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実習で若年性アルツハイマー病の方を担当させてもらうことになったので、少しでも当事者の想いを知ることができたら、と思って読んだ本。
構成的には、
1部で本人や家族の想いが述べられており、
2部で若年認知症に関する基本的な知識を得ることができ、
3部で家族会や福祉施設の現状を知る、
という流れで、自然な思考の展開と重なっていてとても読みやすかった。
やはり本人や家族が抱えている問題というのは
目に見えないがとても大きいものだと感じた。
見えていない、というよりも
見せないようにしている、もしくは見せてはいけないと思わせる社会である、というのが現状なのかもしれない。
本人や家族の「こうして欲しい」「こんな扱いは嫌だ」という内容は
聞いてみれば当たり前というか、何も特別な要求ではないように感じた。
自分や自分の家族が同じ状況になったら、きっと似たようなことを考えるだろうな、という自然なものだと思った。
でも、それをわざわざ言わなければ気付いてもらえてない現状であることは、
少し悲しいことだし、私がこれからもっと考えていくべきところだと思った。
***
当事者の言葉を聞くと、なんとも複雑な気持ちになる。
こういう現実、きっとなかなか受け入れられないだろうな。
私なんかが想像もできないような苦しさと痛みと、それを乗り越える強さがあるんだろうな。
乗り越える強さを尊敬するけれど、
乗り越えられなくったって悪いことじゃないと思う。
私に何ができるだろうか。
私が何をしてもいいんだろうか。