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上巻レビューからの続きです。
上巻が起承転結の「起承」ならば、下巻は見事な「転結」
を魅せる。主人公の身に起こった超常現象にちゃんと意味が
あることがハッキリしてくるし、彼に巻き込まれた周囲の
人びとが皆魅力的になっていく。
そして過去パートで苦悩を強いられる父親の姿が、あまりに
印象的。やや古い時代の話にもかかわらず、感情移入度が
圧倒的に高い。「これが人生っていうやつか」という台詞、
かなりグッと来ました。
作者お得意の金融ミステリー部分に関しては若干稀薄な感
こそあるものの、やはり(かつての)銀行員が、重要な
キーマンとして登場する。そこらへんで読者の期待を裏切
らないところがニクい。
上下巻を併せるとかなりの長編。
しかし、池井戸ファンだけでなくファンタジー好きや
ミステリーマニアも、かなり手応えを感じられる作品だと
思う。
そして、タイトルのBT’63の意味を考えるのも楽しい。
最初はちょっとグニャっとするが、読了する頃には
ちゃんと意味が解る筈。読後感、かなり爽やか。
良いです、コレ。
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次々と死んでいくトラック運転手達。
いよいよ、その魔の手は史郎と鏡子にまで及ぶ。
史郎と鏡子の結末、そして、琢磨は父の足跡を最後まで追うことができるのか?
全700P超に及ぶ物語が終わった。終わり方も良かったと思う。
戦う父の姿に終始感動する内容。
銀行ネタではないからと思わず、是非とも手に取って読んで欲しい1冊。
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下巻はあっと言う間に読んでしまった。自分の父の体験を夢で見るように、現実と夢が交差する。池井戸潤にしてはファンタジーなお話。次々と邪魔な者が死んで、最後は自分の身にまで悪が忍び寄る。この描写力は作者ならではだと思う。
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1963年、まだまだ日本が豊かになっていない時代、陰の印象が強い時代、そんな時代になおかつ陰多いストーリー展開にも関わらず、読む終わった後には受ける陽の印象は、池井戸氏ならでは。
そういえば、子どもの頃、街中で募金箱を持ち立っていた白装束の傷痍軍人を見かけ、何だか無性に違和感というか妙な感覚を覚えたのを思い出す。ボンネット・トラックも、ボンネット・バスも、まだ昭和40年代には田舎で走っていたような・・・・。なと思いつつ、読破。
昭和38年=1963年とは、そんな遠い昔の話ではない・・・。
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過去と現在の話が交錯する構成で面白い。闇はどこまでも残忍で薄気味悪かった。ありえない設定だけど、過去の時間にトリップすることで、様々な光をみいだすことが出来てよかった。
[2014.02]
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序盤で父、史郎の運命を息子の琢磨が変える設定はなんだったのか?響子が残酷過ぎる目に合わなければならない必然性は?琢磨の元妻が騙されたという設定必要だったの?(探求のきっかけにしては琢磨の行動とは関係なくあっさり決着がつくし)あまり思い入れの無さそうな宅配の制服が父とのきっかけになるのはなぜ?悪党、成沢の死の描写はなんで削られてるの?運送会社の破綻のプロセスがスッキリしない、社長と権藤の無能っぷりで倒産したのに史郎の苦労が報われていない、なんで表題がBT21じゃなくて年代を表す❜63なのか?等、疑問符が沢山ですが、父と息子の絆、母子の絆の物語にのめり込めました。最後までどんでん返しの爽快なラストがないか期待したのもあるけど…。
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池井戸さんにしては爽快感はないです。
過去へのタイムスリップという設定が非現実すぎて、なかなか世界に入り込めず。過去と現在の行き来しますが、ファンタジー要素はないです。
父の真実を追う息子。過去の父・史郎に次々に襲いかかる苦難に緊張感が漂い続け、息苦しくなりました。お父さん、波瀾万丈すぎです。
東京オリンピック直前の活気ある時代なのに、その活気の波に乗れていない運送会社。労働者たちの汗や煙草の匂いが伝わってくるような混沌とした昭和の情景、薄気味悪い闇の世界の登場人物、たくさんの人が死にゆく描写など、、、読むのが少々しんどかったです。
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ついに下巻に突入!
いよいよ謎が明かされるかと期待して読み進めれば、謎がさらに新たな謎を呼ぶ展開。続きが気になって気になって、そろそろジムに行く時間なのに途中でやめられません…。
ってことで、ジムにまで持って来てしまいました。バイクに乗りながら続きを読みます。
無心になって読み続けます。実はバイクを漕ぎながら本を読むのには慣れてます。
バイクに乗ってかれこれ1時間。気がつけば、もはや汗なのか涙なのか何だかよく分からない大量の液体を流しながらエンディングを迎えていました。
途中までずっと気になっていた謎解きとかそういうことはどうでもよくなり、深い悲しみと胸の痛み、そして喜びと感動に同時に包まれるという不思議な体験をしました。
バイクの上で、汗まみれになりながら(笑)
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父親の真っ直ぐなところは好き。
不器用ながら、次々と起こる困難に対して真剣に向き合ってなんとかしようとするとこ。
最後もなんだかんだ未来へ進もうというハッピーエンドで終わってる?
ただちょっと人が死にすぎだね。ちょっと暗い感じになる。
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今を時めく池井戸順の初期の作品。らしからぬ作品であるが、読ませるはある。文章力、登場人物の描き方、ストーリー展開等素晴らしい。
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上巻を読み終えて、ドキドキしすぎてなかなか下巻を手にとれず。ちょっと読んでは置く、を繰り返す。
一人の男性の誠実な生き様が時間を越えて息子を前進させていく。呪いのBTだったのに、最後には幸せを運んできたよう。
とにかく安堵の読後。
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無職の主人公がてに入れたトラックのキーで過去の父の姿をみる。現代と過去の父が主人公として入れ替わり話み今は亡き父の謎に迫る。
過去にタイムスリップする話だが直接的にはあまり意味がない。日記を見つけて過去を知るでも十分な印象。
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銀行モノが得意な池井戸作品らしく、桜庭という銀行員を登場させているものの、意味深なトラックBT21を追い続ける設定には無理を感じた。今までの池井戸作品と比べると異色な小説。
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次の進展はどうなるか。そんな期待で終わる上巻からの続きでスタート。物語が進むうちに、謎と意外な真相が明らかになりつつ、その後の終結は感動へ。上下巻の長編であるが、それに相応しい読み応えのある一冊。
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ストーリーの細かいことはともかく、父、史郎の生き様と自分を比して、俺は真っ直ぐか? と問いただしてしまった。
池井戸さんの金融絡みの話は飽きてきていたから
、極めて新鮮。またこんな作品が読みたい。
余談だが、装丁がスティーブン・キングみたいでニヤリ。内容とピッタリ( ^ω^ )