紙の本
現実と幻想の5編
2016/03/01 06:51
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は2008年「象られた力」で星雲賞を受賞した。現実と虚構入り乱れる作風が持ち味だ。本書でも架空のリゾート地数値海岸を舞台に、現実を見つめるところが良かった。
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すべて、彼女の計算どおりだったのか。
数値海岸の創設者たちの話や、「夏の区画」以外の海岸の話なども読める短編集。グラン・ヴァカンスの続編。
相変わらず、残酷で官能的で、どうしようもなく綺麗。
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中・短編集。どれも完成度の高さが凄い。SFとしては、現行の科学技術の延長線上での、仮想空間の導入といったアイデアが面白い。ただ、収録中2編は、ファウルズの作品が下敷きになっていて、著者とファウルズとの解釈に齟齬があって、十全に楽しめなかった。
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SFというのは、なにか詩的なものがあると思う。未来の、つまり誰も見たことのない世界は、美しく、醜く、想像力のある限り果てしない。そして、最も怖い部分もえぐり出したりする。2巻は怖い内容になった。一巻でも登場する置き忘れられた仮想世界を生んだ人間たちの話。だからリアルに辛い。だから面白い。
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いやあ、面白かったぁぁ!堪能した♪シリーズ前作は長編。今作は短編集。仮想と現実の境界の危うさに目眩に襲われそう・・・。冗談抜きにクラクラするような、得難い読書体験。快感だった!映画の『マトリックス』シリーズの1作目を思い起こすな。話は全然違うけど。前作で提示された謎の多くは今作で解明されたが、肝心の謎は残った。その全貌は、シリーズ最終作となる『空の園丁(仮)』で明らかにされるだろう。めくるめく飛浩隆氏の創造力。今から楽しみだ。首を長くして待っているぞ!なるべく早い出版を宜しく頼みたい!
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一作目のグラン・ヴァカンスを超えるスケール。
短編集の形を取りながら、徐々に明らかになってゆく”世界”の構造が不気味でそれでいて魅力的です。
本当に一話一話、出来上がった世界観を次の仕掛けで毀してしまうところが心憎く、上手いなぁって溜め息をついてしまいます。
そして言葉がハードSFとは思えないほどに詩的なんです。
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こんなにうつくしさとグロテスクの境界(じゃなくて……何かのギリギリのラインというか、言葉が見つからない)をさわった感じがするのは久々だった。完成度もすごく高くて何も言いようがない。
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廃園の天使シリーズ、短編集。
グラン・バカンスよりも、背筋の凍るような恐ろしさを感じる内容。
全貌が見えそうで、やっぱり分からない…そういう焦燥感が恐怖に拍車をかけている…と思う。
ラギッド・ガールが、本当に不気味だった。
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飛浩隆は短編の方が好きだなぁ。長編だとイメージが溢れすぎていて、視界に全てが入らない。中短編だとイメージだけを鮮やかに堪能出来る気がします。
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仮想現実に作られたAIと正体不明の何かの戦争を描いた「グラン・ヴァカンス」の続編。
シリーズ名の「廃園の天使」がなんかこそばゆくってどうかなぁと想っていたのですが、こちらの「ラギット・ガール」という題が凄く素敵だとも想ったので取り敢えずグラン〜を読んだらもう今年一番の大当りじゃないですか!!
何で知らなかったんだろう…勿体ねぇ…!
グラン〜は仮想現実が舞台なので、カテゴリはファンタジィだなーと想ってたのですが、「ラギット・ガール」はやばいですね!早くも今年一番の大当り更新ですのよ!
グラン〜の舞台、数値海岸がいかにして創られていったか、それを取り巻く人間達の…的な話です。
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仮想リゾート〈数値海岸〉の開発秘話たる表題作、人間の訪問が途絶えた〈大途絶〉の真相を描いた「魔述師」、〈夏の区界〉を蹂躙したランゴーニの誕生篇「蜘蛛の王」など全5篇を収録。〈廃園の天使〉シリーズ待望の第2章。
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「グラン・ヴァカンス」の物語の、過去を舞台とした短編集。
前作では語られなかった、仮想空間「数値海岸」とその外側の世界観を、一話ごとにつむいで構築した傑作。
特に表題作は、これまで紹介されなかった「数値海岸」を支えるSF的要素が紹介され、これを読むだけでも前作を再読したくなります。
いくつかの謎は解決しましたが、残された謎、AIたちの行く末、人間世界の顛末・・・気になることが多すぎて、早く続きが読みたいシリーズです。
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表題のラギットガールはよかった。ミステリ要素があって、どうなんの?って感じで読まされた。しかし飛さんの作品は無駄にグロテスクな要素が多い。舞城くらい多い……
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絶品。飲まれた。
設定と世界観が卑怯だって。
正直それぞれの区界でストーリー作ればいくらでもできるじゃないか。
感覚を外に出す、って発想は完全になかったし。
文体が読みやすいわけでもストーリーの進行が速いわけでもないのにここまで頭に切り込んでくるのは久々だ。
マジこわいし。恩田陸の鋭さがある。
次作も楽しみだ。
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3/4。『魔術師』まで。
メモ:
死んでも残るカイルのアイデンティティ、いつか聞いた「本人が死んだあとでも活動を続けるtwitterbot」のようだ。
ついにAI人権団体まで登場する。その論理構築のためにどれだけ濃厚な世界シミュレートが行われたか。シナプスが焼き切れるようなマウント、ドライブ。その苦行に挑み続けるだろう精神のタフさに畏敬する。