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サルバドールの復活 上 みんなのレビュー
- ジェレミー・ドロンフィールド (著), 越前 敏弥 (訳)
- 税込価格:1,034円(9pt)
- 出版社:東京創元社
- 発行年月:2005.10
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文庫
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紙の本
「飛蝗の農場」より、メインストリームによった感じです。
2006/07/03 21:51
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作の「飛蝗の農場」というえも言われない作品で、翻訳エンター界に殴りこみをかけてきた、ジェレミー・ドロンフィールドの二作目です。
プロットを説明するのが、ちょっと難しいのですが、
冒頭は、大学時代のルームメイトのお葬式で二人の女性が、再会します。
その後、死んだルームメイトの嫁ぎ先の名家に招待され、天候の悪化により、
そこに閉じ込められことになるのですが、、、、
表題ににもなっている、その名家の女主人が言う、サルバドールの復活とは、、なにか、
これは、ほんの一部でしかありません。
基本になっているのは、大学時代の4人の女性のお話しがメインです。
背が高く、聡明でセンスもよく、簡単に言い寄る男性もふるオードリー
少し、太めながら、唯一オードリーと対等に言い合えるベス、
明るく、朗らか、みんなに好かれるリディア、
奥手で引っ込み思案な、レイチェル、
この4人の学生時代の話が、リディアの葬式で出会った後に、
振り返る形で、描かれていきます。
リディアが、名家の跡取りであり、かつギターリストでもある、サルバドールと
恋に落ち、結婚します。
今回も前作に負けず、ドロンフィールドは、我々を煙に巻くため
色々やっています。
兎に角、描写は時間軸を自由に飛び回るは、
(あっ、この人が、生きているから、是は、昔の描写だ、
とか、やって読み分けていました。
そんなんで、良いのか、indi-book君!!)
登場人物が受けるプレッシャーによって、ちょっと変わってしまった試験問題から、
これまた、登場人物によって、作られた、お伽話、に、小説。
兎に角、テキストとして、挿入できるものは、あらゆるものを、
ぶち込んだ、という感じです。
これだけ、色々やると、複雑だった前作以上に読者を混乱させそうですが、
これが、又、大変判りやすく仕上がっています。
なぜかというと、この小説自体の全体的枠組みが、大変オーソドックスな古典的小説
の形を、とっているためです。
巻末の解説でも、「レベッカ」を挙げていましたが、正に、そんな感じ。
このオーソドックスな枠組みの所為で、本作は、時代設定もPCや携帯電話が
出てくる現在のはずなのに、物凄い昔の設定のように感じられるぐらいです。
(Tabキーとか、Ctrlキーとか、描写されていますが、なんか合いません)
これは、難解とか、読者に不親切と言われた、前作に対する、
ドロンフィールドの反省かもしれませんね。
三橋暁さんによると、ドロンフィールドは、トマス・ハリスの「羊たちの沈黙」
などのサイコサスペンスが、映画やドラマによって、二次使用され消化された
後に、出てきた、ポスト・サイコサスペンスに近い人みたいなのですが、
前作では、それは、色濃く感じられましたが、
本作を読む限り、ドロンフィールドは、意外と、
古典的小説を愛する、物語力重視の作家かもしれないと思いました。
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