投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
自宅を訪問する男を相手かまわず妻ロベルトに近づかせ、不倫の関係を結ばせて客人のもてなしに供する“歓待の掟”に魅せられた夫オクターヴ。
原罪と自己超越を追求する行為の果てには何が待っているのか。
一九五四年に発表され、今なおその衝撃的な内容に論議が尽きない哲学小説、待望の文庫化。
[ 目次 ]
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
投稿元:
レビューを見る
哀れなオクターブよ、そして欲望に忠実なるロベルトよ。
猫町倶楽部のUGイベント第3回に参加してきました。
UGだから官能小説かなって思ってたんですが、哲学に近かったですね。
オクターブはロベルトの無神論にはがゆく、色んな男をロベルトに近づけることで、
彼女をキリスト教的な考えに改めるようにあの手この手を使っていましたが、
結局は一番躍らせられていたのは、当のオクターブですね。
精神と肉体は別々なのか?この問いにあなたはどう答えますか?
久々の読書会でああでもない、こうでもないって言い合えたのはよかったな。
投稿元:
レビューを見る
河出文庫の在庫僅少フェアで購入。
いや〜、久しぶりに変な本を読んだww 嬉しいww
途中、何度かツッコミたくてしょうがなくなったが、真顔で読み通せたので良かった。挿絵の、味のある画風がまた良い。
投稿元:
レビューを見る
こ難しいけれど、エロチックな、味わいのある作品。
わたしは無宗教だが神はあると思っている。けれども真剣に考えたことがない。つまり考えたこともないことは未知。知りたい。
しかし神を信じるか、信じないかを試すのに、変態(どうしたってそうみえる)夫が妻に誰彼かまわず不倫をさせるとなぜわかるのか、変な理屈だ。しかも夫は神学の大学教授である。
読んでいるうちに、めまいがしてきたのは膨大な哲学的論であるけれども、そのめまいのうちには春本と見間違うほどの いきなりそこ(エロチズム)へいくのか!という強烈な変態の様相。
その変態老人(といっても60歳、しかし昔は…)が30歳妻の不倫状況を妄想したり、演出したりするのが微にいり細にいり書いてあること、あること!
作者自身の挿絵が数枚あるが、エロというより下手グロで、なおさら輪をかけて妖しくておかしな気分になる。
でも、それに目を奪われてはいては理解できない。悪魔の誘惑という図式ならまだわかるがそういう簡単なものではない。そんなのは映画で観たことある。尼僧に悪魔が付くとか。
そうではなくて人間が人間を試すとこうなる。とくに変な趣味のひとが。
だが、この妻は賢かった。だって最初から神を信じていなくてだまされた振りして楽しんでいて、しかも…(ネタバレになるのでやめる)
つまり、わたしもすこしは西欧の神学についておもしろく読んで解かったかなーと言う気分。まあ、そんな簡単にわかるものではないだろうけど。
解説を読むともっと違う読み方が示してある。いろいろ解釈・議論がある作品ということだ。