悪く世界に入っていく感じが、好きやわ。前の時よりもゆっくり楽しんで読めそう。
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難しいけど、面白すぎる。
知識としてのボキャブラリーが殖えるし、淀みなく言いくるめられている感がたまらない。
「言いくるめられている」は表現が悪いけれど、戯言といっても矛盾がなくて合理的な思考。
自分発想の冗長な利己的主観ストーリーとは異なっていて頷けるところが凄い。
未知・怪談は基本胡散臭くて煙たがれがち。
怪異を知らないからと拒絶するのではなく、いったん受け入れて、合理的な解決に導いていくのが小気味良い。
仮説や文献を引用して理論立てて説明するから、反論の余地を残しつつも納得させられることがしばしば。
神父と牧師の違い然り、告解の免罪符的な使い方に対する意見然り。
そして強迫神経症の降旗はどこか自分の性格と似ている気がする。
結局は自分自身の問題なんだけど、やはり分析してしまう。
他人は他人と無為に切り離すこともできず、自分自身さえコレジャナイと否定してしまう。
どうも虚言や嘘を絡め曖昧にされるとイラつく。
嘘をつく位なら秘していて欲しいものだと思うと、平然と嘘・虚言をつく人には不信感しか募らない。
そして正そうと追求してしまうが後悔する。
正論は正しいが人を傷つけるの典型的なパターン。
問題点を認識しないで逃避するよりはずっとマシだと考えてしまうのも確か。
そして一番魅かれた内容は京極堂の神葬に対する説教。
実に興味深い。
確かに日本人=仏教徒帰依だし、帰依したら地獄もなにもあったもんじゃない。
生者が荒魂を和魂にする努力をする考えに激しく同感。
主ストーリーへの肉付けが半端ない量なので、ストーリーから脱線している感が否めなくも無いが非常に先が気になる。
狂骨の夢か...夢か現か幻か。
中巻が楽しみだ。
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分冊文庫版で再読。当初のノベルス版ではカットされていたというフロイトをめぐる議論を挟んであれに触れておくことで、とんでもない真相が明らかになったときに伏線として効いてくるんだねぇ。