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28年前に起こった某少年犯罪事件のルポルタージュ。事件後の遺族の生活を中心に展開されていく。こういうのはサジ加減を間違えるとただの野次馬の如くに読めて難しいですね。
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28年前に起きた同級生殺人事件。その被害者の家族のたどってきた道を追うルポルタージュ。衝撃的なのは「加害者は弁護士として社会復帰していた」こと。確かに少年法のあり方からすれば、加害者の現在の姿は更正の可能性を大いに示したよい例でしょうが、かといって被害者の家族の気持ちは静まることはありません。本当の「更正」とは何のか、これを読むと心から謝罪する気持ちがないがしろにされているように思います。なぜでしょうか。
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ノンフィクション。少年時代殺人を犯し、少年法の規定通り数年で出獄し、現在弁護士。内容のほとんどは事件により崩れていく遺族の様子に割かれているが、問題は加害者から全く謝罪がないということ。更生とはなんなのか、考えさせられます。
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神奈川県の私立中学で20年以上前に起こった生徒同士の殺人事件のその後を追ったルポ。
被害者の遺族は長い間ずっと苦しい人生を強いられているにもかかわらず
加害者の少年は少年法に保護され立派に社会復帰を成している。
そして過去の事件はウザったいものと捉えている(ように思われる)
少年法のあり方に首を傾げてしまいたくなる人は多いのではないでしょうか。
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20数年前・・神戸の首切り殺人と同じような悲惨な事件があった。現役高校生が同級生をナイフでめった刺しにし、しかも首まで切断した事件。
家族の心の傷はいまだにいえず、そして殺人犯人だった少年は弁護士になっていたのにかかわらず、謝罪の言葉ひとつ遺族にはかけていないというお話。理不尽である。
この本以降、2chをはじめとした各種ネットでこの少年Aの身元捜しが行われた。顔写真や所属法律事務所までさらされ、電話で事務所んいまで電話した人もいたらしい。
その少年Aにも今は子供が2人いるらしい。少年は遺族の家族を崩壊に導き、そしてnetはこの少年Aの家族を崩壊に導いたかもしれない。
こういう群集の叡智とやらもweb2.0といわれるんだろうか?
本だけでなく本の発売以降のネットの盛り上がりっぷりも考えさせられた本。
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昭和44年(1969).4.23の高1のいじめ復讐首切り殺人事件をめぐる、遺族のその後生活と犯人である少年Aのその後について綴ったノンフィクションである。
当時は、期待の星であった長男を殺害された母親は髪は一瞬のうちに白くなり、精神に異常を来たし一年以上も寝たきりになるという中で一家は崩壊の危機を乗り越えていこうとする。そして、少年A側からの謝罪と示談金の履行のないまま、今でも事件は遺族にとって「決着」を迎えず大きな爪あとを残している。
その一方で少年は二年ほどで少年院から出て「更生」し大学へ行き弁護士となっていた。
凶悪少年犯罪者にとって「更生」とは何を指しどうあるべきなのか。実際問題として少年による凶悪犯罪の率は世間一般で言われているように上がってはおらず、むしろ下がっている。(http://kangaeru.s59.xrea.com/)しかし、被害者のアフターケアと少年法の意義をもう一度再考する必要がある。
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18年11月 藤江先生より
28年前に起こった同級生殺人事件の被害者家族の話。
妹の一人語りが主。
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宮崎哲弥氏が言われていた本で、ノンフィクションのルポ。重い真実だが、一気に読んだ。
高1の長男を同級生に殺害された一家のは崩壊、加害者のその後は何とも言えない。これでいいのだろうか。
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友達は言った
『もしこの家族が殺人事件の被害者にならなかったとしても、この家族は破綻したのではないか』
今となって考えれば
そう考えることも可能だけど
キッカケは、明らかに被害者になってからだ。
少年法に隠れて
描かれることがなかった
被害者の生活は
被害者のなった瞬間よりも
なんとも酷いことか。
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少年犯罪によって殺された家族を殺されたために、心がばらばらになってしまった被害者家族。家族の一人を突然殺人という形で失った父母、そして妹によって語られる被害者家族を襲う喪失感が、あまりにもリアルで悲痛だ。
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憤りを感じました。被害者遺族の傷は想像以上のモノで、息を呑みました。
なんで、人を殺して、大切な人から遠ざけて、悠々と生きていけるんでしょうか?
