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4月29日は何の日か?
「天皇誕生日」⇒「緑の日」⇒「昭和の日」となっていたハズだ。私が利用する図書館には、ピックアップコーナーがあり、時期にあったテーマを選び、それにあった本が選ばれて陳列されている。もちろん、貸出はOKだ。
この作品をそこで見た時のテーマはこれだった。↓
「あの頃 ~4月29日は「昭和の日」~」
遠くになりつつある昭和の時代の東京の下町を舞台にした
ホラー作家倉阪さんの、幻想的なレトロ作品だった。
●昭和湯の幻(田端) ●飛鳥山心中(飛鳥山) ●無窮の花(荒川三丁目) ●絵蝋燭(神田) ●廃屋(根津) ●奥座敷(浅草) ●まどおり(楪苙) ●紙人形の春(谷中) ●クラリネット遁走曲(錦糸町) ●跨線橋から(日暮里)
目次に地名は載っていないが、作品の中ではっきりと書かれている。舞台となった街は私も、何度か訪れたことのある下町で、確かに昭和の雰囲気が漂う街ばかり。まるで下町の観光ナビにもなりそうなぐらいの作品だと思った。
魔物や幽霊が主としてでてくるホラー。
でも、風景描写は、昭和の幻を見るようで、ひどく懐かしい。
ページをめくれば、昭和の時代。
怖い物見たさで一気読みしてしまう、という不思議な作品だった。