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「群青神殿」しか読んだことがなかった。というか、読めなかったというか・・・おもしろいとは思いつつも、ただ一点ヒロインのあまりにも「萌えキャラ」なたたずまいに拒絶反応が出たというのが正直な感想。今回五つ星なのは拒絶反応がおきなかったからってことでしょう。なにせ、話はべらぼうにおもしろいのだもの。
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■「導きの星」や「第六大陸」は読んでたのですが、なんとなく手が遠のいてました。これは長編ではなく中短編集。100頁デコボコのが三つとその半分の表題作で計4編。
■地下迷宮に投獄された男を描く「ギャルナフカの迷宮」。
木星型ガス惑星の知的生物を描く表題作。
異星人とのファーストコンタクトかと思いきや…「幸せになる箱庭」。
大地のない惑星に着水、延々と救援を待つ「漂った男」。
■短編よりアイデアを充分に膨らませられて、長編のようにキャラクターに左右されない中編てのは好きなので、その点、大満足。
いやホント、「漂った男」なんて、このシンプルな設定で飽きさせませんから。
■今年は小川一水を掘り進めようか、と思わせる一冊。
引き込まれます。
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http://mit56.way-nifty.com/dawn/2005/08/post_6c62.html
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期待して読んだのですが、ハードSFファンとしては方向が違っているので残念ながら厳しい評価に成ってしました。
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最近読んだ国産SFでは一番のお気に入り。この作品集で感じたのは景色、頭の中に浮かぶ風景です。幸せになる箱庭以外の3編は首題とは別に私に新鮮な風景、景色を見せてくれました。全編を通じて結末には大きな不満がありますが、風景の点では楽しませてもらえました。特に「老ヴォールの惑星」と「漂った男」の2編は楽しめました
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小川一水、初の短編集。
四篇ともどれも趣きが異なっていて飽きが来ない。
ギャルナフカの迷宮
反社会的な政治犯として一枚の地図とともに地下迷宮に落とされた元教師テーオ。地下には人数分の水場ときのこみたいなものが生える餌場しかない。生き残るために水場と餌場の記されている地図の奪い合いが起こり、人々は疑心暗鬼になっていた。一部の人間は、食べ物を求める欲望を抑えきれずに、野蛮な生肉食いと化していた。テーオはこの無秩序な迷宮に、文明的な社会を作ることを決意した。
閉鎖された厳しい環境下での生への渇望がナマナマしくてエグい。嫌いじゃないけど。
老ヴォールの惑星
巨大な海の惑星。その表面に生きる知的生物。体から光を発することにより、情報を種全体で共有することができる。多くの知識を溜め込んだ長老ヴォールは若者に、空の星のひとつに彼らの惑星サラーハに似た世界がある事を教えてその生を終える。サラーハに危機が迫ったとき、残された彼らは老ヴォールが発見した星を探し出そうとする。
この本のなかではやっぱり表題作であるこの短編が好き。地球起源の生命とは根本から異なる知的生命体の不思議な生活様式の描写に惹かれる。
幸せになる箱舟
火星まで生活圏を広げた人類は、木星で地球外知性体によって作られた自動機械を発見した。ビーズと呼ばれるようになったそれは、木星の大気を採取し彼らの母星に向かって超高速で射出していた。このままでは木星の重量が変化し、近い未来太陽系の惑星の軌道がずれていってしまう。人類はビーズを作り出した知性体クインビーと交渉するため、専門家達を特使として送り込んだ。危険と困難を極めると思われたそのミッションは、予想に反してとんとん拍子にことが運び、うまく行き過ぎることに疑問を抱いた時・・・。
人類を危機に追い込む地球外生命体による太陽系への干渉+人間の望んだ夢を見せてくれる未知の星。辛めに言うと、既出のアイディアを二つくっつけただけかも。
漂った男
未開の惑星の偵察任務中、タテルマの乗った機は墜落。海しかない巨大な惑星パラーザで漂流してしまった。救助を要請したが、広大な面積のため惑星のどこを漂っているのか特定できず、発見は絶望的だった。栄養価の高い海の水と空間距離に影響されないU(アルティメイト)フォンを命綱に、タテルマは漂流し続ける。
ほとんど何も起こらないことがポイントのストーリー。x年も独りぼっちで海を漂うなんて気の遠くなるような話だ。
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中短編が4編。全部すばらしい出来ですが、中でも『漂った男』は秀逸。
『ギャルナフカの迷宮』の舞台設定は好きだなぁ。
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ギャルナフカの迷宮と漂った男の二編はすごくよかった老ヴォールの惑星も良い部類に入る。一冊の中に良いと思えた作品が3作あるのはすごいなぁと思う。
全編の鍵になる言葉は多分「信頼」
とは何か?
