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13編のいろいろなジャンルの短編集。
読みやすく面白い。
大体どの話も短時間でさっと読める話なので、待ち時間に読む本としても良さげ。
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【種子まく男】―短篇。
シルマー街に引っ越してきて、まわりに気付かれないように隣人たちに揉め事の種子をまいていく男の話。ホラーといえばホラーだが、一般のニュースでも迷惑オバサンなどが話題になる昨今ではむしろリアルである。(2008.12)
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収録作品にというよりも、何回か読んでいるはずなのに、いくつかの作品を除いて記憶に残っていないことの方にショックを受けたりして。
「ノアの子孫」。これと、スティーヴン・キングの『デスペレーション』を読んで以来、アメリカの辺鄙な田舎町で“警官”に呼び止められるのは、危険、怖ろしいという思い込みが生まれてしまった気がする。
何故・・・はないのに、その異様な光景が目に浮かんで忘れ難い「レミング」
「種子まく男」は何回読んでも嫌な話。
仕込がここまで入念だと、人間の悪意からの行為というより、何やら破壊工作じみて見えてくるから不思議。あとがきで紹介されている“特殊なスパイものとも読める”との意見に頷ける気もする。
Shock! by Richard Matheson
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敬愛する平山夢明先生がトークショーで絶賛してたんで古本屋を探し回ってたら、近所の図書館にフツーに置いてあったぜ!
「トワイライト・ゾーン」や「事件記者コルチャック」といったカルトドラマの脚本を数多く手がけたホラーの名手・マシスンの、タイトル通り13の恐怖譚が詰まった短編集です。
この人の恐怖は、超自然現象やショッキングなモンスターよりは、登場人物の強迫観念や怯え、苛立ち、妄想といった「人間の精神に宿る狂気」をじわじわと滲ませる描写が真骨頂。怨霊より生身の人間が宿す悪意の方がより邪悪に恐ろしい、と思う人にはうってつけです。
1.ノアの子孫
旅先の見知らぬ田舎で理不尽な恐怖に巻き込まれる男。タイトルの意味が分からないんだけど、キリスト教圏なら通じるのか?「インスマウスの影」のバッドエンドとして脳内補完しても楽しめそう。そういえば「注文の多い料理店」も、れっきとした恐怖物語だよな。
2.レミング
僅か3ページの、強烈なインパクトを持つショート・ショート。何の理屈付けもないところがまた素晴らしい。これは「読んでくれ」としか言いようがないなー。
3.顔
本編で一番怖かった話。洋館の女性が殺され、そこには正気を失った少年が…。殺人事件と見せかけて、遥かに深い深淵が顔を覗かせる。幼い子供にとっての地獄って、本当に簡単に創り出せるんだ。
4.長距離電話
毎日掛かってくる謎の無言電話。こちらは正統派のホラーストーリーなんだけど、心を病んだ主人公の女性の怯えがいちいち不気味。
5.人生モンタージュ
「人生なんて映画みたく美味しいところだけ味わえればいいのに」が現実に!という奇妙ファンタジー。キス→そのままベッドへ倒れこみ…→次の瞬間朝、という主人公が不憫すぎるwまぁ全年齢向け映画なら当然だわな。
6.天衣無縫
テニスプレイヤーは出てきませんでした、残念。突然星の本棚が頭に開いたおっさんの話。夢明先生の怪作「ウは鵜飼いのウ」はこの話がモチーフか!
7.休日の男
ある能力者の、ほんの日常的な一日を描いた掌編。あぁ、この人も地獄の中にいる。
8.死者のダンス
WW3後の近未来(かな?)を舞台に、SQN学生が盛り場で見た邪悪なギグ。タイトル通りなんだけどその原理がエグい。あと「ルーピー」が連呼されるんでちょっと吹いた。
9.陰謀者の群れ
こういう妄想癖の人が日常的に湧く社会になってるのな日本、って思った。
10.次元断層
パラレルワールドもののSF。この人はアイデンティティの崩壊過程を書くのが本当巧い。最後の妻の台詞の恐ろしさが抜群。
11.忍びよる恐怖
本編唯一のバカSF。論文形式の物語で、最後の嘘引用まで含めてバカの極み(褒め言葉)。ロサンゼルス人って日本でいう大阪人的なスタンスでいいのか?
12.死の宇宙船
SF的に転がしておいて、実は超正統派のゴースト・ストーリー。
13.種子まく男
これも怖い。男が住宅街に淡々と悪意を広げ続ける様の不気味さがこの上ない。オチの理不尽さも素晴らしい。現実問題、日常の中で誰かに本気で悪���を仕向けられたら防御なんて不可能だよな。
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SF系の作品よりは現実にありえそうな恐怖を描いた作品が面白い。「ノアの子孫」や「長距離電話」は今となってはありがちなネタだけれど、わかってても恐いというか嫌な感じが残る。
「種子まく男」はサイコパスが引っ越した先のコミュニティーを崩壊させていく様を描いた作品で、これが一番嫌な気持ちになった。
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勤勉な悪人。そのような矛盾する人間が存在するのか?それはこの短編集の一編『種子まく男』のなかに確かに存在する。わかりやすい悪人は登場しないばかりか、一見善良そうな男が、まるで畑仕事でもこつこつと励むかのような勤勉さで、小さなトラブルの火種に油を注いで回ってひとつの共同体をやがて崩壊へと導く。この作品のためだけにでもマストバイな短編集。
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リチャード・マシスンの後味の悪い短編集。
特に印象的だった作品は「顔」。
とある家で、女性の死体が発見された。
残された女性の一人息子は恐怖のあまり、我を失い話すことすらできない。
なぜ、女性は死体となって発見され、息子は怯えきっているのか?
関係者の往復書簡によって明らかになる事実とは・・・。
イヤミス的な作品から、人生の時間を考えさせられる作品など、後味の悪い作品が多いのが特徴。
不条理な設定が淡々と進行しながらも最後にストンと落とされるあたり、期待を裏切らない作品集となっている。
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ミステリーゾーンのメイン脚本家だったらしい。どうりで読んでてこれまでの作家さんの中で一番読みやすく、面白いと感じた筈だ。
特に最初のノアの子孫と種まく男がブラックユーモアが効いていて面白かった。
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「蒸発」衝撃から二桁以上の日数をへ経て、
再度この作家の本にたどり着いた。
「レミング」は、短いながら、衝撃的。
この一刀両断加減がたまらないが、
オチのわからないものもあった(己の至らぬさ故...)
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怖い。一番怖いのは『種子まく男』。ご近所トラブル、人間関係のボタンの掛け違いは無くなることはないでしょ。それを引き起こす人がいる。あ~怖い。実生活にほとんどないがテレビのニュースにはなりそうな事件のリアリティっていうのかな、そういう身近で知っているが体験したことのない世界に入り込むのって怖い。