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戦争のプロは兵站を語り、戦争の素人は戦略を語る。という言葉さえあるらしい
兵站が戦争の仕事の十分の九を占めるという事実
。。。経営「戦略」を語ってるのも素人なんかな。プロだったら資金調達とかサプライチェーンマネジメントの話をするのかな(そういえばApple CEOティム・クックはたしか物流出身)
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RTSなどで補給が簡略化されている理由がわかった。
まじめにやったら操作の80%は補給関係に費やすことになる。
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兵站とは戦争のインフラである『補給戦』: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2013/05/post-8bf7.html
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* 兵站について学べた。
** 戦略 / 作戦 / 戦術 / 兵站 の違いについて理解したくて読んでみたが、その違いについては記述されていなかった。
* 翻訳書なのと、軍事史について予備知識がないため、かなり読みづらかった。実際、時間もかかった。
** とはいえ、兵站に関しては読めば概ね理解できる内容だった。地理とかルートとかその辺はイメージが沸かなった。
* 16 世紀以降のヨーロッパにおける戦争とその兵站に関する調査結果と考察が書かれており、戦争における兵站の占める割合の大きさについて理解することが出来た。
* 現地調達はずっと行われてきていたことも驚きだが、それが近現代では弾薬等は現地調達できないため、結果として現地調達を行わなくなったというのは、興味深かった。
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「兵站を熟慮した者が勝つ!」という結論ではないところが面白い。補給をテーマにした戦争研究は珍しい。他の職種の人にとっても学ぶべきこと多し。
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戦争における補給=兵站について取り扱った、マーチン・ファン・クレフェルトによる古典的著作。細かく数字を用いて戦役の展開に補給が与えた影響をつぶさに分析している。ただ、訳が控えめに言って下手くそなのが玉に瑕。原著通りヤードポンド法のままなのは仕方ないとして、それについての説明がないのは不親切。当該箇所を忘れたが、'Forty'と'Forteen'を間違えている(何度計算してもその数字にならなかった!)ようなところもあったと記憶している。原著を図書館でパラパラとめくったが、さほど難しい英語ではなかったので、難解な日本語と同じだけコストをかけて格闘するくらいなら、原著を読んだほうが得するかもしれない。原著は悪くない、いや良い。
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戦争において補給というのはとても大事である。その大事さを三十年戦争から第二次大戦までの事例を用いて的確に語りかけてくる本がこれである。この本を読むと、いかに河川交通が大事だったか、いかに馬という生き物が弱い生き物だったか、飼い葉が信じられないぐらいの戦略資源だったか、鉄道というのが初期においてどれぐらい使えなかったかなどがいやでも頭に入ってくるだろう。
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おそらく訳者の日本語能力の貧困さに起因すると思われる文章の読み辛さを除けば、非常に面白い本です。
他の方も指摘されていますが、この訳者はちょっと酷いです。
本文中に何度となく「領収書または現金で支払う」といった文章が現れるのですが、どこの世界に領収書で支払いをする馬鹿がいるのでしょうか?
想像するに、この訳者は「military payment certificate」という言葉を「軍用支払証明書」すなわち「領収書」と直訳したのではないでしょうか。
言うまでもなく「military payment certificate」とは、軍隊が占領地等で発行する紙幣、軍票のことを指す言葉であり、領収書ではありません。
しかし、仮に軍票という言葉を知らないにしろ、「領収書で支払う」などと自分で訳していて違和感を感じなかったのでしょうか?
馬鹿なのでしょうか?
