投稿元:
レビューを見る
8/18借。第1章の数ページ読んだだけだが、素晴らしい。日本に開国を迫ったのは西洋文明だが、その当事者の一部は日本文明が消えていくことを嘆いていた。複雑な気持ちになる。
投稿元:
レビューを見る
幕末~明治初期に日本を訪れた外国人たちの書き残したものを元に、江戸時代の日本がどんな国だったか探る本。
やっとやっと読み終わった。
ほんとに長い本で・・・2週間以上かかった。第一章は丸々飛ばしたのに。
ここに書いてあることはまったく、驚愕の連続。
私たちが思っていた江戸と、ここに書かれている江戸は、全然違う。
まさかこんな地上の楽園があったなんて。。。住みたいです、その国に。
特に印象に残ったこと。
日本人は上流社会のみならず、労働者階級に於いても、自然を愛で、季節の移り変わりと共に生活を送っていると。
今でも、梅や桜や紫陽花や椿等々の花達をわざわざ見に行くとか、鶯やセミや鈴虫の声を聴くとか、紅葉を心待ちにしたり、真夏の入道雲や降り積もる雪を眺めたりというのは、日本人にとっては超普通の感覚ですが、当時の外国人たちは非常に驚いたそうです。そういうのは、上流社会の人たちがするもので、市井の人々が景色なんぞに構っていられる余裕があるものかと。
農村は景色が良いだろうし、そこに住む農民たちは季節を愛でて暮らしていたに決まってる、と思うのだけれども、欧米の農民たちは全然そうじゃなかったみたいです。そっちの方がびっくり。
それから、日本人は死ぬことを恐れていない、というくだり。
なんとなく、理解できる気がする。
今や私たちの国はすっかりダメになってしまったけれども、でも、日本人は確かにその夢のような楽園の子孫なのだ、と思う。
投稿元:
レビューを見る
江戸末期から明治時代にかけて日本を訪れたさまざまの外国人による記録を参照しながら当時の様子について書いた本。
すべての日本人が陽気で幸福そうで満足しており、美しい自然やあらゆる生類と融合、調和しながら生活していた様子に多くの外国人が驚嘆と賞讃の念を抱いたことが記されています。
こんな時代だからこそ、幸せについて考えさせられます。
投稿元:
レビューを見る
手放してしまったけれどもう一度読みたい。
現代人から見ても新鮮な日本の姿。
タイムスリップしてみたい。
投稿元:
レビューを見る
「昔の日本は良かった!」
で終わる本では全くありません
「だから、日本国に誇りを持て」
という本でもありません
「あんな日本を取り戻そう」
という本でも全くありません
江戸の末期に日本にやってきた
さまざまな異国の人が
それはそれは微に入り、細に渡り
その当時の日本人の生活を描写してくれた
確かに物質的には豊かでなく、
インフラも豊かではないのですが
暮らしている当人たちは
当たり前なので気づくこともなかったでしょうが
「人々が大変明るく、清潔で、にこにこ暮らしている」
とたくさんの(異国の)人が述べている
そこに横たわっている
日本人が持っていた「美点」を
今の現代の日本の中でも
なんとか発揮できる工夫はないだろうか
という とても前向きな提案をしてくれている
一冊なのです
私たちの祖先は
この両手でいろいろなものを作ってきた
この両手、両足でいろいろなものを治してきた
その頭でさまざまなものを工夫してきた
その頭で心地よい暮らしの知恵を編み出してきた
私たちの中にも
その「日本人」は生きている
私たちの「日本人」を見直そう
という 一冊です
投稿元:
レビューを見る
ネタ程度に読了。もし本書を絶賛し勧めてくる人間がいたら、その人間のことをあまり信用しないことにしようと思う。
外国人からの賛辞をすぐ自国の優れた部分だと解釈するのは如何なものか。幕末の日本人が本当に何を考えていたのかは分からない。今の日本人も他人に対してへらへら愛想笑いしているやつがいるではないか。
それに無知であればあるほど素朴な喜びや苦しみしか味わえない。学問や思想に頭を巡らすことなく、進んだ文化も知らず、単純な頭で日々を生きているだけの毎日。それはそれで良かったかも知れないが、今は違う。今は今の良さがあり、昔は昔の良さがあるだろう。
想像する江戸末期
部落民を蔑む。口減らしのため嬰児を殺す。村八分。無学なので迷信ばかりが信じられている。飢饉になっても助けはなし。生活苦で娘を遊郭に入れる。武士は武芸より遊芸に励む。労働時間がきちっとしていないから能率が悪い。下水道が完備していないからコレラ流行。天然痘の恐怖。弁護士がいない。為政者がアホでもどうしようもない。放火が起きたら次々に燃え上がる江戸。圧政。閉塞感。
今を生きるのは苦しいかも知れないが、空想の世界に浸って逃避するよりは、現実と闘うことを私は選択したい。
投稿元:
レビューを見る
