投稿元:
レビューを見る
こういう本、僕はホントに大好きです。勿論、世間一般的に傑作かどうかは分かりませんが、僕個人としては楽しく読ませていただきました。
海外からいらっしゃった方が書く『日本観』といえば、これは僕の偏見交じりですが、大抵は日本の古来からの文化とか伝統とか、そんなものが多いのではないのでしょうか?
あとは、海外の方の視点で見た、日本の外交。歴史問題や腰の低い外交とか、賛否両論の嵐の数々。どちらにしても、何となく『ありきたり』という感じはしますが。
しかし、Michael Pronko氏のエッセイは、そんなありきたりな日本観とは想像もつかないところを題材にしています。『今』の、且つ『日常』を描いた『東京』。
ただ単純に東京を誉めそやすわけでもなく、痛烈に批判するわけでもなく。彼の目で見たもの耳で聞いたもの、五感で感じ取ったもの全てを詰めたエッセイです。
平日の仕事をしている時、僕は、殆ど東京の様相を見ることがありません。言い訳に聞こえるかもしれませんが、そんな余裕もありません。
でもそれは、『見知っているから』という殆ど根拠も無い感覚で、東京の情報を切り捨てているからにすぎないんだな、と、考えています。
だから、休日、ほんのフラッと東京を散歩してみると、意外なところに意外なものが発見したり、というのはしばしば。知っているようでいて、実は知らない東京。正にミステリアス・トーキョー(謎)。
また、僕もMichael Pronko氏と同じように、変わり行く東京が好きです。よく、電車の車窓から見える大掛かりな工事を見るとわくわくします。翌日、またその翌日と、日に日に進化し続けるところを見るのがたまらなく好きです。
見慣れているはずなのに、実は見慣れていないところが多い東京。
もっともっと、自分の観察眼を広げて、何気ないところに宝石が隠されているかもしれない、そんな気持ちで歩いていきたい、そんな気にさせられる本です。
投稿元:
レビューを見る
「東京なんてさ…狭いし、汚いし、空気が悪いし」という心に、やさしく、そして控えめに主張。このタイトルからして絶妙です。
投稿元:
レビューを見る
海外に行くと、日本の良さがよ〜くわかります。交通料金が安ければ、日本に観光客を沢山呼ぶ事が出来るはず^^
この本をよんで、益々思いました。
投稿元:
レビューを見る
なかなか面白い本でした。
東京の生活を、アメリカ人哲学者が論じるとこういうことになるのか…と。
一番楽しかったのは、つり革のつかまり方に関する章。
日本人のつり革につかまる様を、ユーモラスに描いた章です。
これは面白かった。
投稿元:
レビューを見る
サブタイトルが 「アメリカ人哲学者が日本に魅せられる理由」。で、原題が "Beauty and Chaos, Slices and Morsels of Tokyo Life"
なのに日本語タイトルはあんなことに。謎です。
ニューズウィーク日本版や、インターネットのニュースサイト用に書かれた東京暮らしに関するコラムと、この単行本用に書き下ろされたエッセイ数本とで構成。書き下ろされた一本には、なよって "日本びいき" と思われるのも嫌だし、批判ぽくなりすぎて "日本たたき" と思われるのも嫌だ、そのバランスがむずかしいのだ、と語っているのに、このタイトルは失礼じゃないのだろうか?!っと頭をひねることしばし。
内容は、日本人だから当たり前と思っているこんなこともヨソの国からやって来た人には新鮮だったり驚きだったりするのね、へーなるほど、という、小さなへーがちょこちょこあり、普通に楽しい本でした。
投稿元:
レビューを見る
東京に住んで11年というアメリカ人哲学者(?)からみた、トーキョーという町に関するエッセイ。
東京に生まれ育ってきましたが、やはり外国の人から見ると奇異に映る”常識”が多いことに気づかされます。
とくにおもしろかったのは、花見について語った以下の一節。
