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祖父みたいな覇王になれず、ミナミ君(友人)みたいな潔い死を選べず、焦燥感に駆られ、俺は覇王になる他の愚かな人間、肉のカタマリ、みたいには絶対にならない!というけど、結局何も出来てない19歳フリーター。
普通だっていいじゃないか派の私は、肉のカタマリでいいです。
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2010/05/31
厨二病が行き過ぎちゃった感じの話。
ここまで大袈裟でないとしても、ここまで主人公の周囲に案外凄いひとがいなくても、自分も似たような感覚は経験があるので自分の黒歴史を見るようなつもりで。
なんか色々と過去を引きずり出されるむず痒い話でした。
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強くて無情で「覇王」とよばれ、街を力で支配していた祖父の直系であるという誇りや、自分が特別ではなく普通であることを自覚して自殺してしまう親友のミナミ君の想いを大切にし、他人を毛嫌い、「肉のかたまり」として見なし、大量殺戮をして、祖父のように「覇王」になろうとする。
今まで沢山の本を読んだ中で、一番主人公が狂っています。(ある意味純粋です)また表現もグロテスクで、想像すると気持ち悪くなります。でも確かに境遇があのようだったら、こんな風になるのではないかとも思いました。少なからず人が嫌いになることがあると思いますが、あの考えを強く長く持っている感じです。
一般にはオススメできません。しかし、猟奇的なもの、グロテスクな趣味、人間が嫌いだという人にはオススメです。
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覇王である祖父の血を引く「直系」の僕。肉のカタマリ達をバカにしながら葛藤し続け、とうとう20歳の誕生日に肉のカタマリとなって幸せをつかむ。と言うお話。覇王になるのかなぁと期待したけど結局なれずかなり残念な終わり方…。2時間位で読む位のスピード感が無いと前半はしんどいかも。
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なんだろう。なんでかこの人の文章に中毒してる。
一文一文見たら絶対好きな文章じゃないんだけどなー。読書家っぽいけど浅薄な感じも(あえてそうしてる)否めないし。
鬱屈が屈服に変わるまでを描いた青春小説みたいなかんじ。
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青年期の鬱屈した心はよく書けてたと思います。
私はハサミちゃん好きですねーかわいい。
あと、おじいちゃんエピソードも好きでした。ファンキーで粋!
ただ、なんか非現実的すぎて(出産と吐血のとことか)、
こういうファンタジー性はどうなんだろうかと思いました。
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鬱屈した青年が、屈服した大人になる話。
過去は、今に繋がっているんだな、と思った。
祖父やミナミ君がいなければ、主人公は覇王を目指さなかった。
覇道を進もうとしなければ、ハサミちゃんやユカちゃんに出会わなかった。
自分は覇王じゃないと認めることで、主人公は大人になったんだな、と感じた。
覇道は、青春と同義なのかな。
祖父と同じになろうとした主人公は、結果的に祖父と違う人間になった。
主人公に感化されたミチオも、主人公と違う人間になるんだろう。
祖父ちゃんとハサミちゃんとユカちゃんが好きです。
ハネダ家の娘さんも結構好きかな。
所々表現が非現実的だけど、まあいいじゃん←
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青春真っ只中の奴は全員この作品を読め。
青年は生贄を捧げて大人になる。
人間は肉のカタマリ。糞袋。
ただの赤い液体を入れる容器。
下らないセンチメンタルなんて捨ててしまえ。
無理解を理解しろ。非常識を常識しろ。
攪乱して反駁して湮滅して嘔吐しろ。
寂寥感を感じレゾンデートルを覚えても、
結局、虚数を証明するような無意味さに似た、
不必要な衒学を覚えるのだ。
灰色な大人としての19歳は、
アイデンティティがバグれて、
熱暴走とショートの連鎖。
電脳に浸ったところで、
それは幽閉されていることにも、
気付かずにコンピュータに殉教するのだ。
自らを覇王と感じる中二病も、
いかに正当なる根拠のなさ。
如何せん、妄想と脳震盪の虚飾に溺れ、
機械として生きる若人に、
これからの日本をデペンドできるはずもなく、
おのずから首をギロチンにかけるような、
絶望感・自虐の繰り返しのニートと自殺者の、
溢れ出した世界に未来もないのは正解だ。
祝福でなく呪術を贈ろうと、
