紙の本
“ガイド”ではなく“ものがたり”であるということ。
2006/02/04 22:04
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:heizo64 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「店の地図が載っていればいいのに」
ブックカフェのガイドブックとしてこの本を手にしたため、読後すぐにそう思った。しかし、読んだ内容を思い起こしてみると、この本が単なるショップガイドではないことは明らかだった。書名をもう一度見る。
「ブックカフェものがたり」
そう、これはガイドではなくブックカフェに携わった人たちの“ものがたり”を追った本なのだ。
そのことが一番はっきりと現れているのが、「第一部 ブックカフェ・オーナーかく語りき」だろう。ここでは、東京、大阪、京都の9店のブックカフェ・オーナーがなぜブックカフェを開いたのか、そしてどのようにブックカフェを日々営んでいるのかを語っている。それぞれのオーナーたちの話に耳を傾けて、まず感じるのは、商売としてのブックカフェの危うさである。簡単に言ってしまえば「なんと儲からない商売なのだろう」ということだ。オーナーたちは口を揃えて利潤の少なさを語っているし、彼ら(彼女ら)の約半数が店の他に仕事(別の収入源)を持っているということからもそれが分かる。この利潤の少なさは、ブックカフェのオーナーになるということが、単なる職業選択という枠をこえて、生き方の問題という領域に踏み込むことだという印象を読者に与える。取材し、文章としてまとめたインタビュアーも編集者もそれを意識した本作りをしていると感じた。だからこそ「ブックカフェものがたり」なのだろう。情報収集ではない楽しみとしての読書と、利潤を生む商談をするのではないただ自分の時間を気持ちよく消費していくためのカフェという場所。そういう空間と価値観を選びとるオーナーたちの姿に共感を覚えた。
あとがきによれば、この本は当初メタローグから「ブックカフェ店主になる!」という書名で出される予定であったという。それが出版社の倒産によって宙に浮き、その後幻戯書房からこのようなかたちで出版されたとのこと。最初の題名から分かるようにこの本は「自分もブックカフェのオーナーになりたい」という人向けのハウツー本という側面も持っている。「第二部 ブックカフェを始める、ブックカフェを続ける」がそれにあたる。開業希望者には、カロ・ブックショップ&カフェ(大阪)のオーナーによる「本屋さんになりたい人のためのブックカフェ開業講座」での実体験を踏まえた具体的な説明が参考になるだろう。現実的、具体的であるだけに「カッコいいし、オシャレだから」といった浮ついた気持ちの開業希望者たちの熱を冷ます効果を発揮するかも知れない。しかし、同時に本当にやりたいと腰を据えてかかっている希望者に対して有益なアドバイスでその気持ちを後押しする力を持った文章でもあるといえる。
別にブックカフェのオーナーになろうというのではなく、単に本屋と喫茶店(カフェ)が好きで、その両方が一緒にあればなおうれしいという自分のような者にとってもこの本は興味深い読物となっている。「ブックカフェ」という名でくくられているもののその形態は店によって千差万別であり、自分の志向がどのようなタイプの店にあるのかをそれぞれの店に照らし合わせて探すのも楽しい。もちろん、気になった店に実際に足を運び、気持ちよい時間を過ごせる場所を見つけることができれば言うことなしだ。
この本を楽しんだという人には、腹違いの兄にあたる「本屋さんになる!」(メタローグ)もおススメしたい。
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ブックカフェが好きな人も開いてみたいと思っている人も読める本。
一口にブックカフェといっても色んな形がる。
共通なのは1冊の本、それからコーヒーもしくはお茶ってこと。
ゆっくりと読書がしたくなる場所をさがしたくなる。
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9人のブックカフェオーナーへのインタビューを通し、ブックカフェ立ち上げへの思い、プロセス、費用をどのように抑えたかなどのノウハウ、苦労を描きます。
この本に登場するブックカフェオーナーに共通するコメントの中で、私がフムフムしたのは、
・店舗物件入居時のオーナーとの交渉
・カフェとしての売り上げの安定化
がどうやら成功のポイントだということ。
開店費用はみなさん800万円近くつぎこんでいらっしゃいます。
そんな中で店舗にかかる費用、たとえば保証金をディスカウントしてもらったり、改築をOKさせてもらったりと、初期費用を安く抑えることができないと、本の仕入れに資金が回せず厳しいと。
ここは交渉テクニックだけでなく、そういう物件に出会える運もあるかなと思います。
(中には物件が見つからず3年探したというオーナーもいらっしゃいました。)
そして、ブックカフェとはいえ、本屋としての収益はやはり各店とも少ないのが現実だそうで。
そうなると、カフェ部分の売り上げで安定的に収益を得られないと、続けるのは難しいとのこと。
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色んな苦労があるようですが、「自分のお店を持つ」という気持ちが大事ですね!!自分も…と思いますが、中々ねえ…
