紙の本
小選挙区制の破壊力に直面して大きく変化した読後感 なあなあの馴れ合いともたれあいが通用しなくなった政治構造の変革が、日本人のコミュニケーションにどんな影響を及ぼすのか
2009/09/05 00:39
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やすのり - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容としてはいつもの大前節である。
『プロフェッショナリズム』、『ビジョンと戦略』、『ロジカルシンキング』、『摩擦を恐れない議論』、『問題解決』などの重要性を説き、世界標準からの乖離が激しい日本の状況を嘆く。個人的に、嫌いではない観点ではあるものの、(少なくとも自分の知る範囲の)実際のビジネスの現場では、こうしたキーワードを振りかざす人間はあまり信頼されず、『空気を読むこと』、『場を乱さないこと』、『流れに逆らわないこと』が重視される。自分自身を省みても、議論としての大前氏の意見は嫌いではないが、実際に空気の読めない人間に、正論ばかりぶつけられては辟易して逃げ出してしまうだろう。
『知的怠慢』と表現される所の、論理的な思考ができない(しない)こと、ビジョンや戦略が描けない(描かない)こと、摩擦を恐れて議論ができない(しない)こと。これらの背景には、「そこまでしなくたって、お互い勝ったり負けたりしながら、それでもぼちぼち過ごしていけるんだから、いいじゃないか」という前提があった様に思う。
なるほど、かつてはこの前提が守られていたのだろう。部長になるか係長止まりかの差はあっても、終身雇用のもと定年まで共に過ごす仲間である。人間関係に波風を起こすのは得策ではない。企業単位ではどうか。経済全体が右肩上がりで、業界によっては国の保護も手厚い『護送船団方式』で、そうそう倒産などありえない。であれば、無理に『ビジョン』だ『戦略』だと騒ぎ立てる必要もなかったのだろう。
今や誰もが認識している通り、これらの前提はとっくに崩壊している。そして、崩壊しているからこそ、個々人にあるいは各企業に、『プロフェッショナリズム』、『ビジョンと戦略』、『ロジカルシンキング』、『摩擦を恐れない議論』、『問題解決』等々の重要性を、大前氏を始めとするグローバリズム推進論者は声高に叫ぶのだろうし、少なくとも理屈の上では反論のしようがない。
しかし、反論のしようがないことと、心の底から納得することは別である。我々の感覚・心の底から信じる価値観は従来型のものから変わらず、故に行動スタイル・コミュニケーションスタイルは、やはり従来型のものから変わらず続いてきている。「なるほど、20代かそこらであれば、大前氏的な言説にかぶれて書生論をぶつのも有りだろうが、30代を迎えたら、そろそろ日本の風土に合った大人の態度を取らないと」と達観しかけていた所だったのだが…
小選挙区制の破壊力が存分に発揮されての、初めての政権交代。少なくとも政治の世界では、馴れ合い・もたれあいの共存共栄は完全に絵空事となった。投票行動を通じた当事者としての体験だけに、この感覚は極めて強烈である。政治と言うと軽んじる風があるが、曲がりなりにも社会の根幹を成すものであろうし、今後多くの人が当事者として「馴れ合い・もたれあいの共存共栄の終了」という感覚を共有して行くのだとすれば、今後の日本人の行動スタイル・コミュニケーションスタイルにも、大きな影響を与えていくのだろう。個人的には、大前氏的な感覚がリアリティを増す方向での変化を予想しているが、逆に一連の出来事を『空気(雰囲気)の持つ破壊力』という観点からとらえることも十分に有り得る(むしろ、こちらの観点が主流?)であろうから、その場合には『空気を読む力』、『雰囲気を醸成する力』が更に影響力を高める方向に行く可能性もあるのだろう。今後の世の中の変化が非常に楽しみである。
投稿元:
レビューを見る
大前研一氏のプロフェッショナルの条件、専門性の高い知識とスキル、高い倫理観はもとより、例外なき顧客第一主義、あくなき好奇心と向上心、そして厳格な規律を兼ね備えた人材。
このプロフェッショナルになるために必要な力が「先見力」、「構想力」、「議論力」であることを述べている。
そのための第一の条件は、質問力、いつも疑問をもち、「So what」を問いかけること。
以上のことを非常にわかりやすく説明しています。
投稿元:
レビューを見る
大変興味深く読みました。
内容自体は、これまで大前さんが主張してきたことの延長なのですが、ずっと一貫して説いてきた内容を「プロって何?」という視点で整理が進んだ内容と理解すれば良いでしょう。
投稿元:
レビューを見る
元マッキンゼー、スーパーコンサルタント大前研一の最新書。大前信者の友人から借りました。ビジネスマンとして(プロフェッショナルとして)21世紀を乗り越えてゆくにはどうするべきかという内容。この人の本、読んだことない人は是非読んでみるべきだと思います。特に企業家志向の人は。書いてあることはなかなか実行しずらいことだと思いますが、その提案の仕方が至極分かり安い。難しいことをここまで簡単に伝えることができるのだな、といういいお手本にもなる本かと思います。
投稿元:
レビューを見る
仕事にやる気を出したい方は是非。これでやる気なくなっちゃったらサラリーマン(←ここポイント)はおしまいだな。
投稿元:
レビューを見る
初めて読んだ大前本。
プロフェッショナルとはなにか。なぜスペシャリスト、ゼネラリストではダメなのか。
世界はどのように変わってきているのか、よくわかります。
