紙の本
単なる海洋冒険譚ではない……ハズ
2006/06/05 12:01
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうにもいけないのが、深読みするクセだ。『もやしもん』にしても「面白ければいい」というコンセプトで描いているとのことだし、この作品にしても深読みする必要はないはずなのだ。だが、話の流れで“人間とは?”とか“生きる意味とは?”といった命題が顔を出すので、どうしても「もっと深いテーマが潜んでいるのでは」などと気になってしまうのだ。
舞台となっているのは、倭寇がハバをきかせるとある海洋。囚われの身から脱しカタリベと名付けられた少年の、数奇な運命の物語。
それにしても、“人間”とは何なのだろう?読んでいて、いや読み終わってもしばらくは、この問いかけが頭から離れない。前述したように、作者自身は読者に問いかけようと意図はしていまい。だがその分、物語としてある程度答えらしきものを見せられている分、余計に目の前にちらつく。平穏に生きようとするのが人間のあるべき姿なのか、それとも些細なことで残酷になり、更に“人間”とは呼べないモノへと容易く変化するのが人間なのか。私は一体どちらなのだろう?
初版の帯には「動乱の海に生きる者達を描く、海洋伝奇冒険活劇!!」とある。まさしくその通りの、上手いコピーである。このコピーをそのまま素直に信じて読み進められればよいのだが、大半の方々はそうもいくまい。きっと私と同じように、“人間とは?”という命題に惑わされることだろう。こうまで我々を惑わしながら、それでも「面白ければいい」と言う作者、何とも罪作りである。
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ううーむ。神やら鬼やらが出てくる宮崎駿さんみたいな世界観を持つ話。しかし、伏線ばっかりで終わっている印象だなあ。と思ったら、連載していた雑誌が休刊になり、未完のようですね。続編を望みます。
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話の雰囲気といい絵の感じといい、原作版ナウシカを彷彿とさせるが、読み進めるとナウシカとは全く違うことが分かる。絵柄も題材も整理しきれてなく、読みづらい点は否めない。
でも、2回3回読み返し世界を理解すると、ぱっと面白さが入ってくる。これは、残酷で酸鼻を極めた世界の中で、生きることの意味を知り尽くした人々の物語でもあるのだ。
ここに、真の強者はいない。もたもたしてると、足元をひっくり返され、簡単に死ぬ。「こんな世の中だから」と傍観する暇も、「自分のせいだ」と後悔する暇もない。何があっても「オレはこう生きる!」と、言い切らなければならない。
カタリベもまた、修羅場を潜ることで人任せの生き方を捨てる。海で生きるには優しすぎる彼だが、九姓漁戸の里には戻らず、あえて動乱の中に身を投じる。80人生き返らせると言う重圧を、自らの生き甲斐にし、明日の命も分からない世で、50年生きなければ…なところで、話は終わっている。
平成10〜11年、全30回の予定で連載していたが、大人の事情とやらで13回で終了。今回の単行本は、その13回分をカラーページもそのままに発行されたもの(太っ腹!)。村上水軍、肥前松浦党も登場し、「さあ、これから」ってところで終了してるのが、つくづく惜しい。
万人には受け入れられない作品だけど、できれば連載再開して欲しいところです。
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これから盛り上がる!ってとこで終わっちゃってるのが残念。
書き下ろしで単行本出して欲しい作品。
あーもやしもん終わってからでいいから本当に続き書いて欲しい。
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日本で言えば南北朝時代末期の、海洋伝奇コミック。登場人物が魅力的でいいと思った。
惜しむらくは途中で終わっていることで、書き下ろしで続編を書いてほしい。
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もやしもんが好きなので読んでみたんですが、全く違う雰囲気で驚きました。
倭寇、村上水軍、カニバリズムと、中々重たいものを扱っていますが。
歴史好きとしてはかなり楽しめました。
どうも途中で打ち切りのような形になっていますが。
続きが読みたい作品です。(2009年9月4日読了)
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未レビュー消化。自分が決定した選択にどう付き合うか、自分を責めるのかそれとも未来のために反省し次に活かすか、色んな矛盾を抱えてそれでも主人公であるカタリベが決断に対して臆病にならず未来を選択していたのが良かった。惜しむらくはエピローグでカタリベがどうなったか描いて欲しかったかな。
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打ち切り気味に終わった作品
トーンを使っていないのがすごい
人斬り龍馬と併せて購入、こっちは死が生活の一部にはいりこんでいる
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初めはごちゃごちゃしているが打ち切りの割にはよい終わり方をしている。 折角の設定が生きる前の打ち切りで残念。倭寇の歴史など知りたいと思った。
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南北朝時代の倭寇を描いたマンガ。このあと『もやしもん』でブレークした著者だが、特定の分野に元々興味があってそれを描くというタイプではなく、毎回徹底的に勉強することで新しい分野を描くタイプらしい。今回も南北朝時代の海の風俗、文化人類学的、オカルティックな面の考証がとてもよくできていることをうかがわせ、たくさんのネタ振りもあり、この後の展開がとても楽しみだったのだが、内容的に某所からクレームが入ったのか一巻分まで描いたところであっさり連載中止となってしまった。鬼と呼ばれる気が触れてしまった海賊の子分たち、それを使役する術者がテーマの一つだったからムリもない話かもしれない。
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http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2006/05/post_6132.html