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夏の終わり。まだまだ、お気に入りの麦わら帽子をかぶりたいるるこ。でもね、麦わら帽子のやぶれたとこから、夏が出て行ってしまいました。
夏の終わりの、ちょっと寂しいかんじを叙情的に描いた絵本。
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【9月の絵本】◆夏の名残り。ひなたの匂い。楽しい思い出があるから、大切なむぎわらぼうしなのです。深くかぶって、思いのたけ夏に浸って、今年の夏を卒業します。外には新しい季節が待っています。
◆青が美しい。絵:いせ ひでこ
◆瀬川康男の絵本『ぼうし』を読んで、無性に一緒に読みたくなって借りてきました。
【2013/09/28】
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絵本を読んで、ほぅーっと久しぶりに息をついた気がした
波も麦も、いせひでこさんにかかればこんなにも新鮮でうつくしく見える
最後の結末にがっかり拍子抜けしつつ、でもホッとする
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わたしの なつは、
どこへ いって しまうの?
主人公「るるこ」の、おねえさんが秋だと言っても、まだ夏だと言い張り、むぎわらぼうしを被ろうとする、その一途な思いとは、いったいなんなのか?
それは、るるこの、繊細な心に触れる美しい物語。
表紙の、るるこの印象的な立ち姿は、決して恥ずかしがっているわけではなく、物語を読むと、その意味するところが分かり、背景の美しい海の光景が、まるで幻想味を帯びてくるような気がしてしまい、より切なさが増す。
むぎわらぼうしは、むぎわらの匂いであるとともに、ひなたの匂いがする。
それは、ちょうどあの時、飛んできたぼうしが、お日さまと重なった瞬間への入り口でもあった。
むぎわらぼうしさえあれば、夏は何処へもいかないと思っていたのに・・・背景の色の変化が、そのまま、るるこの心の思いを表している。
いや、無くたって、夏は毎年来るに決まっているじゃないかと、思われるかもしれないが、そうではなく、るるこにとっては、そのむぎわらぼうしと共にあった夏こそが、夏なのである。
繊細な少女が、かけがえのない一瞬のひと時を、どれだけ愛おしく大切に過ごし、かつ、それを、ずうっと思い続けているのかを教えてくれる物語は、いせさんの、きらきらした、美しくも胸に刺さる絵柄と共に、少女の心象風景も瑞々しく表現された、安易に「また夏は帰ってくるよ」とは言えないような、るるこ本人にしか分からない、るるこの感傷の物語でした。
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おねえさんの呼ぶ声が聞こえます。もう秋なのに麦わら帽子かぶって行くなら連れて行かないとおねえさん。妹のるるこは大好きな麦わら帽子を深く深くかぶって、夏の海辺の世界へと入って行きます。やがて気がつくと、帽子は縫い目が大きく破れてもう被れません。「るるこはやく」おねえさんの呼ぶ声が聞こえます。なんとも言えない雰囲気ですが、いい場面でした。