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紙の本
藤沢さんが、兵法者や剣豪をいったいどう描いたのか!?
2006/09/06 22:08
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
藤沢さんは、どちらかというと、単純な斬り合いの時代小説というより、人の心情、藩政の人間社会なんかを主に書いてきた作家だと認識が
私にはあり、その藤沢さんが所謂、剣の達人それも、その対決シーン
ばかり描いた作品集ということで、あえて自分の描いてきた作風の正反対の作品にtryしているように思え、興味を持ち呼んでみました。
(しかし、時代小説で斬り合いの要素を外せるわけもなく、
一般的藤沢作品でも、しっかり斬り合いが描かれています)
5作品が収録されているのですが、
作風に正反対と書きましたが、どれも、藤沢さんらしく剣豪も人の子としてきっちり、人間描写が出来ていて、人物それぞれに”重み”が感じられます。
今まで、剣豪といえども、晩年の引退間際はどうしていたんだろうとか、戦いに勝ち続ける才能のある人は、いいけど、負けた人は、どうなるのだろうとか、
漠然と剣豪に限らない人間の普遍的疑問として思っていたことがあるのですが、
それが、きっちり書かれています。
藤沢さんは、病で長期療養していたこともあり、弱者の僻みというには、残酷すぎるような、負け組みに近い者の鬱屈した思いなんかを作品にすくいあげるのが、
大変うまい方なのですが、この作品でもそうですね。
勝者としての剣豪というより、そういう人の思い心情のほうが、心に残ります。
まぁ、私も正反対の作風とか書きながら、読んで藤沢さんの術中にはまったわけですね、、。
個人的に面白かったのが、「二天の窟(あなぐら)」
五輪の書の執筆当時の宮本武蔵を描いているのですが、
武蔵の人間形成が出来ているはずの歳なのに勝負に対しては、手段を選ばない感じが
大変よく出ていて、面白かったです。
後、井上雄彦のマンガ「バガボンド」がらみでいくと、
伊藤一刀斎の出てくる、「死闘」も、、一刀斎のワイルドで弟子をほったらかし
にする感じがとてもよく出ています。
(バガボンドでも、「俺のようになれ」の、一言でしたから、、
(藤沢さんに対してえらそうですいません)
やっっぱり藤沢さん、私たち読者より、人を見る目がとても深いです。
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