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明治時代の作家、黒岩涙香の創作や翻案をまとめたもの。
当時の文章をほぼそのまま活字にしてあるらしく、言葉にリズム感があるような気がする。おかげでぽんぽん読める。
翻案の方はイギリス人なのに日本名になってたりと変な感じもするが、その部分になれてしまえばなかなか面白い。
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探偵小説の元祖・黒岩涙香の唯一の作品集「涙香集」をまるごと復刻。「無惨」以外にも創作作品があったとは知らなかった。
「無惨」は、この時代に科学的かつ論理的な捜査方法を打ち出したという意味で素晴らしい。だが、解説によると明治の読者は論理的な作品を好まずこれが不評だったため、涙香は以後、創作の筆をとらず翻案においても論理性の高いものより情に訴える話に重点を置くようになったらしい。残念な話である。
その他の収録作品は、小話的なものや通俗スリラーのようなタイプだが、なかなか面白かった。古い文体も慣れると意外に読みやすく、名文であると思う。
ただ、舞台がイギリスなのに人名は日本名なのはちょっと変な感じ。
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宮崎駿監督口絵の「幽麗塔」 江戸川乱歩
https://booklog.jp/item/1/4000254197
を読んで、黒岩涙香を知った
小学生の時に、江戸川乱歩の少年探偵シリーズを夢中になって読んで、読書好きになった
大好きな作家さんが影響を受けた作家さん
古い時代の作家さんを読むきっかけにもなる江戸川乱歩(感謝)
古語、文語体は読みづらい感を持っていたけど、涙香さんの文章は読みづらくない
「無惨」
日本探偵小説の嚆矢(こうし)(物事のはじめ)といわれる涙香唯一の創作探偵小説
刑事が探偵をつとめるガボリオ(ルコック探偵)形式
築地字海軍原の傍らの川中に投げ込まれた無惨な死骸
(翻案作品)
地名は倫敦とかなのにお金の表記は円だったり、巻末解題を読むまで、翻案作品とは知らずに読んでいたから、
昔ってこんな感じ?と疑問符飛びまくったけど、巻末読んで納得
「金剛石の指輪」
死体が蘇る
「恐ろしき五分間」
「婚姻」
「紳士三人」
「電気」
ああ…雷…
「生命保険」
「探偵」
中編作品
面白い話しの展開
現代では表現しづらい場面も多々あるけれど、ドラマ化観てみたい作品だった
水島浮(うかぶ)と梅子が♡
「広告」
黒岩涙香(くろいわるいこう) (本名、周六)
1862年11月20日(文久2年9月29日)高知県安芸郡生 - 1920年(大正9年)10月6日 58歳死去)
明治2年 ヒュー・コンウェー「DarkDay」を
翻案(ほんあん)( 小説・戯曲などの、原作を生かし、大筋は変えずに改作すること。)した「法庭の美人」の好評をうけ、以後、英仏の 探偵小説を翻案し、明治の探偵小説ブームと呼ばれる現象の礎を築く
デュマ「モンテ・クリスト伯」を翻案「巌窟王」
ヴィクトリア・ユゴー「レ・ミゼラブル」を翻案「噫無情(ああむじょう)」
江戸川乱歩が焼き直しの筆をとった「幽麗塔」や「白髪鬼」
エミール・ガボリオ(仏探偵小説の祖)
涙香が最も愛好したデュ=ボアゴベ(仏)
ウェルズH.G.Wells「タイムマシン」を翻案などSFのルーツとなる作品