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ただの根拠のない推測
内容は主に子供のためのファンタジーのありかたを提言してゐる。
その結果、近年のファンタジーについていろいろ注文をつけることになり、たとへば創作中のグロや暴力にたいして、倫理的な非難に陥ってゐる。まあ、子供に過激なエログロを見せない(=ゾーニング)ほうが、教育上好ましいのは私も同意見だ。
しかし、では大人のためのファンタジーならどうか? 大人なら多少過激なものはあってもいいだらう。その視点が抜けてゐる。
また提言自体も、さまざまな著者好みのファンタジーを羅列紹介しながら、意見を好き勝手述べてゐるやうで、論理性に欠ける。
さらに致命的なのは、「アラジンと魔法のランプ」を「千一夜物語」の物語としたこと。最新の研究で「アラジン」に原典になく、ディアブによる創作だと判明してゐる。ファンタジー研究家が知らないのはまづい。