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紙の本

中国の売国奴と日本軍。

2006/04/28 02:11

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:和田浦海岸 - この投稿者のレビュー一覧を見る

帯には歴史ルポ小説となっております。
「1942(昭和17)年、大災害が河南を見舞った」とこの中国小説は始まります。それから50年後。ひとりの青年が自分の故郷の1942年〜1943年の河南省を知る時空を越えた旅へと出るのでした。
それは「ぼくの故郷」への旅でした。干ばつによる被災農民は草の根や木の皮まで食べたが、いたるところで餓死者が出た。河南省では三百万人あまりが餓死した。
「母方のおばあちゃんは、五十年前の餓死者が出た大干ばつのことを、とうの昔に、きれいさっぱり忘れていた。・・おばあちゃんはいった。『餓え死にが出た年はたくさんありすぎるんでね、いったいどの年のことをいってるんだい?』・・」
青年は50年前の故郷を見つけ出そうと話を聞きにまわるのですが、聞きだせるわけでもありません。それでも手順を踏んで聞いてまわるのでした。それからおもむろに「ぼくの故郷の人たちの話よりも、信頼できる」と当時の『大公報』重慶版に載った、河南の戦場に派遣された記者高峰(ガオフォン)の記事を紹介してゆきます。
そこに、被災民三千万人、餓死者三百万人という大飢餓の状況を示してゆきながら、同時に指導者らによる「民衆が死んでも土地は中国人のもの。兵士が死ねば日本人がこの国をわがものとする」という大義のもと、天災の最中にも中国軍の容赦のない軍糧のとりたてを黙認する蒋介石らの様子を浮かび上がらせてゆきます。
ですが、あくまでも青年が追ってゆくのは50年前の故郷の餓死寸前の農民の姿です。そして、1942年中国駐在アメリカ外交官ジョン・S・サーヴィスがアメリカ政府に送った報告書。さらにセオドア・ホワイトに及びます。
青年は語ります。
「ここまで書いて、ぼくは、はっきりわかった。ホワイトこそ、この原稿を書き上げるための主役にちがいない。ほかでもなく、1942年の河南大災害については、もはや誰も関心を払わなくなっているからだ。当時でさえ、指導者も、政府も、関心を向けず、さらに地方の役人は食糧を売って私欲をむさぼり、大ぜいの被災者が亡くなった。生きのびた者も、つまり50年後の、今は老いた被災者ですら、当時のことについては、やはり冷淡でボーっとした態度をとっているのだ。そのようななかで、ただ一人の外国人、『タイム』の記者ホワイトが、この荒れ果てた土地と三百万の餓死者に関心を寄せたのである。中国人自身のことなのに。中国人自身はこのように無関心で冷たい態度なのに。しかし、外国人の彼はわれわれのことに関心を寄せ、同情した。このように述べてきて、50年後でさえ、赤面せざるをえない。・・」
単行本で100ページほどの「温故一九四二」は最後に、戦争中の大干ばつによって餓死寸前の河南人の農民が、なぜ全滅せずにいられたか、をつけ加えるようにして語って終ります。
「1943年、日本人は河南の被災地区に入り、わが故郷の人々の命を救ったのだ。・・侵略者が、ぼくの故郷の多くの人々の命を救った。彼らはわれわれにたくさんの軍糧を放出してくれた。・・ところで、ここで話を戻すならば、われわれの政府は、われわれ被災者にたいして戦略的な意図や政治的な陰謀はなかったか?あったから、彼らはわれわれから手をひき、構いもしなかったのだ。・・・日本軍を支持し、侵略者がわれわれを侵略するのを支持したのだ。当時、わが故郷の農民や親戚、友人らのなかで、日本軍のために道案内したり、日本軍側の前線で後方支援したり、担架を担いだり、さらには軍隊にはいって、日本軍が中国軍の武将解除にゆくのを助けたりした者の数は、計り知れない。・・・」
むろん、私は端折って引用しております。
これは中国で書かれ、読まれているわけで、内容は日本の侵略も批判的に言及しています。それは読んでご確認を。

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2012/03/05 11:42

投稿元:ブクログ

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