投稿元:
レビューを見る
まず徹底した”顧客第一主義”を貫かなければならない。そして高い倫理観と厳格な規律を確立し、あくなき好奇心と向上心で突き進み、感情をコントロールし、理性で行動する人であり、もちろん専門性の高い知識とスキルを兼ね揃えていなければならない。
そのために、サイバー、ボーダーレス、マルチプル、実体経済からなる見えない新大陸(現在進行中の経済の変化)において、顧客のニーズ・問題を見つけるための「先見力」と、解決するための「構想力」がプロには必要だという。
その先見・構想の精度と効率を高めるために「議論する力」と「矛盾に適用する力」を養うことを勧める一冊。
投稿元:
レビューを見る
昔から読んでいる大前研一の本。書いている事は基本的に昔から首尾一貫。プロとは何か熱く語っている。1/2
投稿元:
レビューを見る
テーマ:自己啓発
ポイント:大前研一の本を読みたいんだけど?と聞かれて、今薦めるのはこの本です。彼の考え方のエッセンスが分かります。コレを読んでさらにもう一冊とういう方は、企業参謀をどうぞ。
投稿元:
レビューを見る
プロフェッショナルに必要な条件として学び続ける、ロジカルシンキング、顧客志向という所は同じことを考えていた。しかし、新しい事業の創造や、困難な問題を解決するためには、議論する力、直観力など本では得られない種類の知力が必要と感じた。
それにしても、大前氏は還暦を過ぎているにも関わらず、ITビジネスの本質をよく捉えている。
投稿元:
レビューを見る
これからのプロの条件を大前節で語っています。ドラッカーさんがメンタル論なら大前さんはスキル論といった感が強いですね。
投稿元:
レビューを見る
大前研一さんの本です。就活に直結するわけではないのですが、意識、モチベーションを高めてくれます。内容をまとめると、だらだらとサラリーマンやってると危ないよ、って本です。基本、発言等が厳しいです。歯に衣着せない感じ。他の雑誌で、「日本のホワイトカラー大多数の市場価値は年収200万円程度だ」的なことを言ってました。こわ。なんで、この本でも色々発破をかけるような言葉が出てきて、就活中の俺にはけっこう良いです。他の大前さんの本も読んでみようかと。本を読むのは地道ですが、役に立つと思います。本を読むこと自体よりも、本を読んで自分で考えるってことが。
投稿元:
レビューを見る
ある一冊の本に出会う。
『ザ・プロフェッショナル』
日本ビジネスの第一人者 大前研一氏の本だ。
早速買って、今日読みました。
「すごい!!」
そこで、本当のプロフェッショナルの意味を理解できたと思う。
■プロフェッショナルの定義
大前氏による定義は下記の通りだ。
1)感情をコントロールし、理性で行動できる
2)専門性の高い知識とスキル
3)高い倫理観
4)例外なき顧客第一主義
5)あくなき好奇心と向上心
6)厳格な規律
1)〜6)を備えている人材を『プロフェッショナル』と言う。
■スペシャリストでは駄目な理由
僕は、数学のスペシャリストだと思う。
専門性の高い知識とスキルを持っているからだ。
数学に対して好奇心と向上心も持っている。
逆に言えば、『スペシャリスト』でしかない。
でも、スペシャリストでは駄目だと気づいてきた。
僕がイベントを起こした時、
一番大切にしたのは、
「顧客に利益をもたらす事」
これは大前氏の言う「顧客第一主義」と同意味だと思う。
医学を目指している方ならご存知かも知れない。
『ヒポクラテスの誓い』を。
僕が何故大きなリスクを負ってまで、
イベントをしたかったか。
「最高のものを低価格で提供したい」
という一心だった。
これこそ、
ヒポクラテスが患者を第一に考えたように、
お客さんを満足させることが第一だった。
イベントをやる時はそれしか考えてなかった。
今、思い出してくれた。
僕にも『プロフェッショナル』になる権利はある。
再び熱いモノが身体の中を駆け巡っていく。
■考察
よく何も知らない人は、
「プロは〜」
とかいう人に限って本当の意味を理解していない。
スポーツでの『プロフェッショナル』は、
『イチロー』『松井』『中田』
彼らの事を言う。
お客さんを満足させてなんぼ!
環境が変わっても活躍できる人こそ、プロフェッショナルといえよう。。
普通の野球選手は、
『スペシャリスト』
でしかない。
医学界の『プロフェッショナル』は、
誰だっけ?
手塚治が書いた人。
ど、ど、忘れしちゃった。
続けよう。
ベンチャー企業などの社長は、
『ジェネリスト』
でしかない。
貴方の周りに、『スペシャリスト』『ジェネリスト』でもない『プロフェッショナル』がもしも仮にいたとしたなら、
会って見たい。
■プロフェッショナルになるために、今出来る事
やっぱり本を読むしかない。
いろんなジャンルの本を読もう。
自分の感性・能力を研ぎ澄まそう。
自分の好奇���を高めよう。
一生、自分を磨き続けよう。
一生、感じ続けよう。
一生、勉強し続けよう。
目標を立てよう。
目標を実行する為に、計画を立てよう。
目標を紙に書こう。
時間を大切にしよう。 べたな落ちになりました。
投稿元:
レビューを見る
知的怠慢を排して、学び続ける姿勢を持つ。そして面白がる。それがすべてだと思いました。ただ、無理矢理学ぼうと思ってもつまらないので、好奇心を持続するのがポイント。これが意外と難しいかもしれないけど、人と会い、旅をし、藝術にはまることでなんとかキープか。
投稿元:
レビューを見る
大前さんの定義するプロフェッショナルと自分自身の理想像を照らし合わせることで、目指すべき姿が明確になります。