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紙の本
『風土記』研究者が見た『古事記』と『日本書紀』
2005/10/31 22:26
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほぼ同時代の成立である(『古事記』天武天皇の命、712年完成・『日本書紀』天武天皇時編纂スタート、720年完成、たった8年違い)のに、どうしてこれほどに異なっているのだろう。『古事記』が紀伝体で、『日本書紀』が編年体という編纂方法の違いばかりでなく、内容にこれほど齟齬があるのは、なぜなのだろう。同じ朝廷内なのに、すりあわせはなかったのだろうか。
すりあわせがなかったとしたら、どうしてなのか。記・紀には、時の権力者の意図が編者を介して反映される。時代が違えば、事実が書き換えられることもあろうが、非常に大切と思われる天皇の没年やその年齢がこれほど違うならば、当時の人はおかしいと思わなかったのだろうか。そして、『日本書紀』正史であるならば、同時代の正史と異なることが書かれている『古事記』をどうして抹殺しなかったのだろう。8年間に何があったのだろう。この本でもそのことは分からなかった。
『古事記』と『日本書紀』を比較した本は他にもあるが、この本の特徴は作者が『風土記』の研究者であるので、『風土記』の記述にも多く言及していることだろう。そして、この風土記もまたほぼ同じ時代の成立なのである。三者三様なのは不思議だ。
「神々と古代史の謎を解く」とあるが何一つ謎は解けていない。余計に深まっただけである。だから駄目だとは言わない、謎がますます深まるのもまた一興である。
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