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平成の3悪人、小泉・竹中・石原の内、最も小物の石原慎太郎の悪行をルポした本。十分に著者の怒りが伝わってくる内容である。だが、一抹の空しさを覚えるのは、石原の支持者はこの本を読まないだろうし、たとえ読んでも石原の行動を支持するであろう事である。
石原とは何者かといえば、飲み屋に行けば何処にでもいるような、自己中心的で傲慢なおやじに過ぎない。自分の売春話を自慢し、障害者や女性を人間と見なさない差別主義者であり、他人の痛みがまったく分からない人間の屑である。問題の所在は、そのような人間が権力を握ったとき、マスコミが悪行を報道しないか、軽く扱う所にある。最近の裁判所の権力者に対する甘さもこれに拍車を掛けている。そして、石原の発言と行動を自らの代弁者と見なす層は確実に増えている。
この構図は、小泉純一郎にも当てはまる。数々のスキャンダルと妄言が、マスコミによって濾過され、無罪放免となっている。竹中が自分に近いシンクタンクに大金を渡して作成させたレポートで、「IQの低い層が小泉支持であるから、そこに焦点を当てろ」とある。2005年の衆議院選挙が衝撃だったのは、政策の中身を見ないその層が小泉の大勝利を引き起こした事だった。それは、2006年9月の世論調査で、次期総理確実と言うだけで安部晋太郎を60%が支持しながら、政策を70%が知らないと答えたのと同じ民度の低さを表している。
星について
十分著者の熱意が伝わり、内容も面白い。だが、同じ著者の「カルト資本主義」「機会不平等」と比べると、社会全体を見据えた大きな構図は無い。また、右傾化する日本と言う状況に石を投げるほどの効力はこの本には無い。よって星3である。
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石原慎太郎は、その「過激」な発言で知られる。ものの本質を突いている過激さではなく、他人の人格に対する乱暴さ、という意味での過激さ。つまり一言で言うとわがままな権力者としての発言なのである。
そもそも文学者としても三流以下、それもとうの昔に終わっていた人。
その権力志向ゆえ、自分の嫌いな相手をたたきのめす目的で政治家になったというその危険性は、暴君の危険性に似ている。といって国のトップにさえなれないので、首都の知事だといばっている、というしょうもなさ。しかしそういう人間は危険である。ヒトラーだって一国の首相になる器ではなかった。もともとへぼ絵描きに過ぎなかったのだから。
また、小皇帝・石原慎太郎に対し、小石原みたいな連中がのさばってもいる。
こういう人物にはさっさとご退場願いたいものだ。どうやって?何、選挙で落とせばいいんだよ。
落ちないとすれば、それは破滅への一票ですぞ。
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自分の価値観を逆撫でする発言の多い人物に切り込んだ本を避けて通るのは難しい。著者の力量・洞察のレベルは、今後の都知事選挙後の彼の動きなどを通じて徐々に検証されるのではないだろうか。
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あらためて頭に血が上った。再選される直前までの連載をまとめたものなので、それ以後の話もまとめてほしい。68年に参院選に初当選したとき、「いずれにしても私の政治参加の決心は、政治的である前に、私的な、私自身の存在にかかわる問題であって、詮ずるところ、私の嫌悪の直截な表現に他ならない。私は、嫌悪し憎み、とり壊すべきものを、より嫌悪し、より憎み、より実際に壊そうとするために、嫌悪の対象である行為の母体であるところの政治の内に在る自分を選んだだけだ。」(『祖国のための白書』集英社)なんていう、政治的に勘違いな戯言を人々に選ばれて公人になろうという人間が(例え思っていたとしても)言うべきではないものを、シャアシャアと書いてのけるところなど、もともとの出来がパーだったんだと知った。北朝鮮が大嫌いだそうだけれど、一都民としては金正日を知事にしているぐらい恥ずかしいことだと思った。
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たいへん有名で、たいへん(なぜか東京都民には)人気があって、私にはたいそう下品なオヤジとしか思えない石原慎太郎。少しはその行動が理解できるかと思ったけど、やっぱりわかりませんでした。…わかりたくもないけど。