せっかくの名著ですので、訳者を変えての新訳を期待します。
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・戦争での補給の重要性は良く指摘されるが、では実際にはどのように重要なのか、を時代ごと(16世紀〜第2次世界大戦)に解説。
《16世紀〜ナポレオン戦争》
・軍隊は純粋に、戦略/戦術の理由で活動できる訳ではなく、実際には糧食(人、馬)の都合で、合戦場所が決まる事が多かった。
・特に、馬は人の10倍もの食料(かいば)を必要とする為、本拠地から補給物資を輸送するという発想は非現実的だった。
・逆に、弾薬の消費量はそれほど多くなく、最初に携帯した弾薬数で足りる事が多かった。
・つまり、補給物資のほとんどは食料(人、馬)なので、現地で手に入る為、わざわざ本拠地から補給物資を輸送するより、現地で調達(=略奪)する方が(軍隊としては)合理的だった。(=近隣の住民には迷惑)
・時代が下るにつれ、軍隊の人数が増えて大規模化すると、補給の問題も大規模化した(特に騎兵の場合、馬は人間の10倍の食料を必要とする点に注意)。しかし、現地調達の伝統を改めなかった為(輸送技術の問題で、改められなかった?)、軍隊は一箇所に留まることが非常に困難になり(周囲の土地の食料を食べ尽くしてしまう)、常に移動しつづけなければならなかった。
→まるで飢えたイナゴの群れだ。
・補給食料の問題は非常に深刻で、行軍の進路についても、前回通ったルートは周囲の食料が枯渇している為、戦争の度に毎回異なるルートを通るほどだった。(ナポレオン)
・籠城する敵を攻める際も、過去に何回か攻められた城は、周囲が荒れ果て現地調達が難しいため、攻撃するのを躊躇するほどだった。
→攻撃側の方が、防御側より人数を多く揃える必要がある。しかし、攻撃側が人数を多くする(=有利な点)と、その分、食料も多く必要になる(=不利な点)というジレンマ。
《第1次世界大戦》
・弾薬など、食料以外の補給物資の消費量が劇的に増え、その結果、もはや補給物資を現地調達することは困難に。
・ようやく、本拠地、または補給基地から前線へ補給物資を輸送するという、現代人が思い浮かべる補給の形は、この時代のモノ。
・輸送手段として鉄道が登場。
・しかし、駅から前線の軍隊へは、相変わらず荷馬車しか輸送手段がなかった。
・また、鉄道は線路などへの破壊活動に弱かった。
・また、鉄道を効率的に運用するノウハウを持つ人材が乏しかった為、運行する列車の本数は少なかった。
・また、補給物資を送り出す駅ではどんどん送り出し、その結果、受け取り側の駅で補給物資は溢れ出して放置され、食料などは腐ってしまっていた。
・また、鉄道の有用性を理解出来ない将軍も多く、貨車を倉庫として使用していたりした。当然、列車の輸送本数は減る。
・結局、不足した補給物資を補うため、食料などは現地調達が行われていた。
《第2次世界大戦》
・輸送手段としてトラックが登場。しかし、台数が少なく、輸送の主役は相変わらず鉄道だった。つまり、鉄道輸送の欠点は、さほど改善されていなかった。
・機械化師団で有名なドイツでも、意外な事にモータリゼーショ���の普及率は低く(自動車の普及率は70人に1人)。なんとか台数を集めた結果、車種などはバラバラだった。当然、補修する際は、多種多様な交換部品必要が必要となる為、メンテナンス効率は悪かった。
→当時、世界で一番モータリゼーションが普及していたのはアメリカだった(自動車の普及率は10人に1人)。日本はとんでもない国に戦争をふっかけてしまったんだなー。
《引用》
・ヒンデンブルクの金言、「戦争では単純さのみが勝つ」
・もしこのような略奪の連続が遂に一九一四年の第一次世界大戦勃発とともに破れたとしたら、その原因は戦争が突然人間愛に満ちたものに変わったからではない。弾薬や他の戦争必需品(その中には初めて自動車燃料も入ってくる)の消費量が膨大にふえた結果、軍隊がその補給物資をもはや現地徴発することができなくなったからである。一八七〇年の普仏戦争の時になっても、弾薬は全補給必需品のうち取るに足らぬ比率を占めているにすぎなかったが、第一次世界大戦の最初の数力月で弾薬対他の補給品の比率は逆転、第二次世界大戦では食糧は全補給物資の八ないしニーバーセントを占めるにすぎなかった。新しい必要物資は、基地からの絶え間ない補充でまかなうしかなかった。そのために、今や停止中の軍隊を維持するのは比較的容易になり、急速に移動中の軍隊を維持するほうがほとんど不可能になった。このような概念の逆転を理解するのに若千時間がかかったのは驚くに当たらない。
