紙の本
厚いけど薄い
2006/08/05 03:21
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紙魚太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
分厚い本だ。しかし、その内容から見ると本来は全6巻以上の本として出版されるべき内容だろう。これだけの内容をたった635ページ分にまとめた筆者の力量は並ではない。宇宙論から人類の起源まで手っ取り早く全体を眺めるには格好の著作である。しかし、ページ数ゆえの不満も多い。たとえば、第2部に関して言えば現在の地球科学を宇宙論や生命進化と結びつけダイナミックなシステムとしてみる視点が少ない。全体に本質よりも科学者のエピソードや社会的な見方に対するニヒリスティックなブラックユーモアに重きが置かれている点にも疑問が生じる。このような見方はもっと自分で深く勉強した後に判断を下すべきもので、生半可なかじり方(たとえばこの本を読んだだけで)で受け取ることは非常にまずいと思うのである。ある程度各論に精通した読者にとってもそれなりに新しい発見があることは素晴らしいと思うのだが、このページ数でそのような現象が起こることは、反面本論が軽視されている証拠でもある。翻訳に関して言えば、比較的わかりやすいのだが、生物名を漢字で表しているのはどうかと思う。科学的啓蒙書ではカタカナ表記が妥当であろう。また、原文の間違いかどうなのかは判断しかねるが、明らかな間違いもいくつかある。たとえば、素潜りによる世界記録の表記はどう考えても2倍しなければならない。これだけの内容を訳そうとするとかなりの下準備が必要だと思うが、もう少し慎重さが必要だったのではないか。巻末には索引も付いており、このような内容にほとんど今まで興味がなかった人には、とても面白く読みやすい内容の本だろう。親父に勧めてみたら「とても面白かった。」といっていた。変な言い方だが、「厚いけど薄い本」なのだ。
紙の本
エピソード満載、でもまじめな科学史
2008/03/31 17:11
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YOMUひと - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、科学史といっても通史ではなく、宇宙論、プレートテクトニクス、生命などというテーマごとに比較的最近の人物のエピソードを積み重ねて科学の展開を説明するという形を取っているので、親しみやすい語り口になっている。
この著者の得意とするところであろうと思われるが、科学史上の人物となった科学者には遠慮のない、かなり辛らつなエピソードが躍動する。科学者にはなかなか円満な人物はいなかったようであるし、また、本書によると余り恵まれた晩年を送れた科学者も多くはなかったようである。時には、評者にはどうでもよいようなエピソードにスペースを割きすぎではないかと思う場合もあるが、軽妙な筆致に笑ってしまう部分も少なくない。
しかし、著者の基本的な姿勢は、現代の科学の最先端に読者を案内しながら、科学を賛美するわけではない。むしろそれがいかに袋小路に陥っているのか、いかに人知が及ばないものであるかを示そうとしているように思われる。特に、それは宇宙論や量子論の分野で顕著である。したがって、このためか、大発見物語のドラマチックな展開という面ではやや物足りない。しかし、逆にそのことによって、読者がそれらトピックのさらに先を知りたいという好奇心はますます刺激されるものとなっている。
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サイエンスの教科書がむずかしくてつまらないことに不満を持ったベストセラー旅行作家ビル・ブライソンによるサイエンスエッセイ。ものすごく勉強していて頭が下がる。いろんな人のエピソードなどがたくさんあって確かに面白いのだが、もっと簡単なほうがいいなあ。まだ難しくてつまらない。科学的なこともしっかり説明するなら図とかあってもいいと思うし。
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理系の人にはとても楽しい本.理系ではない人には内容を理解するのは少し難しいかも知れないが,現在どの様なことを人間がどのくらい分かっている,もしくはどのくらいしか分かっていないかを知るのにとても役に立つ本.
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宇宙の誕生、地球の成り立ち、生命の進化、人類の誕生・・・・・これ一冊で概略は理解できると思います。かなり分厚いのですが、文系人間でもサラッと読める内容です。
最新の研究成果もさることながら、いかに科学者たちが他人の功名を嫉み、手柄を横取りしようとするか、といった人間模様にも触れられていて、読み物としてもなかなかの秀作です。
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図表の類はなく文字ばかりですが、下手な理科の教科書より面白かったです。なんせコレ一冊に、2000年間の科学の歴史全てが載っているのですから。
講義を受けている時に、時々サブテキストとして用いるのが最適な使い方かと。
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宇宙の大きさ、地球の内部、人類の始まり、細胞のメカニズム…「自分はあまりに自分と自分の立っている世界のことを知らないよな」と、ふと思いたった、旅行記等で人気の著者が、17世紀から現在の科学が探求してきた「人類の来し方」をたどっていく科学漫遊記。われわれ人類が今こうして存在していることが、現時点(2003年頃)の科学で「どういうことだ」と説明されているのかがわかる。 科学知識が乏しくても読めるように工夫されているのがさすがだが、私はたくさんの外国人の名前を覚えるのに難儀した…。約650ページの労作で、ブクログの背表紙ビジュアルがやけに薄く感じる…。
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寝る前にちょこちょこ読み進めながら一応読了しましたが、たまに開いて知識の整理にも活用しています。スルメみたいな本。
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総ページ数600ページ超のボリューム.あらゆる自然科学の分野で現在知られていることを知ろうと試み,しかもそれを一般の読者に対してわかりやすく解説することを意図している.そして驚くべきことに,かなりの程度その意図は達成されている.時に辛辣なユーモアを交え,科学者たちのエピソードを織り込みながら,飽きずに読ませるのがすばらしい.
物理,化学,地学分野を主に扱った第一部から第四部まではある程度親しみがあったこともあり,文句なく楽しんだ.残りの第5部と第6部で扱われる,生物の発生から,現在の我々に至る進化の過程は,私が高校生のときに学んだものとずいぶん様相が変わっているような気がした.この数十年に大きく進歩したということなのだろう.
この世の中にはまだまだわからないことがたくさんあるという事実を実感し,その多くの謎に挑戦する科学者たちを心から応援したい気持ちにさせられた.
読了には長い時間がかかったが,各節の内容が独立しているので,時間が開いてももそれほど気になることはなかった.
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分厚い。読むのが疲れました。それなりに面白いのですが、もう少しコンパクトに話しがまとめられるのでは?と思いました。
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第1部 宇宙の道しるべ
第2部 地球の大きさ
第3部 新たな時代の夜明け
第4部 危険な惑星
第5部 生命の誕生
第6部 わたしたちまでの道のり
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原作、A short history of nearly everything.
ボストンの友人に紹介されて、探していたら日本語版が近所の図書館にあることを知って借りて見ました。600頁以上の暑い本でしたが、科学好きには色々楽しい本だと思います。
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科学者達の人間らしい側面が面白い。現在ある当たり前の知識がいかに苦労して、時には議論を巻き起こしつつここまできたのか、その偉大な取組みに個人として敬意を表したい。知らない事が多すぎて恥ずかしかった。
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たぶん飽きない
宇宙の誕生、地球の誕生、物質の誕生、生命の誕生など、
地球と人間生活の基本の構成物の成り立ちについて、
いろいろな角度から解説してくれる。
無人島においても思考が深まることばかりと思います。
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あらゆる科学のいままでわかったことと、まだわからないことについて、わかりやすく書かれている。
一見無駄かと思うような知識だが素朴な疑問(学者はなぜ地球の中がわかる?とか)を解決もしてくれるかも。