日本が近代化する以前にはこれほど豊な風景や人々の生活、文化があった事に驚いた。それも知らなかった事や想像を越えた事実ばかりである。街並みの清潔感や簡素さや豊かさは人民の本当の幸福の姿だという箇所には考えさせられるものがある。その他、日本人がお喋りであった事、子供を皆が大切していた事、混浴が普通であった事など見た事はないのに懐かしさを感じる。また、家畜を家族と同じ感覚で捉えていた様々な証言は日本人として嬉しくもなる。西洋文明が入り込む前の日本や日本人に自信を持つ事が出来たし、これから先、形を変えて活かす事が出来るのではないかと思う。
投稿元:
レビューを見る
幕末~明治あたりの日本の良いところを主に外国人の文献から取り上げた本。時代劇や昔話などのイメージとは異なる、人々の親切さ、寛容さ、自由さ、幸福感、自然の美しさなど、どこまで真実かはさておき、心が温まる感じ。
☆付けときながらなんだが、分厚く冗長な感もあるので割りと読み飛ばした。
投稿元:
レビューを見る
年末に親友から薦められ読了。まずは膨大な資料調査に敬意。なるほど確かに失った物は大きいが今でも自然に対する気持ちや子供に対する姿勢など受け継いでいる物もある事も感じた。
投稿元:
レビューを見る
客観的な江戸風俗の紹介。
スッキリ読めます。わかりやすい。
贔屓目はないので、たち位置の確認にちょうどいいかも。
投稿元:
レビューを見る
渡辺京二 「逝きし世の面影」を再読する
「明治は遠くなりにけり」という言葉があったが、今や、昭和までもが、既に、同じ範疇で、語られようとしている。況んや、江戸時代や、幕末の時代、明治という時代をやであろうか?著者にとって、「重要なのは、在りし日のこの文明が、人間の生存をできうる限り気持ちの良いモノにしようとする合意とそれに基づく工夫によって成り立っていたという事実である。」と、近代文明、或いは、西洋文明という怪物に、翻弄された幕末から、明治初頭に掛けての「日本人の矜恃」を、外国人という視点から、客観的に、一つの文明・文化・生活様式を、数々の異邦人による滞在記や見聞録の翻訳書を通じて、近代知識人論ともとれるような展開を、「ある文明の幻影、「陽気な人々」、「簡素とゆたかさ」、「親和と礼節」、「雑多と充溢」、「労働と身体」、「自由と身分」、「裸体と性」、「女の位相」、「子供の楽園」、「風景とコスモス」、「生類とコスモス」、「信仰と祭」、「心の垣根」、という各省毎の短い簡潔を得た題で、纏めている。「文明開化」と言う言葉や、「西洋化」、「近代化」という言葉は、当時の日本人、とりわけ、知識人にとっては、旧弊の文化の全否定を伴った痛みの上にしか、築けなかったモノなのであろうか?明治期のこれでもかという程、容赦のない、苛烈なまでの様々な制度改革は、やはり、「封建制度は、親の仇」くらい、心の奧底から、憎い程の全否定の対象以外のなにものでもなかったのか?異邦人の眼のみならずとも、当時の日本人の本当の気持ちを知りたくなる。城郭の打ち壊しにしても、今にして思えば、そんな貴重な文化遺産を、こともなげに、打ち壊したのも、単なる政治的な思惑以外に、どんな本音と背景があったのかと、、、、、。「滅び去った旧い日本文明の在りし日の姿を偲ぶには、皮肉にも、異邦人の証言に頼らなければならない」と、著者は言う。まるで、滅び去った古代文明の遺跡が、大英博物館やルーブル美術館に、保管されて、かろうじて、生き延びているのに似ている。そうしたレンズを通してしか、今や、失われてしまった逝きし世の面影は、観られなくなってしまった。「和魂洋才」とは、良く言ったモノであるが、その時代を結局生きてきた人々は、果たして、本当に、どのように、映っていたのであろうか、福澤諭吉にでも、この本の感想を聞いてみたいと思ったのは、私の戯言だろうか?強烈な表情というものが、日本人には、欠けていると言われているが、果たして、豊かな表情を獲得することが、逆に、当時は、幸せだったのか、異邦人の眼で撮られた今や貴重な写真やスケッチや挿絵を見ると、考えさせられる。福澤や明治期の知識人達が目指した、確固たる「個の自覚と独立」は、国家の独立や、国体の護持という前では、戦後民主主義の中でも、否、今日でも、変わらぬ課題であることは、どうやら間違いなさそうである。幕末から明治に掛けて生きた人々は、今ではほとんど失われてしまった美徳を如何に、自然に身につけていたかを、ありありと知ることが出来ると、日本人として、大きく胸を張りたいところであるが、果たして、そんな感傷だけで、良いのだろうか?大切な課題を、脇腹に、グッ���、ドスを突きつけられた思いが、再読して、感じられてならない。失われた10年も、今の時代も、又、やがては、逝きし世の面影として、忘れ去れようとするのであろうか?その時は、誰の眼を通して、残してくれるのであろうか、それとも、「残すに値する何物か」が、まだ、残っているのであろうか?それとも、我々は、それを創り出す努力を怠っているのだろうか?
