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紙の本
生きた、喰った、愛した・・・開高健
2006/02/18 16:06
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:碑文谷 次郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
開高健という作家の食通ぶりはつとに知られているが、後年の肥満ぶりから、「質より量追求のグルメ」という印象が抜きがたい。はたして、”戦中に稼ぎ手の父親を失い・・・青春期のひもじい思いは、それほど苛烈をきわめていたらしい”と観察する著者と一緒に開高健が喰った料理は、まずその量に感嘆させられる。二人だけのの食事に、「ビール2本、餃子4人前にやわらかい焼きそば3人前、それとレバニラ炒め3人前、とりあえずそれだけ持って来て頂戴・・」で始まり、「さて、シメはタンメンで行こか・・」で終わる。
中華料理がもっとも合っていたようだが、鰻、カレーライス、ハンバーグ、ちゃんこ、蕎麦、寿司、豚カツ、天麩羅、おでん、すき焼き、ほっけ定食、ビストロのフレンチ・・・とあらゆるジャンルに拘泥し、精通し、講釈し、真剣に向かい合って喰う姿を読むと、単に量だけでなく、毎食の中に「一期一会」のすさまじい眼差しを感じずにはおられない。そして何よりも、彼の喰う物はどんなものであれ間違いなく旨い!!と、率直に信じられてくるので不思議だ。
本書には「母親の味がする」と言って食べた特製巻物が紹介されている。作品の中で家族を語ることの少なかった開高健が、50代になってそれを頬張りながらふと漏らしたというこの一言には、どこか人の胸を突き刺すものがある。
いつか開高健記念館を訪ねた折に、茅ヶ崎でぜひともこの特製巻物を自分も喰ってみたい!!
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