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8月8日読了。流行の「ロングテール」の考え方をはじめて提唱したのがこの人だとかで、理論を説明するよりも「ほらあんな現象も、こんな企業もロングテール!ロングテール!」と著者の熱気と興奮が伝わってくるようだ。なるほど全ての商品の情報を提供できること・そしてその全てが簡便に検索できる仕組みがあることにより、従来の小売店が切り捨てていた商品たちを高利益の魅力的な商品として提供できるようになったということか。ビッグなヒット商品を作って世界中に届ける、というモデルは旧来の世界にとっては最適化されたものだったのだろうがもはや世界は変わったのか、それともずっと以前から世界の姿は変わってなくて、単に今までの世界の仕組み(特に物流?)が不完全だっただけなのか。いろいろ考えるネタをくれる本だ。
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読んでいると次々と身近な例やイマジネーション、今後の可能性がわき上がってくる面白い本。アメリカでのインターネットのインパクトがより強く感じられます。各ビジネスの歴史的背景やなんかの詳述もされているので人によって楽しみ方は変わりそう。
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従来の店舗型の小売業では商品の数の多さに関係なく、利益の8割は上位2割の商品から得られるという「80対20の法則」が成り立っていた。しかし、オンライン小売業ではこの法則は通用しない。オンラインの小売業者は商品棚の限界が存在しないので、残りの8割の需要にも応えられるのである。なかでも、iTunes Storeのような完全にデジタル化されたサービスでは、商品棚もいらないし製造コストもかからず、流通コストもほとんど不要である。ニッチ商品を売って得られる利益はヒット商品を上回ることもしばしばあるという。この結果として、店舗型小売業者で売られている上位20%の商品は店舗型では約80%の利益を稼ぎ出すが、オンライン小売業では33%にまで下がってしまうという。ロングテール市場の発達によって、私たち消費者の選択肢は圧倒的に広がった。だが、選択肢が多くなりすぎてしまったことにより、自分が本当に必要としているものが探しにくくなるということも懸念される。
また、本書ではwikipediaなどをはじめとしたWeb2.0に関することにも触れられている。具体的な事例を用いて説明されていたので、旬なトピックをわかりやすく理解することができた。
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近年よく聞くようになった「ロングテール」、その意味と生まれた背景を解説した本。
・インターネットの発達により移動しなくても商品を買えるようになった。
・通信販売は店舗販売に比べ、場所が必要なく商品を幾らでも揃えられる。
・普通なら店に並ばない商品を求める人も少数派だが存在する。
・少数派が求める商品を多数揃える事ができれば、十分な利益を得る事ができる。
・ニッチ商品の情報がネットの存在で手に入りやすくなった。(例:amazon,niconico)
・少数の選択肢は選択者を惑わせるが、多数の選択肢はそうとは限らない。情報が存在する上での選択肢の多さは購買意欲を刺激する。
こう考えると、普段何気なく使うamazon等の素晴らしさ、時代の変化の早さを改めて実感する。
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この本を読んで強く感じたのは、2つだ。
まずは、「どんな商品も売れる」。
もう1つは、「”究極的”に合理化された社会を実現するべく技術が進化する」。
キーワードは「98%の法則」「ピア・プロダクション」「フィルタリング」だと思う。
98%の法則は3ヶ月以内に売れる商品の割合だ。パレートの法則とはまるで違う。
ピア・プロダクションは協業/共業のことだ。お金のためというよりは、趣味や社会のためといった動機でされる。
フィルタリングは、多様な商品の中から自分と”質”があった商品を探し、市場を創造する核になる。広告・PRなどのプレ・フィルタだけでなく、ブログやレビューなどポスト・フィルタが重要になる。
僕が特におもしろいなと思ったのは、「ハリウッド型のヒット製造機は個人ではつくれないが、意外性のあるちょっとしたものなら個人でもできる。低コストで生産・流通・販売できるならそれで十分価値がでる」ということだった。
Webに興味がある人、小売やメーカーに勤めている人には特に面白いと思う。
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ロングテールという言葉の生みの親、クリス・アンダーソンの著作。
PCというインフラのために、既存の80:20だけでなく、こういった「べき分布」が見られるようになることを多角的に何度も説明してくれる本。
でも、一概にこれだけが全てではないけど、それを反故にしてはいけないというなんとももどかしいもの。
大衆という物は存在しない。人々を大衆と見る方法が存在するだけだ。のくだりは秀逸。
以下、メモ
ロングテールの法則は9つ
■コストを削減する
1-在庫は外注かデジタルに
2-顧客に仕事をしてもらう
■ニッチに注目する
3-流通経路を広げる
4-消費形態を増やす
5-価格を変動させる
■支配をやめる
6-情報を公開する
7-どんな商品も切り捨てない
8-市場を観測する
9-無料提供をおこなう
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隣の部署の部長に、薦められてFREEとセットで購入。
買いたてのiPhoneが、まさにこれのビジネスモデルなのかな。
いま、世の中劇的にが変わっているんだと、ドキドキしながら読みました。
ただ、最後の方はおんなじコトの繰り返しに飽きたんで、★4つで。
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今更ながら読んでみましたが、改めてロングテールの本質を再認識した良書でした。米語で出版された当時は凄まじいインパクトだったのでしょう。
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Freeに引き続きクリスアンダーソンの本である。
目新しさ自体はFreeに比べるとそんなにはなく、まだtwitterが出てきていない時代の本であるのも驚き。そしてそこまで時代が来たことにもまた驚く。この本はすでに4年前の本であり、その時とは状況が全然変わっている。
ロングテールの商品はどこでも溢れているが、日本の携帯は相変わらず料金は高い。あれではだめだ。
クリスアンダーソンの理論が全てではないが、日本の高円寺や下北沢のアーティストはかなり勇気づけられるような内容でもある。
売れない=ダメ
ということではなくなったからである。
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やっぱりこの人面白いし、読みやすいです。
売れてるものがいいとは限らない。そういう時代は終わった。
そして、今はレコメンデーションというフィルターが有効的。
ただ、選択肢が多すぎるかも。選択眼を鈍らせてしまっている??
