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今までの池井戸潤とはまたちょっと変わったテイスト。
主人公が現在と過去を行き来するという非現実的な話ですが、実際に起こっている事件自体は、お父さんが経験した現実。
戦後の高度成長期?の話ということでより非現実っぽい感じでしたが
物語はリアルですごく楽しめました。
読み進めていく上でお父さんがどうなるのか心配で心配で、下巻の最後は涙が止まりませんでした。
良い作品です。
銀行絡みが苦手、という友人にはこれから進めたい!と思います。
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「平凡な家庭でいいから、可奈に築いてほしいと思うの」そう語った鏡子の言葉にすべてが凝縮されているのではないでしょうか。
小さな幸せを願う人々からそれを奪うのは、いつだって金と欲にまみれた世界の人間です。
倒産寸前の相馬運送を立て直そうと奮闘する大間木史郎もまた、闇にからめとられた人間たちに巻き込まれ、事件の渦中の人となる。
その軌跡を父の死後に辿る息子は、ボンネットトラック・BT21に導かれるように、寡黙な父の秘密に迫る。
読み終えた後、高度経済成長期から現在を駆け抜けたグリーンのボンネットトラックの姿が脳裏を離れなくなります。
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上巻はなかなか乗れなかったが、下巻でフルスピード出して読みました。途轍もなく暗い話です。光の射す場所を探してもがく。苦しんで苦しんで見つけた救いはほんの一条。ですが確かに明るくて暖かい。
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結論は突然やってきた。闇。ハッピーエンドとは言えない。大間木親子が時代を超えて出会った。しかしそれは一方的なものだった。キーを握ったり制服を着ればすぐ行けちゃうんだと思った。失敗とか条件とかはそんな細かくない。解説を読むとここまで考えて本や著者の背景まで知り、理解できれば読書がより面白くなるだろうなと思う。
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父親の人生を垣間見るという体験を通じて自分探しをするという物語で若干現実感から大きく離れた印象が拭えなかったが、どんどん惹きこまれてしまった。
あり得ないくらい人が死んでしまうが、父親がその現実を一人で受け止めて乗り越えて来られたのだと思うとぐっときた。
でも詳細までではなくとも母親も共有していて、気持ちで理解して思いを引き継がれていた事も素晴らしい。
BTという言葉に込められた思いが伝わる作品です。
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文庫本で上下巻に分かれた長編作品ですが、
主人公の意識が過去と現代を行き来するという不思議な設定の物語です。
過労によって精神を病み、
数年に及ぶ闘病からようやく回復した大間木琢磨。
闘病中に妻も財産も失った琢磨が、
押入れの奥にしまってあった亡き父親の制服に袖を通すと、
目の前に広がったのは40年前の風景だった。
父親である史郎が若い頃に体験した運送会社での新事業開発や、
倒産しかけた会社の経理担当として奮闘する熱い仕事ぶりなど、
琢磨の記憶にある父親とはかけ離れた姿や成り行きが明らかになって行く。
しかし、倒産しかけた運送会社をなんとか立ち直らせようと頑張る父・史郎に対して、
次々と暗い影が押し寄せて来る。
呪われたボンネットトラックBT21号の運転手四人が次々と殺され、
史郎が再建をかけて精魂を注いだ新事業も様々な出来事で立ち行かなくなって来る。
昭和の世代を必死で生き抜いて来た父親と、
仕事で精神をすり減らせながら喘いでいる息子との時空を超えた絆が深まって行く。
著者が銀行出身者だということもあって、
今まで読んだ作品は「銀行」が舞台となったものが多く、
融資に関する意外な内情や出世レースといったものが題材として取り扱われていました。
今回読んだこの本も主人公の父親が運送会社の経理を担当しており、
新規事業を立ち上げるために主力銀行へ融資を依頼するシーンが登場します。
この時に銀行の融資係として対応した男性が、
その後物語の鍵を握ることにもなりますが、
このあたりはさすがに池井戸作品ならではだなと感じました。
しかし、それ以上に謎解きや推理を含んだストーリー展開が絶妙で、
昭和30年代の東京を舞台に繰り広げられる様々な出来事は、
ストーリーに深く結びついているボンネットトラックとともに次々と現れます。
昭和30年代生まれの私には懐かしい雰囲気をかもし出していました。
主人公が激務によって精神を病んでしまったあたりは現代の風潮を思い浮かべますし、
主人公の父親が奮闘する姿は高度成長期の影となった人々をほうふつとさせていて、
まだまだ戦争の影が残っていた昭和の時代を思い浮かべました。
いつもながら池井戸さんの作品で描かれている人物は個性的ですが、
ただ単に「良い人」「悪い人」という区別ではなく、
人はそれぞれ良い面と悪い面とを併せ持ったものなんだということを感じさせられます。
そういう”人間臭さ”が漂う登場人物が多いのも、
私が池井戸作品を次々と読み漁ってしまう要因のひとつなのかなと思います。
読み終わた時に親子の絆を感じながらも、
人間の心の怖さや悲しさや哀れみをも感じてしまう作品でした。
じっくりと読み応えのある小説をお探しの方にオススメです。
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2013/01/15-01/27
この一年で最高のお勧め本。
親子、恋人、夫婦とすべての車好きに読んでいただきたい。「愛おしい」の意味を再確認していただけます。