投稿元:
レビューを見る
江戸期の日本を外国人の目から見てみたら。
自分が体験したわけでもないのに、懐かしい気分になるエピソードが随所にありました。「面影」とは言い得て妙。
アイデンティティなんて上段に構えた言葉は使わずとも、日本人の「こころ」のふるさとを感じることができる良い本です。
投稿元:
レビューを見る
わかが「いいよ」って書いてたから借りたけど、
めちゃ厚い!
「こどもの楽園」の部分がおすすめ、とあったが・・・
ごめん。進まない。
社会はやっぱり苦手。
オールマイティな小学校の先生は私には無理だとつくづく思った。
息子もちらっと手に取ったものの・・・・パスだと。
ヾ(^^;ォィォィ君は小学校の先生したいんじゃないのか。
投稿元:
レビューを見る
江戸後期から明治初期にかけて訪日した多くの外国人の記述から、往時の日本人の性質や暮らしぶりを浮き彫りにしていく。
外国人の目に映った当時の日本人は、よく笑い、よく働き、よく遊び、良い趣味をもち、素朴で、好奇心旺盛で、質素な生活に満ち足りた、幸福な理想郷の住人として彼らの書物に描かれている。
著者は、かつてこの国に存在したような「文明」は、明治以降の近代化・西欧化によって「滅亡した」「死滅した」と繰り返し述べている。
本書に現れる「昔の日本」や「昔の日本人」の記述の中には、現代にも受け継がれていると思われる部分は確かにある。
しかし著者が「滅びた」と言っているのは、伝統や気候と風俗、生活様式、価値観等が有機的に結びついた総体としての「文明」のことであって、個々の「文化」ではないということに留意する必要がある。
しかもその「文明」は、近代化・西欧化の過程で、日本人自らの手によって滅ぼされたのだという。
いかに外国人が日本文明に賞讃を浴びせようと、近代西欧文明と直面し、まさに変革せんとする日本にとって、自国の伝統は恥ずかしいもの、捨て去らなければならないものだった。
異文化に接するとなんだか気後れがして、背負ってきた伝統ををたやすく捨て去ってしまうという気質だけは、哀しいかな、現代日本人にも脈々と受け継がれている。
著者は外国人の証言をただ淡々と引用する。古き良き日本に対する憧憬は極めて控えめである。
「現代人も滅びた日本文明から学ぶべきことがある」とか、ましてや「かつての日本人の姿を取り戻そう」などとは決して言わない。
だけど、本書に描かれている「昔の日本人」の姿にはやはり学ぶべきことがあると思う。
貧しいながらも卑屈にならずに満ち足りる精神性というものは現代日本人こそ見習うべきだし、共同体内の相互扶助や、共同体の成員がみんなで子どもを育てるという雰囲気は、素直にいいなぁと思ってしまう。
逆に、視線を未来に移せば、「今の日本人」が持っている優れた性質や文化は、意識的に努力して後世まで遺さなければいけないということ。
同じ失敗を繰り返してはいけない。
投稿元:
レビューを見る
日本のすばらしかったところがわかり、日本人であることが誇らしくなった。
恥ずかしくない日本人にならなければとも思った。