紙の本
暴走一歩手前の爽快感
2006/10/24 00:34
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
去年のSF系とミステリ系の両方にランク・インした話題の本が国内海外それぞれ一冊づつあるのですが、海外は「どんがらがん」で、
国内は、この池上さんの「シャングリ・ラ」なのです。
(実は、このあともう一冊あったことを思い出しました
「デカルトの密室」です)
で、本書なんとアニメ雑誌「ニュータイプ」に連載されていたと知り、唖然。
私、一応アニメファンで、アニメージュとニュータイプは、一応ぱらぱらーっとチェックは、
(興味のあるアニメ記事しか真剣に読んでいません(汗))
いつも入れているのですが、気付いてなかったのです。(汗)
実は、ニュータイプって、創刊当時から富野さんに「聖戦士ダンバイン」
に出てきた妖精のチャム・ファウの
サイドストーリー「ファウ・ファウ物語」を連載させたり、小説を一本連載させていたのですね。
でも、全くノーマークでした。
しかも、挿絵に吉田健一さんを起用していたとか、、、、。
二重三重にあせった私ですが、、。あせりつつ読んでみました。
これ、SFで地球温暖化が進んだ地球で東京は、熱帯地域になっています。
温暖化を食い止めるため、炭素の排出量が、国際的な問題となっていて、
世界の経済は、金や通貨による単位から炭素を基準とした単位に変わっています。
で、実質炭素と経済炭素とか呼ばれたりしています。
東京は、炭素排出量を押さえるため、極端な緑化をし人々は、恐怖の森と化した地表を
捨て、アトラスと呼ばれる何層にもなる巨大な塔(建築物)に階級分けされて住んでいます。
これが、世界観というか、基本設定。
しかし、森として捨てられた地表に住むゲリラ組織「メタル・エイジ」のリーダー國子が、
この小説の一応、主人公です。
ビジョンとか、イメージとか本当に素晴らしく一級品のSFだと思いますが、
キャラクターは、全員暴走系です。
(そんな系あるのか、知りませんが)
國子の母代わりとなった、モモコをはじめ出てくる人、みんな、かなりぶっ飛んでいます。
そういえば、池上さんの、「レキオス」でも沖縄のおばぁーが、こんな感じだったなぁと
思い出した次第です。
キャラクターだけ切り出すとこれ、漫画なのですがそうなっていないところに
この小説の理由があります、
キャラだけにとどまらずその他のストーリー展開も、破綻する一歩手前を
著者の知性と作家としての構成力でどうにか、食い止め、小説として成立させている感じです。
で、この暴走するキャラとストーリー展開が、読者にドライブ感を与え
ぐいぐい読ませている感じですね。
これはかなり危うい才能でtryした作家さんみんなが成功するとは、限りませんね
又、受け付けない読者もいるでしょう。
そして、これ、実は、池上さんの作家としての資質も大きな要因なのですが、
実は、早川の「SFが読みたい!<2006年版>発表!ベストSF2005国内篇・海外篇」
で、池上さんのインタビューが載っていて
(これが、めちゃおもしろなので、皆さん必読です)
雑誌連載中。人気投票が勿論あるわけで、この連載小説の競争相手として
付録の大友さんの「スティーム・ボーイ」の予告DVDとかエヴァ関連ものとかあり、
流石の池上さんも「こんなのに、勝てないよ」と でその結果
普段よりも、バイアスをかけて、それこそ、オーバードライブ気味に書いて書いて書き上げたのが、
この小説みたいですね、、。
だから、表現媒体もこのスタイルの一つの要因だったのだと思います。
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初・池上永一体験。これで良かったんだろうか?最初っから飛ばしすぎたかも。久々に刺激的な小説を読んだ。アニメ(深夜枠の)で見たい。
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こんな世界があったらイヤダナ〜。
女達強すぎます。アマゾネスだよね、殺しても死なないってエイリアン並では?
シガニーは誰だ・・國子ちゃんか。
ご都合主義感があるけど、エンターテイメントとしてよく出来てると思う。
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面白いのですがとても長かったです、読んでも読んでも終わらないーと感じるくらい。
やっぱりモモコさんに惹かれますねぇ、かっこいい!
最初は理解できない登場人物らもどんどん面白く可愛く見えてきちゃいました。母の愛は何にも勝るようで最後の方は不死身な戦いになってます。
それとブーメランと鞭の威力すごすぎです。
楽しく読めましたが、私には最後までアトラス建設の経緯等がよく理解できませんでした。そのうちもう一回読み直します。
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最近では僕のなかで最もヒットした小説。怪奇SFものとでも言おうか…。好き嫌いははっきり分かれると思います。「メガテン」的であり、「ナウシカ」的であり、壮大な物語。
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少し先の東京。
進む温暖化の対策として、世界は排出する二酸化炭素に比例して課税を行うという決議を採った。
各国は二酸化炭素削減の対策を迫られ、
結果、日本政府はかねてからヒートアイランド現象に悩まされていた東京の一部を放棄し、
都市機能をアトラスと呼ばれる巨大な空中積層都市に移す計画を実行に移した。
それから30年、地上は密林と化した。
ツッコミどころは色々有ると思いますが、なかなか面白そうな始まりでした。
物語は政府のアトラス政策に対立するゲリラの総統(女の子)を軸に、アトラス建造の背景と目的に迫って行きます。
此処までは読む前の感想。
此処からは読んだ感想。
カリスマ的な強い女の子が出てくるのは良いのですけれども、
ブーメランで戦車をぶった切るとか、少々有り得ない展開。
所々、どうにもこうにも陳腐な台詞が出てきたり、
私の運命が分かっちゃったの・・。とか。
戦闘シーンなどは無茶な漫画を読んでいるような感じです。
北斗の拳とか男塾とかそんな感じ?
