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紙の本
渦巻く陰謀の犠牲者と団長殺し
2008/11/20 19:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
本巻は何と言っても団長マリエミュールと副団長レフレンシアに尽きるだろう。表紙もこの2人とあってさすがに絢爛豪華。史上最も派手な表紙となるのではなかろうか。団長ともなるとこんなに立派な鎧兜なのね。兜なんてもぅウサ耳じゃないし、これを支える首の筋肉って・・・。などと余計な話はさておき、結局団長は何がしたかったのか、私怨と野望が入り混じった今回の騒動には裏で糸引く影の存在もあり、団長が乗せられたところもあって複雑な心境である。ほとんど百合なのでは、とも思える深い絆もまた様々な思惑が絡んで引き裂かれてしまう切なさ。大人の事情と言えば身も蓋も無いが、幼馴染み同然の2人にとってはあまりに哀しい結末である。ここまで団長を育て上げたレフレンシアのプライドもまた崩れ去ることになった。しかし、レフレンシアの心の切り替えは決して遅くない。新米達に新しい未来を見ることが出来るからである。2人の心情を慮ってなお冷徹に判断し、驚きの策を立案実行していくガブリエラの姿にレフレンシアは何を見たのか。今後の展開が(と言ってもガブリエラが騎士団のどのポジションに就くかは明白だが)楽しみである。なにせ団長一派との戦い(?)を一手で決める手腕である。関係各所の大きな反対も押し切る論理思考と恐れずに実行する度胸、その豪胆さを持ちながら周りから愛される緩和な人柄。おそらく本当は参謀役が適任なのだろうが、それは自分が受け持つから・・・とレフレンシアが考えるのは当然だろう。【ガブリエラ戦役】はまだ先のようだが、結果的にはこれに向けての布石となるエピソードと言える。
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