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この作品と出会えて、小川一水さんと言う作家と出会うことが出来ました。久々にSF作家で好きだ〜と思う人と出会えましたよ。(なぜかと言うとあまり新しい作家を開拓していないから…)昔も今も結構保守的に好きになった作家さんばかりを読んでいるので新しい作家さんと出会う機会が… この本は本屋で衝動買いしました。
何せ世界の作り方が実に丁寧で好きだ。SFだからこそ、架空の世界を作り上げるからこそ、細部にまで拘ってリアリティを出して欲しいなあ〜と常々思っている自分にぴったりのお話でした。と言うわけでそれから全部揃えましたよ!…といいたいところですがラノベは買ってないなあ〜 探すのが大変で…
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偵察機の墜落により、おれは惑星パラーザの海に着水した。だが、救援要請は徒労に終わる。陸地を持たず、夜が訪れない表面積8億平方キロの海原で、自らの位置を特定する術はなかったのだ―通信機の対話だけを頼りに、無人の海を生き抜いた男の生涯「漂った男」、ホット・ジュピターに暮らす特異な知性体の生態を描き、SFマガジン読者賞を受賞した表題作ほか、環境と主体の相克を描破した4篇を収録。
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SFの楽しさを最初に教えてくれた一冊。短編集。表題作『老ヴォールの惑星』はホットジュピターに生まれた知的生命と人類のファーストコンタクトを描いた傑作。『漂った男』はパニックもの好きの僕にとっては最高の仕上がり。
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文庫の表紙に一目惚れ。
勿論表題作含め、全て好き。
この人が描く、“遙かなる時の流れの中で繰り返される命の営みと、受け継がれる想い”の描写が好き。
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短編4編を収録した短編集。
人を信じることのできない世界を描いたギャルナフカの迷宮と孤独に生きる漂った男がお奨め。
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−−希望が百億光年星の彼方だとしても、それは確かにあるのだ。
『老ヴォールの惑星』。書店でふと手に取った、名も知らない作家の、SF中篇集。
寄ったマックで熱中し、最後まで読んで、動揺を隠せない自分に気付いた。
すごいものを読んでしまった、という驚きだった。
それが「ギャルナフカの迷宮」。これは二段三段と展開が急スピードで変化に富み、まったく退屈するヒマがない。
社会を作るって正しいこと?統治者は必要か?
主人公と一緒に自分の価値観もがつんと揺さぶられた作品。
この短編集は、ひとつひとつの物語の世界観がものすごくしっかりしている。
それゆえに、一気には読めない。
ひとつひとつ丁寧に噛み砕いて、読んでいった、そして最後の作品を読み終えたのが今日だった。
「老ヴォールの惑星」。
最初読んだ時は一番意味がわからない話だったけど、読み終えて思い返してみると、壮大さに心がふるえる。
老ヴォールの願いが、たわごとが、引き継がれていって、最後には強く輝く光になった、というような。
「幸せになる箱庭」。
おまえはどうやって自分が自分だと証明できるんだ?現実が現実だと認識できるんだ?
幻覚を現実として認識させ、理想の世界を差し出してくる異星人。
人類の前に立ちはだかる絶対的な力をもった存在と、それに翻弄される人間の姿を描いた作品。
「漂った男」。
絶望って、なんだ。
それを、絶望を経験した男が言うような、そんな気持ちよさ。
ある星に遭難して、Uフォン越しの会話だけを支えに生きていく男の話。
その星には生命を維持できる水があって、ただ生きる目的だけがなかった。Uフォン越しに会話する相手は、いつしか友となっていた。
「君が心の支えになっていた。どんな戦火も、君には届かないんだと思うとね」は、すごくすてきな台詞。まさにこのシチュエーションで言うべき台詞!
小川一水の作品では、登場人物たちは一度どうしようもない絶望を経験する。
時には正論だったり、環境だったり、そういうものに打ちのめされて、でも主人公たちは「それでも生きよう」と立ち上がるのだ。
それは宇宙の彼方で光る星の姿にも似ている。
こんなに高レベルの短編集があっていいのか、と正直思う。読まないで死んだら損以外の何者でもないなと思う。
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表題作が最高。最高に切なくなる。人間の形をしてない、地球外生命体に
これほど萌えたのは初めてかもしれない。たまには夜空を見よう。