紙の本
子どものまま、大人になった子どもたちへ
2010/03/25 19:10
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジャック・プレヴェールの詩と奈良美智の絵と
高畑勲の訳。
豪華なコラボで贅沢につくられた本。
高畑さんがあとがきで次のように書いている。
「平凡な日常に子どもらしい幻想をもちこんで、
私たちを生きやすくしてくれる素敵な呪文のような詩を
たくさん残してくれました。私自身、この歳まで
プレヴェールの詩によってどれだけ助けられたかわかりません」
プレヴェールは詩人であるともに脚本家でもあり、
また彼の詩からは数々のシャンソンの
名曲が生まれた。そして、
「子どものまま大人になった子ども」のひとりであった。
無垢、残酷、まっすぐ、夢見がち、直感的。
子どもの持つ天性のようなものが
ここにすべてあり、
それらは大人の包容力にくるまれている。
たくさんの珠玉の詩の中から、ぜひ一篇を引用したいところだが
迷いすぎてしまい、選び出せなかった。
パワーをもらえそうな生命賛歌から、せつない恋のうた、
悲しみに寄り添ってくれる哀愁たっぷりの詩まで
レパートリーは幅広い。
散りばめられている言葉の美しさ、可愛らしさに
ぐっと心を掴まれる。
ジャズの定番「枯葉」のレコード(あえてレコードといいたい)
と、ミルクたっぷりのコーヒーがお似合いの一冊。
じわじわ、来ますよ。
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フランスの詩人、ジャック・プレヴェールの詩を高畑勲が翻訳し、奈良美智が絵をつけたもの。読んでもよし、眺めてもよし。オールカラーで3000円は安い!
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去年の一番きれいだった時、よく抱きしめてもっていた本。AtoZ行ったりしたからかな。
表紙の子が一番いい。
この空気、思い出してね。
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ジャック・プレヴェールの詩集。
編・訳は高畑勲さん、絵は奈良美智さん。
どれも美しい詩で、「夜のパリ」「美術学校」「日曜日」「お祭り」「猫と小鳥」「絶望がベンチにすわっている」「鳥の肖像を描くには」「庭園」などが特に好きです。
奈良さんの不機嫌そうにも泣きそうにも見える表情の絵も、印象的で詩の雰囲気にとても合っていると思った。
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詩人▶ジャックプレヴェール
訳者▶高畑勲
イラスト▶奈良美智 の傑作コラボ♪
コラボ作品があるとたまたま知り、即買いに走った一冊。
ことば遊びをする、大人だけど子供なプレヴェールと、絵描き遊びをする奈良美智。世代や国を超えて、なんか二人とも似ている。
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ジャックプレヴェールに出会ったのは16歳の時
初めて読んだ詩は「朝食」だった。
短い簡単な単語が繰り返され
そこにほんの少し言葉が足されていくそれだけなのに
読み終わった時にまるでモノクロの短編映画でも見ていたかのような感覚に衝撃をうけた。
その言葉のひとつひとつが、頭の中で形になり
静かに動き出すのだ。
実は「朝食」はこの本に収録されていないのだが
プレヴェールと奈良さんと高畑さんという素敵な組み合わせにくわえ、このお値段なら買う価値は十分にあると思った一冊。
DEJEUNER DU MATIN
Il a mis le cafe
Dans la tasse
Il a mis le lait
Dans la tasse de cafe
Il a mis le sucure
Dans le cafe au lait
Avec la petite cuiller
Il a tourne
Il a bu le cafe au lait
Et il a repose la tasse
Sans me parler
Il a allume
Une cigarette
Il a fait des ronds
Avec la fumee
Il a mis les cendres
Dans le cendrier
Sans me parler
Sans me regarder
Il s'est leve
Il a mis
Son chapeau sur sa tete
Il a mis
Son manteau de pluie
Parce qu'il pleuvait
Et il est parti
Sous la pluie
Sans une parole
Sans me regarder
Et moi j'ai pris
Ma tete dans ma main
Et j'ai pleure
(朝食の原文)
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美しい絵と、優しい言葉と、丁寧な解説。プレヴェールは僕にとっての英雄だった、と谷川俊太郎は言った。僕にとってもそうだ。訳・解説はジブリの高畑勳。『王と鳥』の配給や『ことばたち』の訳、シャンソン集『私は私、このまんまなの』のリリースも共に賞賛の拍手を送りたい。
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文章や、詩に対しての 価値観が狂う一冊。
とてもいい。考え事をしたくないけど、寝付けない夜とかに
いちセンテンスをなぞるだけでも
心の平穏がおとずれる。
気いれて読むのもよし、ぼんやり眺めるもよし。