- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
5 件中 1 件~ 5 件を表示 |
紙の本
ブルース・リーのファンは別の本を手にした方がよい
2007/05/06 18:06
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブルース・リーは伝説の格闘家であり、永遠のアクションスターである。死後30年以上経って、四方田犬彦が書く本であるから、よほどの秘められた謎を、新たな切り口で解き明かしてくれものと期待して読んだ。しかし、期待はみごとに裏切られた。
たしかに、ブルース・リーの生い立ちから、子役時代の作品の紹介、主演作品の詳細な分析と続き、ファンならば自分でまとめておきたいような事実を網羅的に書き連ねた本である。
しかし、単なる事実の列挙にとどまり、ブルース・リーその人への踏み込みが足りなさすぎる。最後の方の章になってようやく、サンフランシスコ生まれという出自とナショナリズム、香港映画製作との葛藤、女性忌避、自分の肉体へのナルシシズムなどが総括的に論じられるが、いかにも遅いし、甘すぎる。図版も少なく、ブルース・リーの勇姿をながめたいファンには物足りない。そもそも、過去に見た映像を思い起こしながらでないと、読み進められないのではないだろうか。
また、四方田の格闘技全般についての理解も浅く、誤解がある。例えば、ハイキックよりもローキックの方が実戦では多用されるのは事実であるが、場面とタイミングによってはハイキックも実用性の高い技であり、単なる見せ技ではない。
四方田はブルース・リーという存在の大きさに結局のところ勝てなかったのだろう。ブルース・リーのファンは、図版のたっぷり載った他書を求めるのが賢明と思われる。ただし、資料としてブルース・リーに関するあらゆる書物を集めている方には、歴史的な事実を整理した本として持っておいてもいいかもしれない。
ブルース・リーは、結局のところファンの心の中にしか存在しないとの思いを強くした。
5 件中 1 件~ 5 件を表示 |