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兵站術
軍隊を動かし、かつ軍隊に補給する実際的方法
指揮下の兵士に対して、それなくしては兵士として活動できない1日当たり3000キロカロリーを補給できるか否かの問題
16、17世紀のヨーロッパの軍隊は規模が増大
補給は河川を利用するほうが容易
食料を得るために絶えず移動し続けなければならない
水路の支配が重要
普仏戦争では鉄道はそれほど重要な役割を果たさなかった
第一次世界大戦のシュリーフェン計画でも現地挑発だった
第二次世界大戦のドイツ軍のソ連侵攻では、自動車化が進んでも鉄道の役割は依然大きかった。鉄道は電撃戦を支え得る柔軟な手段ではない。当時のドイツ軍がすべての資源を自動車化に集中したとしても、自動車輸送だけで対ソ戦を遂行できるとはいえない
ロンメルの北アフリカにおける戦いの問題は、港湾の能力不足とアフリカ内陸地域での輸送距離の長さ
歴史上、指揮官が政治状況や戦略状況の変化のため、理想的とされる数量及び種類に近い物資を用いて戦争を遂行することが不可能であった事実、そして、その事実によって指揮官に高い個人的資質が求められる。資質で重要な要素は決断力
結局、人間の知性だけが戦争を遂行する道具ではなく、さらには、戦争を理解する道具でもない事実を認めることが重要
リベラリズムの立場から戦争を論じる研究者
「戦争の変遷」
「軍事力の有用性」 『戦争の本質と軍事力の諸相』所収
ジョン・キーガン
「戦略の歴史」
「戦争と人間の歴史 人間はなぜ戦争をするのか?」
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《16-17世紀》
・補給とは現地調達であった。補給線という概念は無い。
・補給(略奪)のために移動しなければならなかった。
・河から遠い場所離れた場所を攻撃する事は困難であった。大砲などの重量物輸送は水上輸送が効率的だった。
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古本屋で見つけて読んでみた。欧州の有名戦争への理解が別の側面から深まった。ただ本としては意味の分からない箇所も多く、?マークを付けながらやっと読み終えた。補給、兵站が重要なのは当たり前だろうけど、多少の工夫のしようはあるものの、短期的には大抵どうしようもないということが分かった。
「プロシャでは、鉄道が軍事目的に役立つかもしれないという考えは、最初すべて反対された。」
「第一次大戦前、騎兵の大部隊を現地物資に依存して維持するのは危険だとの警告の声はあがっていたのだが、シュリーフェンもモルトケもこれを無視した。」
「イタリア軍最高司令部から補給方法を尋ねられた時、ロンメルは分からないと告白」
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[ 内容 ]
ナポレオン戦争から第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦に至るまでの代表的な戦闘を「補給」という観点から徹底的に分析。
補給の計画、実施、戦闘への影響を、弾薬、食糧等の具体的な数値と計算に基づいて説明し、補給こそが戦いの勝敗を決するということを初めて明快に論じた名著。
待望の復刊。
[ 目次 ]
序章 戦史家の怠慢
第1章 一六~一七世紀の略奪戦争
第2章 軍事の天才ナポレオンと補給
第3章 鉄道全盛時代のモルトケ戦略
第4章 壮大な計画と貧弱な輸送と
第5章 自動車時代とヒットラーの失敗
第6章 ロンメルは名将だったか
第7章 主計兵による戦争
第8章 知性だけがすべてではない
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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補給戦というと「失敗の本質」に取り上げられたインパール作戦が思い出される。連合軍の補給基地を攻略するというあまりにひどい作戦だが、この本を読んだ後ではまともに補給を計画してたとしても実行はほぼ無理だったのだと思える。ヨーロッパ戦線ですら補給が戦略を制限していたのだ。