下らない青春を送ろうと、
意図している若輩者に、
佐藤友哉はこの作品を描いたのかもしれない。
佐藤友哉の虚無感と堕落は、
精神病の如くのティーンエイジャーに、
良く似ている。
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2011 11/19読了。Amazonで購入。
おそらくは自分の故郷でもある千歳が舞台の小説。
地方都市の閉塞感とかそこで生きることへの葛藤・抵抗とか。
ファスト風土化とかが頭に浮かぶ、ああなるほどこれは凄くゼロ年代っぽい・・・劇中は90年代だけど。
自分は割りとさっさと千歳を出てしまってその後もふらふらしているのであまり感じないけれど、もしずっと残ってたら・・・とか考えるとグサグサと来る。
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「覇王」と「肉のカタマリ」という奇抜な語の二項対立が、帯から使われている。本書は、「覇王」を目指し、「肉のカタマリ」になることを忌避したことによる迷走の記録、というかたちをとっている。
その主人公の迷走の内容も、露悪的かつ過剰なものである。エロは殆どないが、グロには注意が必要。
だが大筋だけ見れば、一般的な青春小説の域を出るものではないと思う。「覇王」もそうだが、「肉のカタマリ」についてはとくに、思春期の子どもから見た”フツウの大人”という程度の定義しか与えられていないように思える。
「特別になりたい、けどどうしたらいいか解らない」この点への共感と、露悪的な描写の過剰性への脅威、これらのバランスが本書の特徴といえるのだろうが。出版当初はともかくとして、現在では後者の、“露悪的・過剰な描写”はそれほど珍しいものではなくなってしまっている。
その点、これらの描写に共感を持つ者でなく、かつ、こうした描写に比較的順応している私には、「ありふれた青春小説」という印象を与えるだけだった。
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この主人公、莫迦なの?
そう思うのは簡単だが、果たしてそう云い切れるだろうか。
単行本の評価はなかなかに厳しいし好き嫌い別れそうな話ではある。何せ虐殺だの暴力だの強姦だのが、さも当たり前の正義であるかのように語られるのだ。北海道のとある町、「覇王」と称した建築会社社長の祖父を持つ主人公は、覇王になるべく奮闘するのだが、その覇王は、なんでもない当たり前の日常を過ごす肉のカタマリを支配することが当然だというのだ。14歳から19歳にしては、あまり気持ちの良い目標ではない。
だが「覇王」を目指す主人公を、「覇王」になることに取り憑かれながら何もできない主人公を、私は笑うことなどできない。将来の夢をさも当たり前に訊く現代では、何かになる、ならなければならないという概念が早い段階で要求されているように思う。覇王を目指し奮闘する主人公は、感覚は違うし具体的な目的はなくとも、ひとまずその夢にひた向かい、そして挫折するのである。
個人的にはハサミちゃんという娘の変貌がおもしろかった。女性というものは、ある意味で簡単にそうして諦められるものなのかもしれない、柔軟に物事を変えられるのかもしれない、などと思えた。
ところどころ顛末がまるでファンタジーだが、覇王を目指す主人公にあらゆる苦言を呈す肉のカタマリたちが及ぼす影響はなかなか見ていておもしろい。なんだかんだ主人公は覇王になることを自分に呪いかけているようにすら感じる。彼の虹は、最大に侮辱した肉のカタマリのなかにこそあった。
主人公は祖父にもミナミ君にも憧れつつ、そのどちらにもなれないが故に、彼らのその夢にすがっただけだ。主人公は彼らの後を常について行くだけだった。彼はただ何かになりたいと足掻く、どうしようもない10代に過ぎなかった。
彼が果たしてお父さんマシーンになれるかは、わからない。少なくとも普通に誇りを持っては生きることはないだろう。
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こんなに読み進めるのが苦痛な小説ってあるんだなぁと思った。
肉のカタマリって何回言うねん。
無意味にグロテスク。
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体の奥からこみ上げてくるエネルギーを誰もが感じたことがある。でもそれを問題であるとするかどうかには個人差がある。生きるのがうまい人たちは、楽々と自分の”価値”を見つけ出してこれだと決めると、そこにエネルギーを注ぎこんで消費してしまう。でも生きるのが苦手な人は? そのエネルギーがなんのためのものなのか理解できない。破壊衝動だとか、覇王になるためだとか、適当に理由をつけて理解しようとしてもうまくいかない。だってそんなもの初めからないから。この小説はそういう生きづらい人がなんとか生きようとする話なのだと思う。