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父と息子の視点の切り替わりが若干鬱陶しい処もありましたが、そこがこの作品の魅力の一つなのでしょう。よく考えれば相当荒唐無稽な展開なのですが、高度成長期の日本を底辺で支えた運送会社等の雰囲気がよく表現されていて、そういった点は流石です。
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父の真剣な思い。今とは違う過去。
BT63というトラックが見せてくれた夢。父が守ろうとした愛しい人。
どんなに苦しくても守ろうとして、自分が犠牲になっても。。。
と、後半は、息をつく間もなく、とんとんと進んでいった。
とっっても楽しい本でした。
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清々しいファンタジー、特に帰りの(ちょっと疲れた)通勤電車の中で読むのに適している。
ラストの締め方などは良質なエンターテインメントの典型と言って差し支えない、予想以上の出来でした。
よくよく考えればこの作家、サラリーパーソンの冒険譚で有名な訳だから、こういった匂いを描き出すのは得意なんだろうな。
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池井戸潤のBT後編。息子と父の物語が交錯する中で、次第に、お父さんの物語に引き込まれていく。昭和30年台の時代の流れの中で、愛する人のために必死に生きた男性の物語。父の感情に浸るたびに、泣きそうになる。
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上巻のレビューでも書きましたが、やっぱり、ちょっと詰め込みすぎ感は感じてしまったかなあ。新規事業の隆盛についてや、琢磨の元妻への想いなどもっと書き込んでほしいところがいくつかあったのですが、ページ数的な制約があったのか、ちょっと物足りなさがありました。
でもやっぱり池井戸作品は熱い! 愛する人のため苦悩し奔走に奔走を重ねる史郎の活躍にハラハラしっぱなしでした。言い方は悪いかもしれないですが、等身大の特別なところがあるわけでもない普通の男の史郎を、これだけ熱く見せることができて、しかもそれをしらけさせないように読者に読ませるってかなりすごいことだと思います。
そして琢磨が徐々に自分の父の真の姿を知っていく姿もいいなあ、と思います。琢磨自身過去へトリップする前は父のことを感情の見せない不器用な男、と評していたのですが、その彼が過去の父の姿から何かを学び、そして自分を取り戻していく姿は、父と子の切っても切れない絆、そして思いを感じさせてくれました。
また過去と現在を同時に描くことによって、見事に切なさと温かさ、そして未来への希望を同時に描いてくれた作品にもなっていました。
なんとなく思ったことですが、有川浩さんの男性キャラはまさにキャラ萌えという感じですが、池井戸さんに出てくるおじさんたちは人間萌えという感じがします(泥臭くて人間臭い、それがカッコいいというか……)
池井戸さんが直木賞を取った直後、池井戸作品の全ての帯に「がんばれサラリーマン!」と書かれていて少し可笑しかった記憶があるのですが、こうして等身大の働く男の熱い姿を書かれているのを読むと、あの帯の言葉も一つの真理だなあ、と思います。池井戸さんのおじさんの主人公が熱い小説は、働いている人たちへの(もっと言えばおじさんたちへの)ために書かれた人生の第二期の青春小説だなあ、という感じがします。こういうことを二十歳になったばかりの自分が書くのもどうなんだ、という感じがしないでもないですが(苦笑)
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ドラマ「半沢直樹」で今話題沸騰の直木賞作家『池井戸潤』さんが描く、一風変わった社会派エンターテインメントミステリーの下巻です。
上巻の勢いそのままに、呪われたトラック『BT21』を巡る時空を超えた親子の物語は、さらに過酷さを極めていきます。
この作品の魅力の一つに、主人公の脇を固める登場人物たちの際立った個性があげられると思います。特に悪役である成沢と猫寅の不気味さは、読んでいて寒気がするほどでした。もうちょっとしたホラーです。もし実写化されたら誰が演じるんだろう。。『俺たちバブル・・』シリーズ(半沢直樹の原作本)のように、スカッとする展開ではありませんが、読んで損はない作品だと思いました。
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池井戸潤さんと言えば「半沢直樹」を思い浮かべる方が多いだろうが、私は、このBT'63こそ、池井戸さんの代表作なのではないか?と思った(現時点で『果つる底なき』を読んでいないので、無責任な意見ではあるが)。
半沢直樹を書いている池井戸さんは、ダイヤモンド社や読者を喜ばそうとしているけれども、本当に書きたいのは、このBT'63のような物語なのではないか?と思った。
この物語は、大人のための冒険小説である。池井戸さんは、登場人物の生きざまを通じて、自分自身に、読者に、答えのない問いを突きつけているような気がする。
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うーん。
期待したのと、ちょっと違った。
これはこれで悪くも無いけど。全体的にちょっと無駄?に膨らませ過ぎている印象を受ける。
様々なジャンルの話を融合させて、結果薄い内容になってる感も否めない。そのせいか、途中少し飽きてきたり、全体に読み難い印象に感じた作品。
必然性に欠ける部分も目立ち、何だか腑に落ちない箇所多数。
長い割に消化不良な印象の作品となった。