紙の本
真実を知ろうとすればするほど、現実を受け入れなければならない
2007/05/01 10:56
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:六等星 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「自分の出生の秘密を知らない」という現実に気がついてしまった主人公の少女は、非常に大事なことを知らない自分に、自己確認の危機を感じる。そして、知ろうとする感情、知りたいという欲求から、行動を起こす。
少女にとっては純粋な気持ちからでたその行動は、しかしその結果において、傷つく人々をも出してしまうことになる。そして最後には、傷ついた人も、意図せずに傷つけてしまった少女本人も、ともに「全てを受け入れる」ことを学ぶ。
人は真実を知ろうとすればするほど、現実を受け入れる局面に足を踏み入れる。その、現実を乗り越える過程でのみ、人は成長するのである。
投稿元:
レビューを見る
知的障害のある母と外出できない隣人のおばさんの愛を受けながら育った少女ハイディの物語です。
12歳のハイディには母の言える23の言葉を理解出来るのだけど、たった一つだけ分からない言葉があります。その言葉と古い写真をきっかけに、ハイディは自分のルーツを知るため、旅立ちます。
愛に満ちあふれた優しい作品。だけど読んでいると切なく、主人公のハイディの気持ちに共感する部分がたくさんありました。
ハイディの子供ながらの思いや考えが、私もそうだったなと思わせてくれます。
読みやすくスラスラと読めます。
おすすめです。
投稿元:
レビューを見る
少女が旅を通して大人になっていく話。知的障害の母を持つ主人公ハイディが、母親のことをもっと知りたいと旅に出る。旅先で知らされるあまりに悲しい現実。そして泣きながら現実を受け入れるハイディ。ああ、人はこうやって大人になっていくんだよなぁ、としみじみしてしまった。
Y.A.小説や児童文学は、子供向けといいつつも奥が深くてあなどれないところがあるが、この本もそんな一冊。人生のエッセンスが詰まっている。
投稿元:
レビューを見る
世の中、不条理なことってあるものです。
知りたい、を優先させてしまって、ハイディは本当に大切なものを失ってしまいます。けれど、得たものはありましたし、それに、物事を知らなかったハイディは色々なことを知ることが出来た。ハッピーエンドとはいえないけれど・・・よかったです!!
投稿元:
レビューを見る
自分自身のことのように思いながら読みました。どうしても知りたい事というのは誰にでもあると思うし、それを求める事は絶対におかしいことではないと思う。最後にはハッピーエンドで本当に良かったです。
投稿元:
レビューを見る
脳に障害をもつ母と、隣人の愛に支えられて育ったハイディには、父も、正確な誕生日もわからなかった。12歳のある日、ハイディは、母の話せる23の言葉のうち、ただ一つわからない言葉“Soof”の謎を解くために、自分のルーツを探す旅へと出発する。
投稿元:
レビューを見る
ずっと気になっていた作品。
ジョディ・フォスターの映画『ネル』みたいなミステリアスな世界を
期待していたけど、それとはまた違って。
人生の真理、を描きながらもどこかファンタジー。
不思議な味わいのある大人の童話。
投稿元:
レビューを見る
障害を持つ母親の言葉を頼りに自分の出生を求めて旅をする 少女の物語。ヒネリはないけど惹きつける内容で一気読み。
投稿元:
レビューを見る
物語の始まりや、設定はすごくよくて、始めからスッと入り込めた。これからどうなっていくんだろう。この親子の身元は一体分かるのか。始めの部分は本当に大好きだったけど、終わりの部分は自分の好みじゃなかったかも。。。
それでも、ハイディの感じ方や、ものの見方は大好き。ハイディはとっても強く、頭のいい子。私もハイディみたいになれたらなぁ。
投稿元:
レビューを見る
切なく 決して軽いテーマとは言えないが、次のページを読みたくなる面白い本。展開の巧妙さと、親しみやすい十二歳の少女に共感を覚える。本棚に揃えておきたい本。
投稿元:
レビューを見る
まだ12歳の女の子なのに、真実を探しに旅に出る話。
ロイに抱っこされ、父親を知らない彼女にとっては不思議な安心感があったのかなあと・・・
すごく切なくって、とても話に引き込まれた