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恋人なのか友達なのかキモ焼ける男の元を訪ねる「肝、焼ける」、お局さま二人との距離感に悩む「一番下の妹」、経歴だけなら申し分ない婚約者がいる「春季カタル」、恋愛にバリアーをはって傷つかないようガードしている「コマドリさんのこと」、長い間付き合っている恋人と結婚したい「一入(ひとしお)」
五つの短編集。
なんといっても題名がいい。肝が焼けちゃうんだよ。ジリみたいな男とかストレートに分からないのに核心をつく、方言って素晴らしい。哀しくて寂しいけど元気出していきましょう。
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稚内に転勤してしまった友達以上恋人未満の年下の男を追いかけてきた30女「肝、焼ける」40代OL二人を相手に働く20代OL「一番下の妹」、40歳にして男性と交際したことのないOL「コマドリさんのこと」等、北海道を舞台に20〜30代女性の微妙な、じれったい心境を描く短編集。30代以上の一部の女性限定で楽しめる本だと思った。公私ともに一番下の妹なので、個人的には「一番下の妹」が面白かった。あの、上の人達にあしらわれてやってる感はすごいうまいなあと思った。全編にわたって、突拍子もない比喩でクスリと笑わせながら、あるあると思わず肯く。結婚=紅白歌合戦の喩えに笑った。けど、ほんとにその通りだよなあ、うんうん。
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トヨザキ氏オススメ本にて読んでみた。こういう女子の気持ちに私は一度もうなずく事ができないのだが、それは何故か考えさせられた。
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なんかこういうのいいじゃん。
そういうのもいいじゃん。
なんとなーく、ちょっとしあわせになれそうじゃん。
っていうのが素敵。
そういうのがうまい作家さんなんだなとおもいました。
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切ない女性たちのお話。
「コマドリさんのこと」は読んでて辛かった、でも一番良かった。結末のおかげ。
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<内容>歳下で遠距離恋愛中の彼氏に会うために、こっそり訪れた稚内。地元の人たちの不思議なパワーのおかげで、もやもやした気持ちが変化していく。激しいじれったさを表す方言「肝、焼ける」が、真穂子を駆り立てた! 短編小説集。
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初めて読む著者。
淡々としていて、のほほんとしているようで結構シビア。
主人公の女性の屈折とか劣等感が暗くなくでも
切実に伝わってくる。
「一入」が特に好きだった。
文芸誤報掲載・図書館貸出
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短編集というものは、せっかく物語の世界に入り込んだと思っても、じきに現実に引き戻され、またすぐ違う話の中へ新たに入ってゆかねばならぬので、読むのになかなかのパワーがいる。その割には、一つ一つの内容は印象に残りづらかったりする。しかし、本書にはそれがまったくなかった。
まず、どの短編も一行目から引き込まれていった。そして、各ストーリーは濃密で、それぞれ違った印象が深く深く残る。描写が非常にリアルで、その場所や人のにおい、音(声)、雰囲気が、また、会話からは、相手との微妙な気まずさなどが色濃く立ち昇ってくる。
たとえば、東京に住む「わたし」が、北海道の稚内に転勤になった恋人御堂くんをたずねていくというだけの表題作『肝、焼ける』だが、これがもう、たまらなく北海道がそこにある。ふらりと入った銭湯で出会った年配の女性たち、コンビニで買った思い出のベイリーズ、駅前の江戸前寿司屋、一人で泊まるホテルでの孤独な夜……。
「わたし」の周りでは北海道の方言が飛び交い、東京では見られない空が見える。切ない。どんなエピソードも、笑えるのだが、どことなくものさびしい。そこで出会う人々が温かいからだろうか。これが第72回小説現代新人賞を満場一致で受賞したというのも納得できる。
そんな表題作のほか、『一番下の妹』、『春季カタル』、『コマドリさんのこと』(2003年に第37回北海道新聞文学賞を受賞したデビュー作)、『一入(ひとしお)』が収録されている。どれもすごくいい。「おもしろい」とかなんとかいう表現ではなく、とにかく「いい」としか言えない作品ばかりだ。
著者は、1960年生まれの、北海道出身の新人。北海道の短大を卒業後、<さまざまな職を経験>しているそうだ。それらの経験が、作品のこの厚みを生み出しているのかもしれない。今後がかなり楽しみな作家である。多くの人にお勧めしたい一冊。
ちなみに、本書のタイトル『肝、焼ける』というのは北海道の方言だということだが、東京出身のわたしの母も、じれったくて「キーーーッ」となってしまいそうなとき、よく「あー、肝入れる!」と言っていた。「焼ける」と「入れる」の違いはあるが、どちらも同じ意味である。だからこの本で、この言葉が北海道の方言だと知ったときには、「へえ、そうなんだー!」とちょっと意外だった。母亡き今は知る由もないが、いったい母はどこでこの表現を知ったんだろう……。(2006.1.29)
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朝倉かすみさんは
角田光代さんと同じぐらい好きな作家さんです。
角田さんの作品を私は「苦い」と表現しますが
朝倉さんのさんの作品は「不安」です。
不安が癖になるのです。
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タイトルの“肝、焼ける”だけ読みました。
タイトルどおり、じりじりする。
だけど、お互いに、大人なのに、純粋に恋してる!という、素直になれないかんじがよかったかな
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手持ちのカードを惜しむみたいにちらちらと見せてくる、このひとの長編もきらいではないけど、やっぱり短編が上手いひとなのではないかと思う。好きです。
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30代女性を描くのが上手いと聞いて、かなり期待して読み始めたのだけれど…。
あまり好きなタイプの文章ではない(ごめんなさい)。
途中で読むのを止めようと思ったが、だんだん面白くなってきて結局全て読んだ。
でも、他の作品を読むかというと微妙。。
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「肝焼ける」…31歳の女性が24歳の彼氏をおっかけて東京から北海道まで行く話。ラストが気になる。
「一番下の妹」…日常で辛いことがあっても水に流して生きていくのだ。
「春季カタル」…
「コマドリさんのこと」…真面目で融通がきかない人っているよね。シゲコちゃんは若いのにできたひとだなあ。
「一入」…こちらも不器用な大人の話。
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表題作「肝、焼ける」や「コマドリさんのこと」など五篇。
どれもアラサー女性の鬱屈さを書いたお話。
よくここまで世界を灰色に捉えられるなぁと思ったのは、自分が男だからでしょうか?
でもどの話の女性も最後だけちょびっと前向きになります。
さらーっと読み過ぎて頭に入っておらず、「あれ、何だっけ?」と今読んだばかりの項を読み返すことが多数ありました。
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第一話、じりじりと煮詰まった主人公が北の地のひとびとからすこしずつ窘められてゆく過程、土地のことばが小気味良い。
走り出す彼女を応援したい気持ちになって思わず笑みが浮かんだ。
ときどき言葉選びのあざとさが鼻につくけれど、やはり巧いなあ。