この本で取り上げたのは17世紀の戦争に始まり、軍事の天才ナポレオン、鉄道を補給に使ったプロイセンのモルトケ、第一次大戦下のドイツ、トラック輸送を使ったナチス・ドイツ、砂漠の狐ロンメル、そしてノルマンディ上陸以降の連合軍だ。
ナポレオンの兵站制度に間しては「戦争論」のクラウゼヴィッツが誤解の根源だと言う。1805年の三帝会戦ではナポレオンの兵站の計画は充分なものだった。しかしナポレオンが主力の11万6千の兵のために25日以内に75万人分のビスケット・レーションを準備しろという要求は一ヶ月後にも半分しか準備できず、さらに30万食が後方で準備されたが作戦開始時には届かなかった。輸送隊の準備も全く間に合わず現実的には「大陸軍」の進路を分け現地で食料を徴発し、支払いはともかくそれは充分巧く機能した。弾薬の補給についても当時は使用量が極めて少ないためまったく問題なくナポレオンの意図して形ではなかったが組織は機能し補給は上手くいった様だ。一方で1812年のモスクワ敗戦は兵站の不足と冬将軍に負けたということになっている。ではナポレオンが兵站を軽視していたかというとそうではなく24日分の食料を準備し、戦争開始が6/24になったのも兵站上の理由だ。ナポレオン軍の最悪の不足状態は進撃最初の2週間におこり徐々に改善された。規律の守られた軍においては現に現地調達は巧く機能しナポレオン軍は住民に歓迎されたしモスクワに近づくほど土地は豊かになっている。ナポレオンは完全な兵站はできないことをわかっており、補給が完全に破綻する前にモスクワを攻略するという計画を立てた。それは必ずしも分の悪い賭けではなかったが。
普仏戦争のモルトケは補給に鉄道を活用したと評価されている。これは一部正しく、大部分では謝っている様だ。たしかに国内の最前線へ兵を集結させるには鉄道は圧倒的な威力を発揮したのだが最前線では結局馬車が輸送の中心だった。しかもこれは第一次大戦まで変わらない。馬車の何が問題化というと大量に必要な飼い葉だ。しかも一般の軍隊と輜重隊が一緒に移動すると輜重隊は後回しにされたりする。結局人間の食料を送ることさえ難しい軍隊では飼い葉はとても手に負えず、現地調達に頼ることになっていた。現地調達の場合移動していれば何とかなるのだが一旦同じ場所に留まり続けると食い尽くしてしまう。籠城といえば日本では鳥取の飢え殺しなど包囲された方が飢えるイメージだが、適地での包囲戦では調達が出来なければ包囲側も大変だったのだ。これは同じ道を大群が通る場合にも似た様なことが起こるので、大軍団は分散して進軍せざるを得ない。鉄道による後方からの補給に関しても駅での荷下ろし能力が不足すると汽車は倉庫になってしまい、先が詰まると結局輸送も思う様にならない。船の輸送の場合も港での荷下ろしがネックになっている。結局戦車軍団や騎馬軍団がいたとしても軍団全体としては輜重隊の行動能力、せいぜい1日15マイル程度に制限される。補給部隊の規模が大きくなればなるほどこの距離を達成するのは難しくなっていった。
トラックの時代になってもすぐに兵站が改善されたわけではなく、道が悪かったりするとタイヤの補給が問題になったりする。砂漠の狐ロンメルはもし補給が充分にあればイギリス軍をエジプトからたたき出すことが出来たというがこれはかなり怪しい。まず補給港トリポリの港湾能力が小さく、次にトリポリから前線までの距離は非常に離れている。地中海で輸送船が沈められたことよりもアフリカでの輸送そのものが当時の能力を超えるものだった様だ。ビルマの山奥のインパール作戦はどうやっても上手くいかない計画だったのだろう。唯一の可能性は地元民を味方につけて現地調達することしかなかった様に思える。
面白い研究なのだが原文のせいか翻訳のせいか少し読みにくい。それにしても飼い葉が戦略を規定してしまっていたとは知らなければなかなか想像できない。
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過去の戦争における兵站について書かれた書籍。戦争に関する多くの書籍ではその戦闘戦略に重点をおいて書かれますが、この本ではあえて兵站という側面から有名な戦争のいくつかを取り上げています。「昔はほとんどの食料が現地調達だったために、自ら攻める方向を決められなかった。停止していると大軍の補給が滞るから常に移動しなければならなかった。」などはこの本から初めて知りました。組織構築に応用できるといいな。