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ワイアードでの初出が2004年。
時代がどんどん進んでいるので、今では当たり前になった事柄もある。とはいえ、楽しく読めるし十分有効。
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商品の説明
ロングテール 「売れない商品」を宝の山に変える新戦略
インターネット小売市場の特性を表した言葉「ロングテール」を提唱した米IT誌『ワイアード』の編集長が、ロングテールが経済に与える影響を解説した一冊。
音楽配信などのネットの小売市場では、販売数が少なくて通常店舗で扱えないようなニッチ商品でも確実に売れる現象が起こっている。商品を売上高の順に並べた棒グラフを作ると、ニッチ商品の売り上げが恐竜の尾のように延々と続く。この長く伸びた部分、すなわちロングテールは、売れ筋商品に匹敵する大きな市場であり、ITにより商品管理や流通コストを限りなくゼロに近づけたことでビジネスとして成立するようになった。ネット上では、商品の流通や消費、そして生産の形態までが従来の経済とは大きく変わると筆者は説く。
センセーショナルな内容だけに、出版後は各方面で議論が巻き起こった。例えば「ネット小売店の商品の98%は、3カ月に一度は売れる」という「98%の法則」に反論が出たが、この法則の趣旨は数字そのものではない。訴えたいのは、大衆を狙った少数のヒット商品だけでなく、ターゲットを絞り込んだ商品でもビジネスが成立するという、経済の変化である。
(日経コンピュータ 2006/11/13 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
どんな風に売っていくのか?
というのはとても大事なことですよね。
売り方もインターネットという環境ができて随分変わったところもあると思います。
いい形で活かせるのかどうか?
それ次第でしょうか??
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ネットショッピングは在庫を持たずに全ての商品を受注しうるビジネスモデルである。どんな商品でも必ず購入者がいるため、チリも積もれば山となる。
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ロングテールが叫ばれてからかなり経ちますね。この本はロングテールの本質を捉えており、深い考察がされています。後半少し読み辛かったが、また読み直したい。
ロングテールビジネスを成功させる上で、重要な点は2つ。
すべての商品が手に入るようにする。
ほしい商品を見つける手助けをする。
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「ロングテール」とは、市場においてごく少数のヒット商品が売上の大部分を占めるのに対し、「大多数のあまり売れない商品」のこと。
店舗型小売業では、限られたスペースに、限られた商品しか置くことができなかったので、基本的には「売れるものから順番に選ばれた品揃え」になる。
例えば、日本の書籍は数十万点の本が流通しているが、日本一の大型書店(いわゆる大型書店の2倍程度の大きさだ)でも、全てを置くことはできない。
さらに日本では、1年間に約6万点の新刊が発行されている。しかし、なにか新しいものを置こうと思えば、いま棚にある何かを外さなければならない。
結局のところ、よく売れるものだけが、店頭に並ぶ。流通はしていても、あまり売れないものは店頭に並ばない。並ばなければ、存在自体が知られることがない。
では、この「あまり売れないもの=ロングテール」はどれくらいあるのか?
そしてインターネットは、これまで店頭に並ばなかったロングテールに、なにをもたらすのか?
これが本書のテーマである。
本書では、ロングテールを3つのカテゴリに分けている。
1つめは、店舗内でのロングテールだ。書店内にも、良く売れるものと、あまり売れないものがある。店舗スペースを使うのだから置いているのに売れないのは困る。これは問題だ。そして、置いたら売れるかもしれない本があるのに、スペース不足でそれを置くことはできない。これも問題だ。だから、店舗では、テールに力は入れず、ヘッドを重点的に扱う。
2つめは、オンライン書店に代表される通販のロングテールだ。インターネット上の商品棚には物質的なスペースは必要がないので、商品はいくつでも登録できる。その商品を置くために、何か別の商品を外す必要はない。だから、売れる可能性があるなら、どんどん登録すればよい。しかし、あくまで物質としての書籍が在庫として必要である以上、在庫リスクは抱えている。
3つめは、電子書籍のような商品だ。こちらは、無限に商品を棚に登録できるだけでなく、製造する必要がないし、在庫というものが無い。たとえ1つも売れなくても、何も問題は無い。極端な話、売れるかどうかなんて気にする必要は無いのだ。そして、作り手も、出版社を通して流通させる必要がない。これにより、テール自体が、これまで以上にロングになることが考えられる。
100万冊売れる本がある。それは大事だ。けれど、1人しか買わない本が100万種類あっても、これまで、それは無視されていた。なぜなら、店舗型の書店には100万種類も置けないのだから。
けれど、インターネットという空間に100万種類を置けるようになった今、100万種類の本を1人ずつに売って100万冊を販売することも、1種類で100万冊売れる本と同様に重要になる。
これは書籍に限らず、情報技術の恩恵を受ける、あらゆる分野において言えることである。