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手頃な短編を探して偶然手にとったまま、一気に読破。
独特の世界観にひきずりこまれるようでした。
少女・七竈の美しい容姿と固い口調のアンバランスさがなんとも言えない個性となって彼女を彩っている。
寄り添うのは似通った容姿の雪風少年。
惹かれてやまず、けれど別れ行く。人生そのもののような別離を乗り越える姿が鮮明に浮かび上がる。辻斬りのような男遊びの挙句に生を受けた七竈。まっすぐに背筋を伸ばして歩く姿は痛々しいほど綺麗。
哀しさの持つ美しさを集めたような一冊。
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2007.6.1
思っていた以上にやわらかい世界観とラストの切なさのバランスにずっぽりはまります。
「後輩」ちゃんもいい。
2009.6.10
少年と少女の、お互いがお互いを失ってしまう過程が切なくて透明でやはり心に残る。
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暖かくて切なくて、綺麗な風景に綺麗な人達。
凄く読みやすくて、あっという間に読み終わりました。
レトロな雰囲気がとても好みです。
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「男たちなど滅びてしまえ。吹け、滅びの風。」
七竈ちゃんと雪風君の二人が物凄く好きです。切ないの求める人はこれいってみ。
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繊細で、儚い。一方で近寄りがたいほどの孤独さ、強さ、頑固さを感じる小説。言葉遣いが独特。美しさを感じる。女の子が好きそうな小説。
今七人の可愛そうな大人を数えてみたけれど、どうしても1人浮かばない。誰だっけ?
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図書館
文庫落ちしたら買うかも。
後輩が好きです。
母に共感しながらも、普通をかみ締めて生きていく未来を感じました
2007/06/26
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ああっやられた・・・!久々にうちのめされた。結局は母と娘の話だったんじゃないかと思います。この人は少女を書くのがばつぐんに上手い。
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よいこは読んではいけません。
こういうの好き っていうのはちょっとお恥ずかしい。けど、やっぱり好き。タイトルはどこかグリムでしょう。そして私のツボを刺激する。最近やたらと「泣き」をウリにした本があるけど、安直な泣きにはこちとらそうやすやすとはまりません。けれどこういうツボを突かれると弱いわあ。 やっぱり、よいこは読んではいけません。大人な私は★5つ
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北海道、旭川市に住むとても綺麗な少女と男の子の話。文体に特徴があって、一昔前の話を読んでいるような気になりました。つまるところは、少女と彼女の母親の話が中心になるのでしょう。母が自分の娘にコンプレックスを持っている場合、こんなにも関係は難しくなってしまうんだなあと思いました。(2007/7/4読了)
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▼古めな言葉遣いで喋る七竈萌え。……いっつもそれかよ。でも、それ以上ピンポイントに言いたいことはなかったりなんかして。▼地方都市に暮らす美しい少女の成長と別れの物語。タイトル通り、七竈を中心に滅びの台風が吹いて、七人の大人が振り回される。でも七竈自身はぼうっとしている。▼中盤で、七竈の知らないところで修羅場フラグが立ち、七竈の知らないところでひとりでにフラグが潰れたのを見て笑った。▼ちょっと『きみぼく』風かもしれない。▼装丁が気に入ったら手にとって損はしないと思います。読了後の、風がさあっと吹いたような余韻が一番気持ちいい。
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『Sweet Blue Age』に収録されていた短編「辻斬りのように」から始まる物語。なるほど。中途半端に終わっていると思っていたら、ここに繋がるのか。
美しい故に目立ち、その生い立ちゆえに孤独な少女・七竃。特に大きな事件はないものの、少女は成長し、母と少しずつ向き合ってゆく。静かな静かな物語。
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表紙とタイトルに一目惚れ。なんて信念のある文章だろう。単なる言葉に過ぎなかったものが、意味をひとつ与えられるたびに色を変えていく。
年をとれてしまった大人と、これから年をとらなくちゃいけない少年少女たちの旅の話。
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圧倒的に美しい。「おれは犬です」にやられたのもあるが。地方都市と箱庭と、少女と鉄道模型。ライトな文体が苦手でないなら是非。
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誰にも似ていないようで、どこかで読んだことのあるような、不思議な文章だった。物語としては乱暴な設定で(淫乱な母!)、驚くのだけれど、読み進むうちにその違和感は消えていく。雪の白、鉄道の黒というモノクロの世界の中に七竈の赤が妙にはえて、映像を思い浮かばせる作品世界。さらに、七竈はその実が固すぎて、ただ枝になったまま朽ち果てる、しかも白い雪の重みに押しつぶされ…というなんとも象徴的な文章もとってもよかった。これは桜庭フリークになりそうな予感。
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たいへん遺憾ながら、まことにおもしろい。すこし、悔しい。ブルースカイが例外的な一作だったのだろう。変遷の過程の寄り道を見せ付けられたときは腹立たしかったが結局ここに行き着くならば何も言いますまい。森見調の語り口が心地よい。あちらは京都で、こちらは東北だが。がたたん、ごととん、鉄道に沿い、どこへゆく。ああなんと儚くも、儚いからこそ、美しい動くということ、変化をともなうこと。冒頭の母君の独白はSweet Blue Ageで読んでいたのですよ。あれは、夜は短し歩けよ乙女も収録されていたしすばらしいアンソロだったのだなぁ、今思えば。