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告白 みんなのレビュー
- ドメニック・スタンズベリー (著), 松本 依子 (訳)
- 税込価格:902円(8pt)
- 出版社:早川書房
- 発行年月:2005.12
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紙の本
読後のモヤモヤ感が、あなたを待っている!
2006/09/17 22:45
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
MWAのペーパーバック部門の受賞作です。
主人公は、司法心理学者、若い頃より興奮すると記憶が途切れる発作を持病として持っています。
美しく知的奥さん(少し倦怠感、言い合いがよくあります)が、
いるのに、サラと現在不倫中。
とある、パーティの後サラの死体が発見され、主人公は、殺人の容疑者から、被告へと、、、。
という話。
この心理学者という後ろ髪を伸ばした
(公判では陪審員から好印象を得るため後ろ髪を切られてしまいます)
インテリで、仕事では、犯罪者をわりと冷たく突き放して仕事をしているのに不倫をしていながら、奥さんへは、かなり未練たらたらなのが、
妙にリアルでいいですね。
しかも、ピンチになればなるほど、奥さんにすがります。
(「じゃあ不倫なんかしなければ、いいのに」という言葉聞こえてきそう)
主人公の抱える発作、記憶が途切れるというのが、重要なファクターであるのは、
読んでいる読者全てがわかっている事ですが、
これは、さして重要なことでないと、
結末まで読者をある種ミスリーディングしているのが、うまいですね。
裁判に集中するように書かれていて、
(ある種、公判にはどんな手段でも使う、リーガルサスペンスです。)
そして、結末に、表題にあるとおり、「告白」が本当に
さらーっと簡単に書かれていて、読者をモヤモヤ感に突き落とします。
すぱーっと終わるより、曖昧にしたほうが、
読者に衝撃を与えることを知悉しているあたりこの作者はずるいです。
二時間もののサスペンス・ドラマより、
いい時間が過ごせることお約束の一冊です。
紙の本
読者の精神構造がためされる?!
2007/07/20 11:39
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:れーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
精神科医の主人公が告白するかたちで進められている物語。
はたして,彼は本当のことを告白しているのか?
それとも,ねじ曲げた事実をまことしやかに語っているのか?
もしくは,彼は事実が自分の告白のとおりと思い込んでいるのか?
読者は主人公の目線からしか語られていない世界を,どう読み取っていいものか混乱し,上の3つの気持ちを行ったり来たりさせられます。
そして結末。ここにきて,これまで読者が想像していた事件の経緯が,およそ明らかになる告解をし,長い告白は幕を閉じます。
読者は自然に主人公の側に立って話を読み進めていきます。しかし,途中から,彼の精神世界はじつは尋常ならざるものなのか,と,疑心暗鬼になり,何を信じて物語を理解したらよいのか,不安な気分にさせられます。霧に包まれたような話なので,好みはありましょうが,読後感がすっきりというわけにはいきません。白黒はっきりつけたいタイプの方は,とくにそんな気持ちになるかと思います。
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