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将来ブックカフェ開きたいなーと思わせてくれる本。
おしゃれな各店内の写真も載っていて、夢がふくらみます。
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東京&関西のブックカフェを紹介。ブックカフェと言ってもいろんな形があることがわかる。巡り歩きたくなります。
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数々のブックカフェの店主にインタビューし構成された、ブックカフェを紹介する本。一口にブックカフェと言えど、お茶も出す書店であったり、本も置いている飲食店であったり、本に関するイベントスペースであったりと形態は様々です。しかし本のある空間をより楽しいものにしようという気持ちは同じです。
またブックカフェを経営したい人へ目を向けているのも特徴です。僕自身、本のある空間を作りたいという考えを持っているので、ついつい前傾姿勢で読んでしまいましたよ。
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2010/06/06
天神
WSで登場。
資料にする
2010/07/10
再貸出。カロさんは参考になりそう
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ブックとカフェは親和性がある、らしい。全国のいくつかのブックカフェのオーナーへのインタビュー集。開店に至る経過もそれぞれ明らかにする。はじめることよりも、続けることの困難さも明らかになる。
続ける「秘訣」は思いの強さ、だということが明らかになる。
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今ブックカフェを営んでいるオーナーへのインタビューの形で進められる本です。
ブックカフェでなくても、カフェに興味がある人なら、すごく参考になります。
それぞれの思いと現実とのギャップ。
何を大切にしていくか・・。
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2011 4/7読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。
Twitterでどなたかに薦められた本だと思うのだが記憶が定かではない・・・@ruckatz3さんだったろうか?
けっこう前から読みたいと思っていたのだが、最近図書館に入ったので早速手にとった。
9つのブックカフェのオーナーへのインタビューを中心に、多種多様なブックカフェについてまとめた本。
当然、ホントのかかわりで借りてきたわけだけど、読んでいるときの印象は『川漁師 神々しき奥義』(http://www.amazon.co.jp/dp/4062723255/)という大好きな本に近かった。
「世の中、色々なことやって生きてる人がいるなあ」と。まあ食えているわけじゃない人もいるけど・・・というか副業あるいは本業が別にある人の方が多い。ブックカフェだけで生きていくのは困難そう。それもまた現実か。
都心部の古書店の方で持ち家があることの強みを語っている人がいたが、この本に出てくる家賃の話を見て納得。
とりあえず「いつか引退したらブックカフェを・・・」ってのは自分には無理だろうな、と思った。
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東京・大阪・京都のブックカフェ紹介本。第二部に「ブックカフェ開業講座」もあり。
この本を読んでうちの近所にブックカフェを開いてくれる人がいないかしら……。
(図書館で借りた本)
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自分の好きなものやことを凝縮した自分のお店。……憧れですね〜。ブックカフェの開店までのお話を中心に店主の方々のインタビューを集めた一冊。「ブックカフェ開業講座」には具体的なアドバイス有り。もし自分が開業するなら……なんてふわふわと空想を広げながら読みました。
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ブックカフェの雰囲気が出ている装丁が素敵です。
インタビュー記事など、読み応えのある本。
ブックカフェって素敵だけれど、夢だけでなく、現実も見えてきます。
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ブックカフェをやってるひとの体験談。みんなブックカフェの捉え方が違っておもしろい。
また、夢だけではなくて、継続させることをまっすぐに考えている。
本はうりものでもあるけどそれはあまり売り上げには繋がらないらしい。やっぱり食べ物がないと難しいみたい。
でも、本を手に取れる場所としてカフェサービスを行わない選択肢もある。
なにを目的にして、なにを諦めるか、なにを売りにするか、を考える必要があるんだと思った。
しかし、同時に考えすぎて踏み出せないのはいけない、と言う。
儲かるのは難しいかもしれないけど、やってみたいと思わせてくれた。
巻末には、実際にブックカフェを開店するには、のハウトゥーがあるのでかなりオススメ。