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ずいぶん前に古本で購入し積読していた。15年くらい前の本なので、情報が古くないかどうかちょっと心配なところもあるが全般的に楽しめた。もっとも印象深いシーンは、著者がコンゴに泊まったときの体験。そこはカバの縄張りだったようで、窓の外にはカバの尻がせまり、糞をぼたぼた落としながらしっぽを振り回し、あたり一面糞をまき散らしている。衝撃的だ。それから、アタマジラミとケジラミの話。これは、山極・尾本対談本で読んで知っていた。その本の方が10年ほど後の出版だからきっと情報は新しいのだろうなあ。進化の話だって10年もすれば新たな知見が得られていることだろう。いずれにせよ、この2種類はどこかの時点で分かれた別の仲間。笑えるのは幼稚園からのお手紙で、幼児の間でケジラミがはやっているという。しかし、このケジラミは陰毛で繁殖する。幼稚園児に陰毛? まあ、普通の人?なら、アタマジラミとケジラミの区別なんかしないから仕方ないんだろう。でも、それはどの段階でヒトが裸になったか(頭と陰部の間に毛がなくなったか)ということが分かる証拠になるそうだから人類学的には非常に重要なことなんだろうな。そして、食人について。ネアンデルタール人は人の肉を食べていたというのをどこかで読んだことはあったが、最近までも、儀式的なものであっても人肉を食べる習慣は残っていたんだな。脂ののった脳も食べていたとか。うーん、どんな味がするのだろう。食べてみたいとは思えないけれど。