「1年に二、三週間だけ、東京人は規則正しい角度で地図に押し込められた毎日から脇にそれて、友人ゆあ同僚や家族と桜のそばを歩き、気を囲んで座る。」
あとは、紙袋について書かれた以下の一文。
「街のいたるところでみかけるむすうの紙袋は、巨大な動くアートとなり、東京の風景の一部となっている。どの家庭もみせでもらう紙袋を大切に保存していて、幾度も繰り返し使うのだ。有名店の紙袋を手に、誇らしげに街を闊歩する。」
投稿元:
レビューを見る
決してすごい親日家が書いたという訳ではないのが気に入った。
当たり前の景色が、他のひとの思考ごしに見えるような感覚。
というか、そんなに日本てピンクが多様されているのか…
投稿元:
レビューを見る
ニューズウィークの著者のコラムが好きで、単行本が出ていたのを知り、購入。まとめて読めるはとてもうれしい。
日本人が気づかない日本人の癖、よいところ悪いところも含めての特徴、考え方や感じ方、日本文化の個々の具体例などなど、を教えてくれる。
そういう意味ではよくあるタイプの本でもあるのだが、日本人が書いているかのごとく、日本人のハートやマインドを深く理解した視点であったり、かつ哲学的な示唆も含めて書かれていることもあったりして、思わずウナってしまうことがある。
かと思えば、他愛のない話で終わることもある。
しかし、そんな読み応えの差があることこそが、この本が魅力的な点で、つまり、力を入れすぎずに気楽に読めるという秘密の源泉になっている、と思う。
そういうところが好きだなあ。こういう文章が書けたら、どんなに知的興奮を得つつ楽しく人生を送れるのだろうか、とうらやましく思える。
そうそう、言い忘れましたが、翻訳者も相当すごいんだろう、と思います。
投稿元:
レビューを見る
ニューズ・ウィーク日本版で連載記事を書いているのでご存知の方もいるかもしれませんが、明治学院大学教授でアメリカ文学・文化・映画額を教えている。この本は2006年に発行されたものだが、日本に関する様々なことが一味違った視点で描かれていて面白かった。
外国人でなくとも東京に住んだことのない人にとって東京の地下鉄は複雑だ。東京メトロと都営線があるが、駅の表示を見るといろいろな色で路線ごとに色分けがされている。一目で見て目的の路線を探すのは一苦労だ。
著者にとって「東京は迷路だ」と書いている。東京の迷路は道、建物などあらゆるものが迷路に見えるとある。このような迷路ジャングルに住んでいると「独特の東京的思考が生まれる。忍耐強い受容の精神だ」とある。好むと好まざるとにかかわらずそうなってしまうのかな。
「エスカレーターで夢の国へ」を見て、最近話題になっている「マイルドヤンキ―」に関する本を思い出した。マイルドヤンキーとは、上昇志向を持たず、東京に出て一旗揚げるぞという鼻息の荒いことを好まず、地元でずっと暮らして近くのイオンが夢の場所という思考の持ち主のことを言うそうだ。イオンが夢の国とはなんだかなあ。それにヤンキ―にマイルドがつくのか。ヤンキーにハードもマイルドもあるのかなと首をかしげたくなる。
著者の言う夢の国は、いろいろな光景を観察出来てしかもエレベーターよりも愉快で、「あの密閉された小部屋に比べたら、ディズニーランドとでもいえそうだ」とある。ディスニーランドはちょっと大げさな表現に感じた。さすがはアメリカ人だ。何でもビッグが大好きなだけある。
他にも思いもつかない視点で書いているのでなかなか面白くて一気に読み終えた。
ニューズ・ウィーク日本語版のサイト
http://www.newsweekjapan.jp/tagsearch/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B3
投稿元:
レビューを見る
外国人から見た東京が素朴に書かれた本、こうゆう本ってありそうでなかった。 東京は注意書きが多すぎ!って指摘してるのだけど、まさにそのとおりだ...日本人の僕も「なんだかねぇー...」ってたまに思う。