遺族は生きることに必死なのに、親に慰謝料の負担を押し付けて、なんで大きな顔して街を歩けるんでしょうか。
どうしようも出来ないかもしれないけど、でも、やっぱなんかおかしいと思うよ。
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【犯罪】【教育】
「日本は悪いことした者勝ちかぁ〜」
と思わせる不条理なノンフィクション。
犯罪被害者の遺族に焦点を当てる話は
もっと世に出回ってほしい。
こういう遺族の話を、小学生のうちから聞かせてあげたらどうかと思う。
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神戸で「酒鬼薔薇」事件が起こる、二十八年前川崎のサレジオ学院で、似たような首切断事件が起きていた。被害者は加害者と同級生だった。そして少年法で更正を果たした加害者はなんと弁護士になっていた。というノンフィクションだが、加害者がのうのうと弁護士になった云々かんぬんよりも、被害者の残された家族が負った余りにも酷い傷に、読み進むうちにやり切れなさがつのった。
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不条理だ。加害者が補償も償いもせずのうのうと生を謳歌している。方や被害者はトラウマを抱え日々苦しんでいる。加害者には厳罰を、被害者にはもっと積極的な救済を行うべきではないのか。実に考えさせられるノンフィクションだった。
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1969年、高校一年生の加賀美洋君が、同級生の少年Aにめった刺しにして殺害されたうえ、首を切り落とされた。その後、犯人だとされる少年Aは犯行を偽証し、証言を二転三転させたのち、渋々犯行を認めた。被害者の家族はこの事件を機に、母は精神が崩壊し、妹は反抗に走り、関係が瓦解し始めた。事件後30年以上たっても事件からたちなおれない家族。しかしその一方、少年Aは少年院を出て、大学を二つも卒業し弁護士となり、地元の名士にまでなっていた!!事件後の家族崩壊から、少年Aの足取りまでを綴った衝撃のルポ。少年法とは?少年の更生とはなんなのか?を問う。
よくできた作品。よくここまでの証言や、少年Aの足取が調べられたものだと思う。
これには、少年法とは何かを真剣に考えさせられた。
現在の少年法は、罪を犯しても、それは「前歴」にはなっても「前科」にはならない。犯罪者は少年院を出れば誰に後ろ指さされることもなく、人生のリスタートができるのだ。
これを読む限り、少年法は「更正」の名のもとに、「免罪符」になっているように思う。少年院では、過去のことを忘れて社会復帰ができるように指導される。
私はかねがね思っていた。少年法が制定されたときより時代はものすごい勢いでかわっており、犯罪の質が劇的にかわっている。それなのに抜本的改定がなされていないのはあまりにもおかしいのではないか。
どんな残忍な罪を犯した者でも、少年というだけでプライバシーが異常なほど保護される。少年院を出れば、堂々と街を歩け、好きな仕事にも就ける。対して、被害者は全国に顔を知られ、マスコミに取材攻撃をされる。しかし犯人の顔を知ることもできず、裁判にも参加できない。そして、家族は事件後も街をあるけば指を指される。事件を忘れることは決してできず、生涯にわたって遺族や関係者に深い傷跡を残す。
加害者の人権保護ばかりが厚い。被害者のアフターケアにはなか×2手が回っていないのが実情だ。実際、日本政府の加害者の更正にかける支出は年間466億円。これに対し、被害者のための予算が11億円。
この差はなんだろう。死んだ人間より、これから生きていく人間の方が大事だということだろうか?
私は思う。「社会復帰後少年の人生に差し支えるから」と加害者を異常なまで保護するのは、その理想は素晴らしいのだが、人を傷つけた人間に、はたして社会復帰の権利があるのだろうか?被害者は生きる権利を、不当に奪われているのに、それを奪った人間の権利が手厚く保護されるのか?甚だ疑問だ。
また、本来ならば犯した罪を一生背負って、贖罪のために生きていかなければならないのに、少年というだけで、その義務を免除されるなんておかしい。したことの責任は少年であろうとなかろうと同じ重さであるし、果たすべきものだと思う。
だいたい、少年のうちから人を殺せる人間に、社会復帰なんて不可能だろう。むしろ、そんな人間に社会復帰の権利はない。
罪を犯した人間は一生その罪を背負っていかなければならないのに、少年院ではその罪を「忘れ」て、新しい人生を始める教育がなされ、その環境も法��下で整備されている。
変。めちゃくちゃ変。そんなおそろしい人間を、数年で社会に出すなんて、その他の人間の安全さえ脅かす。個人法益と社会法益が主客転倒している。確かに、前科で人を判断するのはよくないが、そんな残忍なことをした人間が、もしかしたら、自分の近くをうろついてるかもという恐怖もある。
近年、少年法の抜本的見直しが叫ばれる中、人権派とよばれる弁護士達の反対もあってか、なか×2見直しは進まない。
そして、今も少年犯罪により、一生をむちゃくちゃにされた被害者家族は増え続けている。
少年法について改めて考えさせられる本だった。
ただ、一つ残念だったのは、本の後半で被害者の母親が、自分が経営する喫茶店の経営がたちゆかなくなった途端、加害者に(それまで未払いの)賠償金を支払うことを催促するかのような手紙を送っていることだ。(犯人の元少年Aは、これに対し、金を貸してやるから、実印と印鑑証明を用意しろと言っているが。)
私は、被害者の母が、金の無心のために手紙を書いたとは思えない。だから、なぜ手紙を送る気になったのかという心の変化をもうちょっとつぶさに描いて欲しかったと思う。