というか、鞭とブーメランにメスで対抗できる人が何処にいるのさ!
そして、クライマックスに差し掛かるところで確信しました。
これはギャグ漫画だ。
いいですか、いいですか?
その一部分を載せてしまいますよ。
読んで後悔しないように。
「お父さーんっ!」
するとどうだろう。モモコの体がむきむきの筋肉に覆われたではないか。タマを二個貰ったモモコは二十三年ぶりにY染色体の力を蘇らせた。ライダースーツをはち切る筋肉がバルクマッチョへとモモコを変えていく。
男になったとき、モモコの戦闘能力は十倍になる。
「ひぃぃ。おばさんがオヤジになったわ!」
・・・・びっくりだ。
まさか、ハードカバーの単行本読んでてこんな展開になるとは。
Amazonの紹介文を見ていたら、アニメ誌上に連載されていたようなので、
ウケが良いようにそうなったのかなぁ。
何て言うか、少年少女向けの物語をちょっと背伸びさせた感じ?
拒否反応がおこる無茶苦茶な本でした。
つうか、意味わからん。終わり方も納得いかないし。
次は別のジャンルにしよう。
この人の本は二度と買わない。本の帯に騙された。
これはお勧めだっ!ってのを書きたかったんだけどなぁ。
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好みの分かれそうな作品ですねー。が、私は好きです。もう、のっかっていきましたよ。どどーっと。この本の流れに。どんなに荒唐無稽でも、アニメ的でも、関わらずとにかく楽しめました。まぁ、長いので、人に勧めるにははばかられますが、結論、面白かったです。
2006年8月1日読了
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石田衣良のブルータワーでは、インフルエンザのウイルスから身を守る為に、滅菌されたタワーに階級ごとに住まい、それから漏れた難民が地上に暮らすって状況だったけど、このお話は、熱帯地帯となってしまった東京の都心を、全て森にすることで歯止めをかけ、アトラスと言う塔に都市部を移転させ、空中都市となった未来の東京・・って荒唐無稽なお話なのだけど、考えられなくもない・・と読みながら思ってしまった・・・
植林したにも関わらず、日本古来の樹木は、熱帯の気候にあわず、遺伝子組み換えされた熱帯の植物が異常繁殖し、温暖化に歯止めをかけるべく策が裏目に出るような出来事が起きたり、超人的な人間が現れたり、レーダーにさえ映らない武器の出現やら人工知能をもったコンピューターが独自の知能を持つようになって暴走したり・・・とにかく盛り沢山!
しかし、長かった・・・
見開き4段、読むのは決して遅い方ではないと思うのだけど、時間、かかってしまった・・・
これ、最後まで、最後って感じなかったから、もしかしたら続編があるかもしれないな。
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SFなのかと思うと、かなりの(村上龍的)ドタバタもあり。個人的には、涼子の登場はいらなかったんじゃないの?と思うけど。無駄に人が死に過ぎる感じもするし。そのせいで多分に漫画的になってしまったんじゃないかな?続編を意識してるのかな?
設定も面白いし、登場人物も魅力的だし、会話は笑えるのに・・・やっぱり不必要な描写、話し(特に小夜子、涼子がでてくるところで)が多すぎる。まじめなのかドタバタなのかよくわかんないという感じでは「半島を出よ」に近いかも。
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環境問題や東京をテーマにした話の設定はとてもユニークで気に入りました、ただ話がテンポが遅いところもあり残念です。アニメ化すると楽しそうです
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近未来、更なる地球温暖化を防止するために、炭素税が導入される。国は納税のために、東京を森にしてしまう。
難しい舞台設定ではあるがそれをよく描ききっていると思う。
ただ、ちょっと長いかも;
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未来の地球は「炭素」が経済の指針となっていた。
東京は炭素指数を下げるため、地上を森林化し、人々は生活する場として空中に積層都市アトラスを建造した。
しかし、全ての住民が移住できるわけではなく、あぶれた人々を守るため、地上の反政府ゲリラとアトラス公社との戦いが続く。
1人1人のキャラがはっきりしているし、ストーリーは荒唐無稽。映画はCGをかなり駆使しないと難しいだろうけど、アニメ化したら面白いかも。
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基本的な設定は面白い。キャラクターもいい。
ただ文体がこなれてなくて読み難いし、後半部分が冗長。マンガとかアニメだったらもっと楽しめたな…。
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面白い!!
SFとかオカルト(?)とかごちゃ混ぜな世界感が楽しい。
地球温暖化が進んだ近未来。世界は各国に炭素税をかけ、酸素を排出すると減税するシステムを取り入れる。政府は東京に超高層巨大移住空間アトラスを建設し急速過ぎる地上森林化を進める。アトラスに移住できず異常な森林の中で不自然な自然に怯えて生活する人々。政府対ゲリラ。
もーなんだかゴチャゴチャで良い。
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面白い要素がいっぱいあるのに、、、
稚拙なシーンがちらほらと出てくるのが
キツカッタです。。。。。
主人公や登場人物が
人間ばなれしたしたことを
どんどん当然のようにやってのける様には、、、、
私は読んでいてドン引きしました。。。
あまりに登場人物らがスーパーマン過ぎて・・・
作品の質を大きく下げてしまっているのが非常に残念でした。。。
表紙のデザインとは全然違って、
稚拙な内容にガッカリでした・・・・。
暇つぶしにはなりました。