紙の本
ビジネスする前に相手を理解する
2007/03/18 01:56
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は元は銀行員としてインドでビジネスに関わり、現在もインドビジネスに詳しい方である。
主に世界はインドのIT技術力に注目し、その著しい発展に期待をしている。私のいる田舎でも仕事でインド人を見かけることが増えた。本書はそんなインドビジネスについて、著者の経験を踏まえてやさしく解説している。インドという国、歴史、文化、インド人、その可能性、政治や経済の概要が理解できるだろう。
今後、日本は人口減少と老齢化が進み労働力不足となるのは必至、一方インドは人口が増え職場提供が課題、という。そのマイナスとマイナスを掛ければプラスになるだろうと、面白いことを書いている。実際はそんなに簡単にはいかないだろうが、著者が言うようにモノづくりに自信のある国とその基盤整備を進めようとしている国が組めば相互補完できそうである。
日本は技術者不足が叫ばれ、インドでは優秀なIT技術者を大量に毎年輩出される。日本への技術者供給基地にもなれるだろう。インドが成長すれば日本が得意な自動車や家電の巨大市場として期待できる。
インドというとカースト制度のイメージが強いが近年は大都市部や周辺では差別がかなり薄れてきているそうである(インド憲法ではカースト差別は禁止されている)。その一方で持てる者と持たざる者の差別意識が出てきているという。まだまだ成長過程のインド。今後も注目は続くだろう。目が離せない。
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[ 内容 ]
21世紀をリードする大国として、インドが注目を集め始めている。
世界に残された巨大市場で、IT業界の人材の宝庫・インド。
そこには約束された輝く未来が待ち受けているかのように見える。
しかし、それは新生インドの一面を表わしてはいるが、インドのすべてを物語るものではない。
インドには依然として無数の言語と理解の壁を越えた社会制度や習慣、因習が残っており、また被支配民族として形成されてしまった国民性がある。
そんなインドで、日本企業がビジネスで成功を収めるには、何をどう考えたらよいのか。
そのためのノウハウを、インドビジネスで長年の経験を有する著者が、現地での実体験をベースに、平易に解説したのが本書である。
[ 目次 ]
第1部 誰も語らなかった、インドビジネスの実像とその流儀
第1章 沸騰するインドビジネスを検証する
第2章 インド人のDNAを徹底分析
第3章 インド人の生活実態と世相を知る
第4章 インドビジネスと政治の関わりを読み解く
第2部 これであなたも“インド通” 知っておきたい11億人大陸の全角度最新情報
第5章 世界最大の民主主義国家・インドの国の「かたち」
第6章 アメリカも一目おく、インドの外交戦略
第7章 多言語、多民族…渾然たるインド社会
第8章 「ゼロを発見した国」の教育システム
第9章 悠久の昔から深い絆で結ばれていた「日印関係」
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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インドの凄さは、まだ発展途上なのに英語やITに強いというところ。人口の多さと国土の広さゆえ、今後の伸びしろは中国以上に期待できる。仕事でもインドとのコミュニケーションが多々あるが、まず相手のことをよく知ることが重要。日本の常識は世界の非常識であることも多々あるので、自分の物差しだけで判断しないこと。
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経済だけでなく、歴史や政治的風土にまで書かれているので、インドをざっくり知るにはよい本。ただ、細かい部分までは書かれていないので、別の本なりで補足する必要があると感じた。
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著者がインド勤務時代に見たインド人の習性など、おもしろい。
インド人なんて超自分勝手のわがままで、人に迷惑かけて何とも思ってない人種と思ったけど、向こうから見たら日本人は、しゃべらないし何考えてるかわからん・・・だったのかも。
でも、インド人はキライだ!
後半の解説部分は、あるに越したことはないけど、この本の趣旨としてはいらないような気が。
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元銀行員でかつてインドに駐在し、そのままインドとの関わりを持ち続けている著者の作品。
情報として目新しいものはそんなにはないが、ビジネスマンの視点で見たインドということではなかなか共感できるところがある。
インドに関わる人間としてはこのような形で自分の経験をまとめておきたいなと思う。
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インド駐在経験のある著者のインド初級入門といったところ。
日本とインドの交流が少ない、特に企業の進出での理由の
ひとつにインドには娯楽が少ないというのがあると思う。
誰もそんなことを言う人はいないが、結構これは切実な理由だと
思う。
誰も面白くなさそうなところにはいきたくない。
それをこえて、国益重視で進出するアメリカなんて国はやはり
立派なんだろう、と思ってしまった。
(この本のなかで上記のようなことは著者はひとこともいってません)
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2013年2月 ボクはインドに行った。
日本人にとって、インドはなんだか特別なものだと思う。
インド旅行というと、なんとなくバックパッカーだとか、ヒッピー的なイメージがまとわりつく。
しかし、時代は2013年。
全日空だって日本航空だって、デリーに直行便をデイリー運航(笑)している。
そして、インドを一度、足を踏み入れると、
誰しもが思うだろう。
もっとインドを知りたいと。
本書は、インドのビジネスエキスパートの第一人者が書いた、インド入門書。
インド人気質、文化、慣習、経済、政治・・・なんかを
幅広く知ることができる。
インドという驚異に満ちた大国をまずは入門書で理解しよう。
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インド国民3人に一人がボロをまとい飢えている。ITバブルで雇用される人たちにも限りがあり、すべての子供たちが公用語の英語を学ぶことが出来るわけではない。あの悪名高きカーストが制限をかけているのだとばかりおもっていたが、最下層のカーストから富裕層も生まれているのだ。インドの不思議は薄い新書本では理解できない。
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この夏にインドに留学いくのでインドの知識を少しでも蓄えるために手に取った。
インドは3K(汚い・危険・キツい)の国と言われがちだが物事の見方を変えると違う3K(環境・教育・コンピュータ)の国とも捉えビジネスを見いだすことができる。
でもやはり人口に伴い問題は山積みにある。
インドでは1日に1ドルを稼げない正式な貧困層に属する人が約3億人いると言われている。
インド経済をダメ?にしたネルー親子。
父親の初代ネルー首相は独立に際して、英国の統治下にあって資本主義経済を営んできた国であるにも関わらず、彼は38歳の時に訪露し当時の社会主義に感激し心酔いしていたロシアのまねをして社会主義的な混合経済にシフトし経済大危機の結果。
やはり長年イギリスに統治下にあったために色々な影響がインドに残っている。
インドは「人治の国」と言われあらゆることは全て法に基づいて行われる。これも英国の植民地支配の置き土産の一つであると思う。
なぜ仏教はインドで生まれたのに仏教徒の人は少ないか。
仏教が生まれた当時に北からアーリヤ人が侵入したことにより玉突きで南部のスリランカに追いやられ、それ以降途絶えてしまった。なのでスリランカはほとんどが仏教徒である。
インドの国を知るきっかけの一冊にもってこいの本である。
ただ無駄に数字表記が多いのでたまに読むのが大変だった。