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傑作集1、2に続く3冊目。今回は昭和30年代から平成5年の作品が時代順に収録されている。
この時代になってくると怪奇、それも直截的な恐怖が描かれるのではなく、より幻想味を帯び、一読すると何が怖いのかピンとこないような作品も含まれてくる。つまりモダンホラーとは全く異なる日本の怪奇幻想文学なのだろう。
それでいて描かれる世界は間違いなく日本独特の風景であって、最後に収録された高橋克彦『大好きな姉』以降に本格化する?〝ホラー・ジャパネスク〟へと連綿と続く土壌なのだろうと感じた。
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「お守り」山川方夫、「出口」吉行淳之介、「くだんのはは」小松左京、「山ン本五郎左衛門只今退散仕る」稲垣足穂、「はだか川心中」都筑道夫、「名笛秘曲」荒木良一、「楕円形の故郷」三浦哲郎、「門のある家」星新一、「箪笥」半村良、「影人」中井英夫、「幽霊」吉田健一、「遠い座敷」筒井康隆、「縄」阿刀田高、「海贄考」赤江瀑、「ぼろんじ」澁澤龍彦、「風」皆川博子、「大好きな姉」高橋克彦所収。
全体的に読み易く、その分怖さも増した。ひぃぃ。たまりません。
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何かと名前をよく聞く「くだんのはは」読みたさに購入。
くだんの絵的な不気味さに加えて、
ショッキングな終わり方でおもしろかった。
「山ン本五郎左衛門只今退散仕る」は、昔絵本で読んだ内容。
毎夜登場する怪異にバリエーションがあり、飽きがこない。
「遠い座敷」田舎のどこかにはこんな家があってもいいんじゃないか。
無限回廊的な薄気味悪さと、古民家の雰囲気がとても良い。
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一巻、二巻の方が良かったかな。
ほぼ、リアルで読んだ作品が多かったせいもあるが、新味にかけるところもあった。
好きな作家の作品も収録されてるが、この頃の作品になると、気をてらいすぎることもあるように感じる。
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1巻より時代がだいぶ最近になってきたので読みやすかったです。
気に入ったのは
『お守り』
『くだんのはは』
『門のある家』
『箪笥』
『縄』
『風』
『大好きな姉』
です。
縄だけは以前読んだことがあったのですが、ぼんやりとしか覚えてなかったのでまた新たな気持ちで楽しめました。
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「お守り」
前に読んだことがあったが、今読んでも面白かった。自分も誰かと同じなのだろうか…
「箪笥」
こんな数ページでゾクっとしたのは初めてだった。まさにわけのわからない怖さ。
「大好きな姉」
最後の急展開。怖い。呪怨などジャパニーズホラー的な怖さ。
この3つが印象に残りました。
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(借.渋谷区立図書館)
昭和35〜平成5年まで発表された作品。この時代になると「似て非なる異世界の幻想」的なものが多くなっているような気がする。個人的にはオーソドックスで作品としての完成度の高い傾向の1巻の時代が良いが、その辺は好みの違いもあるだろう。