紙の本
灰色こそが青春
2016/03/16 15:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ライリーやモリッシーを聴いても、フォークナーや中上健次を読んでも青年の心は晴れない。何かになりたい、どこかへ行きたい。そんな憂鬱が伝わってくる、優れた青春小説だ。
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▼ザッツ佐藤友哉(爆笑)。ひどい。『1000の小説とバックベアード』は、この本の為の壮大な釣りだったとすら思えた。何このギラついた小説。まあ、一章ごとに書いている時期が後になっていくので、わりあい大人になったとみえて、落ち着いてはくるのだけど。▼あんまりアレなので、『アブサロム、アブサロム!』と『死の棘』と一緒にブライダルフェアに並べようかと思った。▼大人になるための小説。これも、10年後の『講談社版夏の100冊』にノミネート(独断)。『こころ』読んでるより、こっちの方が死にたくなるぞ、小学生! ▼良いお父さんマシーンには死んでもなれないと思う。何ていうか、決定的に向いてない(笑)。お父さんマシーンになりきれなかった彼がどんな小説を書くのかが今から楽しみで仕方ない。
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肥大化した自意識と全能感にとらわれる描写がおそろしくイッていて、おお佐藤友哉全開だと懐かしんだ。全く共感なんてできないけれどこの異常な空気の結末がどうなるのかなぜか気になって最後まで読んでしまう(昔に比べれば大分吸引力もなくなったけど)。しかしそのオチはいたって平凡で…。既存のファンはこれからも彼についていってくれるのかな。
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2007/11 図書館から。知り合いが褒めてたので読んでみる。言いたいことはわからないでもないが、残念ながらおもしろくなかった。自分を相対化できている自分って他とちがうでしょう?という、正当化が延々とつづく。そこに、作者の(こういうのがつまらなかったとしても、「つまらないかも」ということぐらい自分でもわかってるぶん上等でしょ?)という自虐みたいなものも透けてみえて、「ネタがないんだけどさ・・・」という自嘲から始まるブログみたいだった。(ほんとうにネタがないと思うなら書かなければいい、とどうしても思う)つまんなくても日常しかないのよ、とあきらめがちに言うひとはいても、日常は本当に楽しいのだよと言ってくる人物は出てこない。
メモ:「ポストマン・ブルース」「最強伝説黒沢」「クラバート」「真説・ザ・ワールド・イズ・マイン」
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まだ読んでいません
雑誌「ファウスト」に載ってた分は既読ですが
えぐいです
ーーー
久しぶりの佐藤友哉で満腹です・・^^
ファウストのときの挿絵
いれてほしかったなーと思いました
H20.6.25読了
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家族を笑え。恋人を捨てろ。社会人を見下せ。
――だって僕には“才能”があるんだ!
「覇王」として君臨した祖父の高みに至るべく、「特別な自分」を信じ続けようとする「僕」。北海道の片隅で炸裂する孤独な野望の行き着く先は、「肉のカタマリ」として生きる平凡な人生か、それとも支配者として超越する「覇王」の座か?
――さあ、世界のすべてを燃やし尽くせ!
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地方出身者の鬱屈というものが私には分からないんだけど、なんだかなぁ。ラストは私が予想したのと180度違ってちょっと自分の性格の悪さが気になった。
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偉大なる祖父と自分を比べ、あまりにも自分が卑小なことに悩む主人公。
祖父を超える覇王となるため、肉のかたまりにならないために藻掻き苦しむというストーリー。
とにかくいろいろ飛び抜けていて、絶対に飽きさせない作品。
ラストが、とても気にくわなかったが、それは僕も覇王になる夢をまだ見ているからだろう。
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歴史はとまってしまった。これからの僕は何も手にしないだろう。すべて他者のもの。言葉も、人生も、太陽も、世界も、僕以外の誰かのもの。あるのは美しすぎる過去だけだ。
(P.98)
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現代日本の「罪と罰」。それは我々の問題なのか?それとも著者の限界なのか?
佐藤友哉は確かに才能があると思う。どうしようもないストーリーであっても、何か訴えかけてくるものがある。ただし、どうしても視野が狭いというか、著者自身の言いたいことの範囲というかフォーカスが狭いので、読んでる途中で飽きてしまう。ある世代によっては、そうだ、そうだと、俺もそうだと最後まで読んでカタルシスを得ることもできるのだろう。しかし、それではやはり多くの人に伝わらないし、できの良い漫画を読んだ方が時間を有効に伝えるだろう。333のテッペンには、とても可能性を感じたので、是非、著者自身が成長するなり、心を売って商業主義に走るなりなんでもいいので、読んで気持ちの良い小説を書いてもらいたいものだ。結局、この小説の主人公もそちらを選んだのだから、著者が選べないということはないだろう。
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祖父は覇王だった。親友は敗北して自殺した。「肉のカタマリ」になんてなりたくない、そう思う僕は十九歳で、まだ覇王にはなれていない。北海道に住んで、学もなく、才能もなく、あまりにも「普通」に過ごしてしまっている…覇王の血はどこにいったのだろう?
すっごいつらい本だった。世の中には「特別な人」と「特別でない人」がいて、誰しも最初は特別になれると思っているのに、いつのまにか挫折している。だけど傍に本当に特別で例外な人がいて、その人生を見てしまったら、いつまでも「自分だって特別になれる」と思い続けてしまうのではないだろうか。
一生をかけても叶わなかった夢の末路が悲惨で残酷であるように、挫折しながらも挫折できない人生は痛々しい。
最後の最後「僕」がたどり着いた結末は、みんなが思っているようなことではあるけど、なんだかひどくかなしかったです。この逆カタルシスやばい。
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「覇王」であった祖父の血を受け継ぐと豪語するぼく、19歳。職業・フリーター。
バカみたいに笑って日常を平穏に生きてる奴らはみんな負け犬。「肉のカタマリ」をあざ笑え。「特別な自分」を信じろ。だってぼくには才能がある。
そんなロストジェネレーション。口先だけでなにもできない愚かな若者の虚無と再生を書ききった、非常に胸糞の悪い小説です。
佐藤友哉は多くの場合なにかに喧嘩を売るような作品を発表しているような気がするのですが、つかれないのかな……と心配になることがあります。余計なお世話かな。
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図書館で借りた本。
インターネットである方とお知り合いになれた
わたしにとっては縁起のよい本
佐藤友哉先生への思いが
確実になった本。
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「1000の小説とバックベアード」も(皮肉でなく)素晴らしかったのですが私はもう圧倒的に「灰色の...」に傾倒してしまいます。「あの」「佐藤友哉」がこれを書いたということにひたすらに痺れます。詳しいことは書きたくないです。兎にも角にも読んで頂きたい(出来ればその前に佐藤友哉さんの他の著作を読んで)「逸品」。装丁もクゥルネスの一言に尽きるなぁ。
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自分は特別だと信じたい、でも根底では違うんだと知ってる判ってる。
それでも信じたいという著者の愚直さと葛藤を感じた。